余命宣告を受けたホラー作家が、幼少期から頭の中にこびりついていた「祟り」のような異変を抱えたまま、著名な怪異サイト『ボギールーム』に投稿するところから始まる現代ホラー・ミステリ。管理者から謎の解明を約束され、主人公は怪異考察士として自分に起きた現象の正体を追う。投稿への応答、過去の体験の照合、当事者としての記録と検証を通じて、個人的な異変を少しずつ言葉にしていく構成で、ネット上の相談と現実の体験が接続される。物語は、怪異を外側から説明するだけでなく、異変を抱える本人がサイトを介して手掛かりを集める過程に置かれている。匿名の投稿と管理者の応答が積み重なることで、原因を断定せずに輪郭だけを探る進み方が取られている。そのため、作品全体は怪異の正体を追う調査と、語り手自身の過去を確かめる作業が重なる形になっている。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 実話怪談、民俗学、オカルト考察を重ねていく構成が新鮮。
- ひとだま、火車、ろくろ首、UFOなど題材の幅が広く、怪異の引き出しが多い。
- 調査や資料読みの積み上げが効いていて、ホラーミステリとして読ませる。
- 後半で考察がつながっていく流れや、終盤のひっくり返しに強い手応えがある。
- 日本の土着怪異とクトゥルフ的な不穏さが混ざる独特の読後感が残る。
こんな人におすすめ
- 怪談を「怖がる」だけでなく、由来や仕組みまで考えたい人。
- 民俗学、伝承、オカルト資料読みが好きな人。
- ホラーとミステリの両方を楽しみたい人。
- SIREN、ムー、Xファイル系の空気感に惹かれる人。
- 実話怪談やネット怪談のモキュメンタリー感が好みの人。
人を選ぶポイント
- 前半の怪異考察や資料パートを冗長に感じやすい。
- 途中まで真相の着地点が見えにくく、読みにくさが出ることがある。
- 怖さよりも考察重視のため、直球ホラーを期待するとズレる。
- 終盤の展開やオチは好みが分かれやすい。
- 怪異の説明がすべてすっきり回収されるタイプではない。
テンポ・読後感
- 序盤は調査と怪談収集が続き、じわじわ不穏さを積み上げる。
- 中盤は伝承や実話怪談を挟みながら、謎が少しずつ輪郭を持つ。
- 後半で一気にミステリ色が強まり、流れが加速する。
- 全体に湿った不安感と、足元が揺らぐような感覚がある。
- 怖さの質は派手な怪物より、日常が異化していくタイプ。
キャラクターへの評価
- 主人公は余命や病を抱えた不安定さが強く、危うさが印象に残る。
- オカルトサイト管理人の神目は怪しさがあり、物語を引っ張る存在感がある。
- 主人公と神目のやりとりが、調査劇としての面白さを支える。
- 主人公の過去や記憶の欠落が、人物像にミステリアスさを与えている。
- 周囲の人物や家族の気配も、怪異の不気味さを増幅させる。
巻一覧
この巻のあらすじ
【 創刊 二見ホラー×ミステリ文庫 】 毎月20日頃発売
余命宣告されたホラー作家 頭の中に──こびりついた爆弾 「祟り」に囚われた作家は怪異考察士となって、その謎を追う。
私は頭の中に爆弾を抱えていた。幼き日にこびりついた爆弾は活動を停止していたが、ついに動きを再開してしまった。 「祟り」とでもいうべきこれのことを著名な怪異サイト『ボギールーム』に投稿したところ、管理者から謎の解明を約束される。 やがてこのサイトの怪異考察士となった私は、自身に起こったことを究明していくことになる──その先にあるものは果たして……
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