常世とこの世が完全につながって十年後の現代を舞台に、幽霊、妖怪、幻獣、精霊が人間社会に入り込んだ世界で起こる怪異事件を追う伝奇ミステリー。怪異が人間の隣人となったことで、妖怪絡みの犯罪も日常的になり、それを解く役目として『魍魎探偵』がいる。主人公は助手の少女とともに依頼を受け、手紙の内容や現場の状況から事実関係を拾い上げる。人魚を名乗る依頼と旧家に残る食人の記録の食い違いのように、怪異の言葉と人間側の事情がずれる事件を扱い、調査と推理を軸に世界の成り立ちを見せていく。事件ごとに怪異の性質と人間側の都合がぶつかり、依頼の背景や土地の因縁も手がかりになる。怪異が存在することを前提に人の世が組み替わった後の姿を、探偵業の手順を通して描く。
構造レビュー
編集部判定 良作
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
神出鬼没の魍魎探偵と助手の美少女が解き明かす怪事件の数々。
編集部
やることなすこと胡散臭い魍魎探偵と謎の美少女助手、行く先々で奇怪な事件に巻き込まれる二人の珍道中が面白かったです。 ユミの意外な正体やトオルとの因縁の開示など、後半に投入されたドラマチックな種明かしがストーリーを盛り上げていました。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
京極堂シリーズが好きな人 アニメ『モノノ怪』のファン 和風伝奇ホラーが好きな人 色んな妖怪が登場する話が読みたい人 探偵と助手のバディを好む人 食えない男と食いしん坊な美少女が好きな人 凸凹コンビのズッコケ珍道中を楽しみたい人
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AI分析(あらすじ)
妖怪ものや現代伝奇、依頼の食い違いを追う探偵ものに関心がある人
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
モンブランは人気イラストレーター。主にpixivやSNSで活動中。
受賞歴
この項目をレビュー編集部
プロ作家による短編コンテスト「第1回MF文庫J evo」《第1位》受賞
編集部
明治・大正ベースの時代背景に妖怪要素を足した伝奇ファンタジー。『モノノ怪』シリーズをコミカルにした印象に近く、大変気に入りました。トオルとユミの旅路の続きが見たいです。
作品Q&A
評価されるポイントは? ストーリー
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 常世と現世が入り混じり、妖怪が人間の隣人として暮らす和風の伝奇世界観に引き込まれる。
- 人と怪異の間にある「騙り」を暴く、魍魒探偵モノとしてのテーマ設定が魅力的だ。
- 人魚・件・迷い家など、よく知られた妖怪題材を踏まえた上で事件を紐解く構成が面白い。
- 綾里けいし作品らしい外連味・おどろおどろしさ・シュールさが、短編連作と相性が良い。
- 落語やべらんめぇ調の文体や口調が、通常のライトノベルとは違う新鮮さを持つ。
こんな人におすすめ
- 和風ファンタジーや怪異・妖怪ものが好きな読者。
- 探偵と助手の凸凹バディものや、珍道中を楽しみたい読者。
- 京極堂シリーズや『モノノ怪』のような、和の伝奇・ホラー系の雰囲気が好きな読者。
- テンポよく読める短編連作型のミステリを探している読者。
- 事件解決と並行して描かれる二人の関係性や感情の機微を味わいたい読者。
人を選ぶポイント
- 推理は本格的というより、真実や辻褄を合わせる程度で、探偵要素は薄めだ。
- 情報が意図的に整理されず提示される場面があり、読みづらさを感じる。
- 設定や世界観の情報量が多く、文量の割に飲み込みきれない部分がある。
- 各事件の真相が早めに明かされる印象があり、ストーリー性を重視する読者には物足りない。
テンポ・読後感
- 短編連作ながら一冊でまとまっており、テンポよくサクサク読める。
- リズミカルでシニカル、ほんのりクレイジーな語り口が、作品独特の雰囲気を作っている。
- 明治・大正あたりを思わせる時代感と、妖が跋扈する混沌とした世界の描写が印象的だ。
- 猟奇的・おどろおどろしい要素がありつつ、どこか切なさや救いも感じられる読後感だ。
- 音や映像が浮かぶような文体で、オーディオドラマ化にも合いそうだ。
キャラクターへの評価
- 魍魒探偵・皆崎トヲルは、胡散臭さと飄々とした振る舞いが魅力で、騙りを見抜く役割が印象的だ。
- 助手・ユミは、べんべん言う可愛らしさや化け狐としての存在感が好評だ。
- 恋人とも相棒とも言いにくい距離感の男女バディが、本作の核だ。
- 事件を追う中で、二人の関係や過去、重い感情が徐々に見えてくる描写に心を掴まれる。
- 食えない探偵と食いしん坊な助手の凸凹コンビとして、掛け合いの小気味よさが楽しい。
巻一覧
この巻のあらすじ
常世とこの世が完全に繋がって十年ーー。 幽霊も妖怪も幻獣も精霊も、あらゆる怪異は人間の隣人と化した。 人の世は姿をがらりと変え、魑魅魍魎がそこかしこにあらわれて混沌と化していた。 無論、妖怪絡みの犯罪は後を絶たず、その解決を生業とする者が出てくることは必然で。 『魍魎探偵』 そう呼ばれる男は、今宵も助手の美少女とともに妖に関する事件に向かう。 依頼人からの手紙にはこうあった。 「自分は人魚です。このままでは喰われる。助けてください」と。 しかし向かった先の旧家では、人魚はもう一年も前に食べてしまったらしく……。 魍魎探偵が騙る、事件の真相とはーー?
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