藤咲藤花は、幽世の気配に触れられる異能を持つ少女と、彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔を中心に進む現代伝奇シリーズ。人の業から生まれる猟奇事件を手がかりに、二人は依頼の現場や異能者の集う場へ足を運び、事件の背後にある因縁や役割のずれに向き合っていく。物語は、霊能探偵としての捜査、逃亡生活、異能者同士の対立を経て、神や世界の破滅に関わる領域へ広がる。全4巻でまとまっており、短編や外伝の情報は示されていない。
構造レビュー
編集部判定 良作
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
心優しい異能の少女と彼女を守ると誓った青年。年の差主従の逃避行。
編集部
安アパートの一室で霊能探偵を開業した異能の少女・藤咲藤花。一族から放逐された彼女の世話係を務める青年・藤咲朔。 複雑な過去を背負った相思相愛主従が、次々と持ち込まれる怪事件を解決していくと思わせ、2巻以降は藤花と朔の逃避行がメインとなり、命からがら追っ手を巻く殺伐とした展開が増えていきます。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
『“B.A.D.”』シリーズのファン ラブラブバカップルの同棲風景にニヤケたい人 ラブラブバカップルの逃避行の行く末を見届けたい人 異能の一族の愛憎渦巻く骨肉争いに巻き込まれたい人 メリーバッドエンドが好きな人
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AI分析(あらすじ)
- 現代伝奇や霊能捜査の設定が気になる人 - 異能者同士の対立や因縁を追う物語を探している人 - 少女と従者の関係を軸にしたシリーズに関心がある人
編集部
1巻でお互いの気持ちを確認して以降、主人公とヒロインがラブラブバカップルになる為、身分差カップル好きにおすすめしたいです。ミステリー要素は全体的に薄め、伝奇ホラー要素がより強くなっています。ラストの朔の選択は賛否両論分かれました。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 陰惨な事件や狂気が広がる世界の中でも、藤花と朔の甘いやり取りが続く「ギャップ」が好評。
- 猟奇・残酷な描写が、どこか美しく詩的に描かれている点を魅力とする読者が目立つ。
- 一見バラバラに見える事件がつながっていく構成や、異能一族の因縁が物語を深める点が評価されている。
- 推理小説というより伝奇・ホラー寄りの「人の業」を描く物語として読むと楽しめる。
- デビュー作『B.A.D.』を想起させる世界観や関係性に、シリーズファンが惹かれた。
こんな人におすすめ
- 暗く重い雰囲気や、救いの薄い物語を好む読者向き。
- 主従から始まる危ういほど深い二人の関係性(共依存に近い絆)を楽しみたい人に合う。
- 血や臓物、幻想的な恋愛要素が共存する作品が好きな人向けだ。
- 緊張感のある逃避行や、異能を巡る一族の愛憎劇に興味がある読者にも向いている。
- 表題の「探偵」を純粋なミステリーとして期待するより、新伝綺・伝奇ホラーとして読める人に向く。
人を選ぶポイント
- 「霊能探偵」と銘打たれていても、本格ミステリーではない点にギャップを感じる読者がいる。
- 動機の弱さやご都合主義、パネマジ感など、ストーリーへの違和感を挙げる声もある。
- 終始暗く、後味の悪さや落ち込む内容が強い作品だ。
- ヒロインが消極的・後ろ向きな発言を繰り返す性格が苦手、と感じる読者もいる。
- 設定説明の端折り方や不自然さを気にし、読む人を選ぶ作品だ。
テンポ・読後感
- 連作短編形式で、事件を解くたびにさらに暗い方向へ進んでいく重いテンポ。
- 張り詰めた空気の中に、二人の穏やかな日常会話が差し込まれる独特の読み味が評価されている。
- 逃避行を続ける主人公たちの行く先に安息が見えにくく、不穏さが続く展開が印象的だ。
- 前半より後半にかけて引き込まれる、物語としての完成度が高まる。
- 狂気と美しさ、惨劇と温かさが同居する、作者らしい「愛と業」の空気感が一貫している。
キャラクターへの評価
- 藤花は心優しく可愛らしい一方、底知れぬ闇や自責を抱えた複雑さがあるキャラだ。
- 朔は危険な状況でも藤花一筋で守り続ける姿が格好良い、と評価されることが多い。
- 役目を失った後、互いの存在意義を求め合う二人の関係性が物語の核だ。
- 一見ヒロインに振り回されているように見えて、実は彼女を離さないのは朔の方だ、という読み方もある。
- 周囲の異能者たちとの因縁は物語を動かすが、読者の関心はやはり藤花と朔の絆に集中する傾向がある。
巻一覧
この巻のあらすじ
その少女は「かみさま」のなりそこないーー
藤咲藤花の元に訪れる奇妙な事件の捜査依頼。 それは「かみさま」になるはずだった少女にしか解けない、人の業が生み出す猟奇事件。
人の姿を持ちながら幽世のものに触れる異能をもつ彼女は、事件の解決に自分の居場所を求めて歩む。 そして、その隣には「かみさま」の従者として彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔の姿が常にあった。
数奇な運命のもとに生まれーーそして本来の役割を失った二人は現世の狂気のなかで互いの存在意義を求め合う。 これは、夢現の狭間に揺れる一人の少女と、それを見守る従者の物語。
この巻のあらすじ
未来視の先に綴られた、美しき地獄ーー。
「かみさま」を失った藤咲からの逃亡生活を続ける、藤花と朔。
自らを「不良品」と称す少女を守りながら、朔は今後の行く末に頭を悩ます。
そんな二人のもとに、未来視の異能をもつ「永瀬」の遣いーー未知留が訪れる。
永瀬の擁する「ほんもの」が視た藤花と朔にまつわる幾つかの光景。
雪の降る永瀬の邸にて繰り広げられる、未来視を巡った狂気の発露。
それは『少女たるもの』になれなかった誰かの、在りし日の恋の残滓。
これは、過去に自分を求める少女と現在に自分を認める女の、
「想い」が生んだ美しき地獄の物語。
この巻のあらすじ
相対する白と黒。死をいざなう蝶が導く先は
永瀬の地獄から逃げ出した朔と藤花。 しかし二人の行く先にはもはや安寧の地などなく、さらなる地獄のしがらみが二人を絡めとる。
「神がかりの山査子」に保護されたものの、異能を強めるその特異な眼を狙われる朔。 滅びの力をもつ神をその身に下ろそうとする山査子の男と、それを邪魔せんとする少女の間で繰り広げられる「地獄めぐり」。 その中で、朔は藤花を危険にさらすものを呼び込む己の眼と運命を呪いはじめる。
そして死をいざなう蝶が二人を導く先では、燦然と繰り広げられ続けてきた醜悪な舞台がその幕を下ろそうとしていた。
この巻のあらすじ
地獄巡りの終着。滅びゆく世界と二人の未来
地獄巡りの末に、藤花と朔は「神様」と逢った。 山査子の座敷牢に囚われていた神様と呼ばれる超常の存在はーー力を抑えていた異能消去者の逃亡によりーー暴走を開始。
神様という名のアレは世界を滅ぼせる怪物。 アレは、世界を呪っている。人間を呪っている。生物を呪っている。 海を。陸を。空を。生者を。死者を。なにもかもを呪い続けている。 そして、その殺意は伝染する。 神様の呪いの影響を受けた者は壊れ、殺意に取り憑かれ、他者を襲い殺す。 伝染した人間や動物は呪いの新たな感染源となり、殺意を世界に伝播させていく。
混乱した世界はやがて藤花と朔をも呑み込み、破滅へと突き進む。 世界を救う道はひとつ、神様を殺すことーーつまり「神殺し」。 その神殺しのためには「藤咲の女たち」が必要であり、特に藤咲藤花は重要な存在なのだという……。
「かみさま」になりそこねた少女とその従者の物語は、ここに終演を迎える。
星評価・感想
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