『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』は、現代の地方都市を舞台に、嘘を重ねる少年・みーくんと、普通から外れた行動を見せる少女・まーちゃんを軸に、誘拐事件や死体の発見、失踪、連続殺人めいた事件へと接続していく物語です。表向きは恋人同士に見える二人の会話を通して、事件の経緯と人物の内面が少しずつずれて見えていきます。学校、病院、屋敷、海辺のホテルなど、閉じた場や日常空間を行き来しながら、事件の輪郭と二人の関係が変化していく構成です。
構造レビュー
編集部判定 良作
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
児童誘拐事件の被害者と加害者の息子。二人を繋ぐ歪な嘘。
編集部
誘拐被害者の少女と加害者の息子、ある事件をきっかけに致命的に人生がズレしてしまった二人の再会から幕を開ける物語。主人公みーくんの本名が最後まで明かされないのが特徴。 所々パロディを織り交ぜた一人称文体がその饒舌さで以てファンを掴む一方、みーくんに依存し倒すヤンデレヒロイン・まーちゃんのヒステリックな言動には戦慄を禁じ得ません。他の登場人物も多かれ少なかれ狂った連中ばかりで、ごく一部の例外を除いて常識人はいません。各巻で扱われる事件は総じて猟奇的。犯人の動機も読者の理解と共感を拒む、自己本位なものとなっています。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
ヤンデレ好きな人 電波ヒロインが好きな人 叙述トリックに騙されたい人 サイコホラーが好きな人 加害者遺族×被害者の共依存カップルに惹かれる人
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AI分析(あらすじ)
- 現代舞台の事件ものを読みたい人 - 一人称の語りと人物のずれが気になる人 - 学園、病院、屋敷など閉じた場の事件に関心がある人
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
左は19歳でデビューした人気イラストレーター。ラノベの表紙・挿絵を多く手掛けています。代表作は日日日『ささみさん@がんばらない』(ガガガ文庫)友野詳『シルバーレイン アーリーデイズ』(ファミ通文庫)など。
受賞歴
この項目をレビュー編集部
2009年版「このライトノベルがすごい!」で作品部門9位、2010年版で7位を獲得しました。
編集部
サイコホラーラノベの金字塔。最凶ヤンデレヒロイン・まーちゃんのインパクトは絶大で、彼女を生み出しただけでもラノベ史に爪痕を残しました。みーくんの信用ならざる語り手ぶりも巧妙で、二重三重に仕掛けられた叙述トリックに騙されます。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 主人公の語りや「嘘」が絡む叙述トリックで、何が真実か最後まで揺れ続ける構成にハマる。
- 視点が細切れ・時系列が交錯するパズル型の読み味で、全貌が見えたときのカタルシス(または毒のような余韻)を味わえる。
- 壊れたヒロインと加害者側の少年という歪な関係性、共依存カップルとしての化学反応が強烈だ。
- サイコホラー寄りの不穏さと、日常の隙間に差し込む非日常(緊張と滑稽さの同居)が独特でクセになる。
- 群像劇・多視点で価値観や倫理観のズレた人物像が立体的に描かれ、シリーズ横断のつながりも楽しめる。
こんな人におすすめ
- 叙述トリックやミスリードに「騙されたい」と思える読者。
- ヤンデレ・電波系ヒロイン、壊れたキャラクターの魅力に惹かれる人。
- サイコホラー/胸糞系の重さを受け止められる読者。
- 加害者遺族×被害者のような歪なカップル関係に興味がある人。
- 読み解き・考察型のミステリを、多少の読みにくさも含めて楽しめる人。
人を選ぶポイント
- レトリックが詰め込まれた文体や支離滅裂な表現が続き、一巻以降は特に読みにくい・疲弊する。
- 肝心な部分が最後まではっきり書かれず、答え合わせに追われる構成が不親切だと感じる読者もいる。
- 上下巻分割や主人公不在の群像回など、巻によっては「みーまー」感が薄れ、物語の芯から外れた印象を受ける。
- 児童誘拐・監禁・殺人事件など重いテーマをラノベ的な世界観で扱うことへの違和感や、読後の後味の悪さを指摘する声がある。
- 完全版と旧版で台詞・描写の差があり、好みの版がある/カットされた名台詞が惜しいという懐古的な不満も見られる。
テンポ・読後感
- ページ数は多めでも、視点切り替えと時系列の大胆な操作で常に混乱と発見が交錯するテンポだ。
- 序盤は静かな田舎町の不穏さから入り、途中は精神の崩壊に連動した文体の乱れで「読者も病みそう」な没入感が生まれる。
- 緊張感があるようで実は独特の空気感、日常の些細な欲求(食事やイチャコラ等)と事件が並走するバランスが本作らしい。
- 終盤は謎の解明や真相接近に比重が寄り、情報量で手一杯になる一方、年表など一部の手がかりだけが読者を助ける。
- 再読すると一巻以来の衝撃や分岐点の回の白熱ぶりが際立つ、長期シリーズならではの蓄積型の読後感だ。
キャラクターへの評価
- 御園マユ(まーちゃん)は、可愛らしさと人間離れした狂気が同居する「最凶クラスのヤンデレ」として語り継がれる存在だ。
- みーくんは、身近な喪失などを契機に壊れていく描写や、現実認識が歪んだ語り手としての「騙り」が作品の核だ。
- にもうとは、一途さや兄への想いが強烈で、ヒロイン不在の回でも心臓に悪いほど印象に残る。
- 恋日先生、湯女、金子、伯母など脇役も倫理観が独特で、全員が少し狂っている群像として楽しめる。
- 完全版では過去の補完により人物の背景が想像しやすくなった一方、台詞の変化で「時の流れ」を感じる。
巻一覧
この巻のあらすじ
御園マユ。僕のクラスメイトで、聡明で、とても美人さんで、すごく大切なひと。彼女は今、僕の隣にちょこんと座り、無邪気に笑っている。リビングで、マユと一緒に見ているテレビでは、平穏な我が街で起こった誘拐事件の概要が流れていた。誘拐は、ある意味殺人より性悪な犯罪だ。殺人は本人が死んで終了だけど、誘拐は、解放されてから続いてしまう。ズレた人生を、続けなければいけない。修正不可能なのに。理解出来なくなった、人の普通ってやつに隷属しながら。──あ、そういえば。時間があれば、今度質問してみよう。まーちゃん、キミは何で、あの子達を誘拐したんですか。って。第13回 電撃小説大賞の最終選考会で物議を醸した問題作が登場!
この巻のあらすじ
入院した。 僕は殺人未遂という被害の末に。 マユは自分の頭を花瓶で殴るという自傷の末に。二人が入院した先では、患者が一人、行方不明になっていた。その事件は当初、僕にとって問題となるべき事柄ではなかった。数日後に起きた出来事のほうがよっぽど衝撃的だったからだ。数日後。 マユは、頭部と花瓶を再度巡り会わされた。自傷じゃなく、誰かの手によって。マユは病室で血塗れになり、今回も気絶することなく自前の足で歩き、医者に治療を依頼した。そして、治療から帰ってきたマユは、本題とは関係の無いことを僕に発表した。死体を見つけた、と。また、はじまるのかな。 ねえ、まーちゃん。
この巻のあらすじ
バレンタインの季節。 街では、複数の動物殺害事件が発生していた。マユがダイエットと称して体を刃物で削ぐ行為を阻止したその日。僕は夜道で、死んだはずの妹(多分)と出会う。そして妹っぽいものに遭遇した翌日。僕は学校の朝礼で知る。 無自覚の悪意の伝染について。三ヶ月の短い静穏へ精一杯の反抗を示す惨殺死体事件。最悪な、殺人街としての街興しが、再び始まったらしい。あー。 この立て役者は、僕の妹(暫定)なんだろうなあ、きっと。……口癖の出番は、あるなら早めによろしく。
この巻のあらすじ
三月三十一日。 マユが破綻した。四月一日。 僕は単身、かつて誘拐犯が住んでいた邸宅に足を運んでいた。主観でいうと、元僕ん家だ。 今では、その屋敷は 『大江家』 の所有物となっていた。元自宅で待ち受けていたのは、以前の姿を一片も感じさせない増改築。窓にはめ込まれた鉄格子、歪な洋館的風貌。屋内では、家人の景子さんによる鳥肌な歓迎と忌まわしき過去との再会。僕はすべてを受け入れながら、屋敷を探索する。求めるものは、マユがまーちゃんにもどるための何か。しかし、事態は混迷を極め始める。切られた電話線、水没する携帯電話、大江家の皆さんと共に閉じ込められる僕ら…… ら? そうだ。 伏見、なんでついてきたんだよ。 クローズド・サークルって、全滅が華なんだぞ。…… さて僕は。この小旅行中に、みーくんを取り戻し、まーちゃんを救うことができるのだろうか。
この巻のあらすじ
閉じこめられた(継続中)。 まだ僕は、まーちゃんを取り戻してはいない。外界と完全遮断した密閉屋敷では、家族を殺人犯として疑い合う異常な環境が生み出されていた。もちろん、その最有力候補は、家族ですらない部外者の僕である。 わはは。…… さて、それはさておき。 依然としてこの屋敷に助けは来訪していない。無力すぎる脱出への工作も終わり、食糧も底をつき、大江一族の疑心と嫌悪が頂点に達した時…… ついに伏見の姿まで消えた。いよいよ、華の全滅に向かって一直線、なのかなぁ。うーむ、まーちゃんが恋しい今日この頃である。
この巻のあらすじ
梅雨の季節。狂気蔓延る屋敷からどうにか抜けだし、無事まーちゃんとらぶりーな関係に戻った今日この頃をいかがお過ごしになれそうか考えていた昨今。体育の授業をサボり中、人間をお辞めになったらしき侵入者が学校に来訪した。殺傷能力を有した、長黒いモノを携えて。そしてそいつは、無言でいきなり自我を暴発させた。つまり、長黒いモノをぶっ放した(エロい意味じゃなく)。気づけば、体育館の床一面には阿鼻叫喚の赤い花が狂い咲き始め……。えー、最後に一言。さよなら、まーちゃん。……嘘だといいなぁ。
この巻のあらすじ
突然ごめんあさーせ。嘘つきさんが舞台から退場して、どれくらい経ったかしら。私、嘘つきさんに代わって、『物騙り』を任命されたものですの。何で私なのかしら。認めたくないのだけど、きっとあの嘘つきさんとよく似ているからでしょうね。では些か僭越なのだけれど、これから我が平和な町で起こった愉快な殺人事件をご紹介するわ。……あら、自己紹介がまだだったかしら。私の名前は大江湯女。騙り部であり、誰よりも自らを知るアンノウンな十八歳であーる……嘘だけど。うーん、私にはまだまだ使いこなせないわね、これ。
この巻のあらすじ
むかしのことを考えると頭の中が深夜のテレビみたいにノイズだらけになるさっこん、いかがお過ごしでしょうか。これは、ぼくがまだ僕になる前の話だ。家庭内にぎやか事件のあと、ぼくはいろんな人と出会った。恋日先生、じさつ志願者、いじめっ子少女、にもうと、そして、マユちゃん。みんな(とくにマユちゃん)の純粋むくな姿がめじろおしでおとどけなのである。……むかしのぼくは正直ものだったんだよね。うそだけど……今度、じしょでうそって字を調べとこう。
この巻のあらすじ
ほんさくのとうじょうじんぶつです。みどりのぼうしのたんていのひと(ろりこん)。ろりこんぎらいのおんなのこ。おかしなおじさん。じさつしたあねをもつひと。しょしんしゃなかつぷる。ねこずきさっか。きんぱつあおすーつのひと。きれいなこわいおんなのひと。ばかんすでやってきた、うみがちかくにあるほてるにて。だれがしんで。だれがしなないか。僕とまーちやんは、知らない
この巻のあらすじ
長瀬透が殺された。そのあと、変な奴から殺人声明の電話が掛かってきた。でも、僕の人生に一片の起伏もない。僕とまーちゃんの毎日は、それでも何も変化しなかった。僕は長瀬の死を知らされても、涙も流さなかった。教室にある長瀬の机の引き出しには、教科書が残っていた。置きっぱなしは教師から注意されているのに。長瀬なりの反抗期かな、これ。 ……ははっ。ああ、良かった。僕はまだ、笑えたぞ。
すべての巻を見る(全13巻)
この巻のあらすじ
まーちゃんが、殺人犯に攫われた。僕の元から、まーちゃんが消えた。バカップル伝説も終焉を迎えた。長瀬透殺人事件に起因する自分自身との無益な争いに精を出していた間に攫われたんだから、まったくもって笑えない。しかも犯人は、長瀬だけでなく、僕の知り合いを次々と殺してまわった人間でもある。そして、今だ犯人は逃亡中。この事件だけは、僕が終わらせないといけない。敵は二つ。殺人犯と、僕自身。内外からの挟み撃ちだ。相手にとって不足はないが、相手からすれば標的は不足だらけだろう。だからって、まーちゃんを諦めると、僕はみーくんじゃなくなる。出来る内に、出来ることを。『ぼく』 が終わる前に。
この巻のあらすじ
あるところ、ある時代に双子の姉妹がいました。姉は妹をこう評します。「わたしと比べたら馬鹿」 妹は姉をこう評します。「よくできた姉様」 姉の方は父親によく似ています。「勘弁して」 妹の方は笑うと母親に瓜二つです。「あっはっは」 いつの頃からか、妹の存在を認識できなくなった姉。悪党を探して殺すために金属バットを持ち歩く妹。両親とそっくりで、嘘つきで壊れた二人。歪んだ双子の姉妹の、交わらない日常。そんな彼女たちが住む町で起きた連続殺人事件。そして、双子の姉は言いました。「うちの妹が犯人よ」と。――ねえ、まーちゃん。今度は僕たちの子供の話だってさ。
この巻のあらすじ
「君を世界で一番×してる。……嘘だけど」
クラスメイトの御園マユ。まず第一に、とてつもなく美人。他人を寄せつけない孤高の存在。そして、これが大事なんだけど……実は僕の恋人。 --そう、表向きは。 最近、小学生の誘拐事件が街を騒がせているらしい。 僕はずっと不思議なんだ。マユ……いや、まーちゃん。
君はなぜあの子たちを誘拐したんだろう。
すべての読者を騙し、慟哭と衝撃の真実を突きつけるミステリーが、完全版で蘇る。
【本編の前日譚にあたる、書き下ろし掌編「追憶『あがいても、生きる』」も収録】
星評価・感想
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最新 50 件を表示(全 69 件・感想付きを優先)
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ケイ 4 ヤンデレに愛され、病んでるものが見たい人におすすめ。薄暗い恋心と壊れた愛のお話。
実写映像化もした、知っている人は知っている名作です。
子供の頃起きた事件で人生が狂ってしまった主人公『みーくん』と、ヒロインのまーちゃんこと御園マユ。高校生になったあるとき、二人が再会したところから物語は進んでいき、やがて過去の事件に関わるある真実が読者に知らされ…ひとによってはぞっとする結末になっています。
とにかく言葉遊びがうまく、挿絵の雰囲気もあり独特の空気感を持つ作品になっています。全体的にみーくんの視点で話が進むのですが、作中でマユはみーくんにとても執着しているので、かなりのヤンデレっぷりが見れます。そんなマユを好きなみーくんもある部分ではヤンデレと言えるところがありますが、それはネタバレになってしまうので控えますが…とにかく驚くような内容の他、カバー絵の仕掛けなども楽しめたとても面白い作品だったと思います。本気の病みを見たい人にはおすすめできる作品です。 -
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