高校生の川上縫が、茨城県の佐口澌村にある児童養護施設で暮らし始めるところから動き出す、伝奇ホラー寄りの物語です。村では古くから「サクチシサマ」という神が信仰され、縫は夢に現れる少女・芽璃と現実で出会います。やがて村で起きた連続怪死事件と、夢、失われた記憶、土着の儀式が結びつき、日常は不穏な方向へ傾いていきます。舞台は閉ざされた村と養護施設で、宗教性と怪異、記憶の断片が物語の軸になります。1巻構成のため、シリーズ全体はこの村を中心にした怪異と因縁の解明へ収束していく形です。続編・外伝・短編の情報はありません。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 90年代サブカルや伝奇ホラー、エロゲ的な空気を強く感じる作風。
- 因習村、カルト、猟奇、怪死事件、夢の少女などの要素が濃く、謎解きの引きが強い。
- 露悪的で残酷なのに、恋愛や救済の感触が同居している。
- 読後に強い衝撃や余韻が残り、問題作として印象に残る。
- ガガガ文庫らしい尖った作品として評価する声が目立つ。
こんな人におすすめ
- 伝奇ホラー、サイコホラー、因習村ものが好きな人。
- 重い展開や鬱寄りの物語を受け止められる人。
- 90年代のエロゲやサブカルの文脈に懐かしさを覚える人。
- 猟奇や狂気の描写を作品の魅力として楽しめる人。
- ひと筋縄ではいかない恋愛劇や執着の物語を求める人。
人を選ぶポイント
- グロテスクさや精神的にきつい描写がかなり強い。
- 読後感はかなり重く、好みがはっきり分かれる。
- 説明不足や情報量の多さで、難解に感じる部分がある。
- 物語の構造上、合わない人には雑多で中途半端に映る可能性がある。
- 明るい救いよりも破滅や不穏さが前面に出る。
テンポ・読後感
- 序盤は日常や謎の提示で引き込み、進むほど異常が増していく。
- じわじわ不穏さが肥大化し、終盤で一気に崩れ落ちる流れ。
- ホラーミステリーとしての探る面白さと、サイコホラーの圧が同居する。
- 退廃的で湿度が高く、どこか懐かしい電波感もある。
- 読み応えは強いが、安心して進めるタイプのテンポではない。
キャラクターへの評価
- 主人公は欠けた記憶や状況に巻き込まれ、次第に壊れていく印象。
- ヒロインは可憐さと危うさが同居し、強い存在感がある。
- 登場人物たちが穢され、歪められていく過程が印象に残る。
- 恋愛感情が救いにも侵食にも見える、ねじれた関係性が特徴。
- 脇役も含めてキャラクターの濃さが作品の熱量を支えている。
巻一覧
この巻のあらすじ
ようこそ、血と肉片にまみれた佐口澌村へ
川上縫は、毎晩のようにある少女の夢を見る。 現実では会ったことのない、その少女の名前は「芽璃」といったーー 高校生にして天涯孤独の身となった縫は、生前の父の友人が営む児童養護施設に入るため茨城県の佐口澌村にやって来る。 縫は同い年の女子高生・水谷緒途を始めとした、五人の子供たちとの同居生活を始め、次第に新しい生活に慣れていく。 そんなある日、縫は村人たちが古くから信仰している神、「サクチシサマ」を祀る神社へ行く。そこで彼は、何度も夢で見た少女「芽璃」と出会う。 夢が浸食してきたかのような現実に当惑する縫に、芽璃はかつて佐口澌村で起きた事件について語る。 実は佐口澌村では、これまでに三件の怪死事件が起きていた。 第一の事件は四つの溺死体が蝋化し、"連結"されて発見されたというもので、第二、第三の事件は、それよりも凄惨でおぞましいものだった。 そしてこの残酷な事件は、今年も起きるのだと芽璃は予言した。 芽璃と出会った日から、縫の日常は狂気に呑み込まれていくーー 連続怪死事件、宗教、夢、縫自身の失われた記憶が複雑な繋がりを見せ始めた頃、村の神、サクチシサマを祀る土着的な儀式が始まった。
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