夜魔
- 著者
- 甲田学人
- イラスト
- 三日月かける
- レーベル
- 電撃文庫、メディアワークス文庫
- 刊行年
- 2010
- 巻数
- 2巻
- アニメ化
- —
- 読み放題状況
- Kindle Unlimited: 1巻まで / BOOK☆WALKER: 1巻まで
『夜魔』は、願望を叶えるという夜色の外套を身に纏った魔人と、魔女・十叶詠子を軸にした幻想怪奇の短編連作です。小学校の桜の木に子どもが攫われる話、満開の夜桜の下で起きた喪失をきっかけに願いへ向かう話など、都市に潜む怪異と人の執着を一話ごとに描きます。舞台は現代の都市や学校周辺で、都市伝説、桜、夜、願望、絶望が反復されます。全体としては、喪失を抱えた人物が怪異と接触し、その都度「望み」と「代償」が立ち上がる構成です。二冊分の短編連作として、同じ魔人と魔女の系譜を通しながら、異なる人物の物語を並べています。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 甲田学人の原点作として、後の『Missing』へ続く世界観の入口になっている。
- 瞳に住む魚や蝶型の魂など、一見ロマンチックな奇想を狂気や痛みへ反転させる筆致。
- 横断歩道の白線やぬいぐるみの裂け目など、日常風景を薄気味悪く変える恐怖の演出。
- 「見えないものを視る者」と理解されない者の間にある、双方の気持ちが想像できるジレンマ。
- 短編ごとにトーンが異なり、神秘性・切なさ・都市伝説的な不気味さを味わえる。
こんな人におすすめ
- 『Missing』を読んでいる、またはこれから読む予定の読者。
- 甲田学人作品の甲田節や原点を味わいたいファン。
- 怪談・都市伝説風のホラーや、幻想奇譚を好む読者。
- 痛々しい青春ファンタジーや、グロ描写を許容できるホラー読者。
- 短編形式で世界観の断片を楽しみたい人。
人を選ぶポイント
- グロテスクで生理的嫌悪感の強い描写が随所にある。
- 特に蟲の描写は、虫が苦手な読者には耐え難いレベルとの指摘。
- いじめ・虐待・自傷を想起させる痛々しい内容が多い。
- 大人が機能しない状況への暗い視線や、重い後味が残る話が目立つ。
- 『Missing』との関連が強く、シリーズ文脈があると理解しやすい。
テンポ・読後感
- 4篇の短編連作集で、話ごとに恐怖度・グロ度・切なさの配分が異なる。
- 幻想奇譚という体裁だが、痛く容赦ない作品像が強く印象づけられている。
- 一部は比較的穏やかに感じられる話もあるが、ゾッとする恐怖や後味の悪さも残る。
- ジャンプの『アウターゾーン』のように、ちょっと怖い世界に迷い込む読後感。
- 『怪』巻との二層構成で、先にどちらを読むかで印象が変わる。
キャラクターへの評価
- 幼少期から中学頃の十叶詠子が複数話に登場し、不思議ちゃんとして可愛らしく描かれる。
- 詠子の意外な一面や、『Missing』本編への伏線的登場がサプライズとして喜ばれる。
- 名付けられし闇の神野陰之との邂逅が、魔女の原点を語る重要な軸になる。
- 視えないものを視続ける少年少女たちの、受容と狂気の境界が印象に残る。
- 阿坂など、詠子や神野と関わる人物の過去が断片的に浮かび上がる。
巻一覧
この巻のあらすじ
「君の奥底に眠る『願望(のぞみ)』は───何だね?」 小学校の校庭に立つ大きな桜の木。この桜は子供を攫う。咲が子供の頃、目の前で親友が桜の花びらに沈み、消えた。風が薙ぎ、桜色のさざなみが立つ時、咲は悪寒とともに明確な危険を感じる。──桜の花びらは危険だ。そして、親友のことを想い続け、魔女と出会った彼女は、密かに願う。 これは、『Missing』シリーズの夜色(ヨルイロ)の外套(マント)を身に纏った魔人と、魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。そして二人の出会いとは──。 甲田学人が放つ渾身の幻想奇譚短編連作集、メディアワークス文庫『 -怪- 』と連動し、待望の文庫化!
この巻のあらすじ
「君の『願望』は──何だね? そして、君の『絶望』は────」 満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは密かに憧れていた従姉だった。彼女はその晩、桜の木で首を吊る。 ──彼女は、あの桜の中にいる。……彼女に会いたい。そう信じ、願う男は、遂に人の願望を叶える夜色の外套を身に纏う昏闇の使者と遭遇する。曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。夜より生まれ、この都市に棲むという、永劫の刻を生きる魔人。そして、恐怖がココロの隙間へと入り込み──。 鬼才・甲田学人が紡ぐ渾身の怪奇短編連作集。
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