大学三年の夏休み、主人公は水素水詐欺にあった祖母の様子を見に静岡へ向かう。同行するのは、なぜかずっとついてくる我儘なねえさん。久しぶりに会った祖母はうっとりした目で同じ言葉を繰り返し、「爺さんが死んだのは、めんとりさまのせいだ」と告げたのち失踪する。主人公とねえさんは、土地に残る怪異「めんとりさま」の正体を追いながら、祖母の言葉の裏にある家族の記憶と長く伏せられていた事情へ踏み込んでいく。現代の地方都市を舞台に、帰省先での聞き取り、家の中に残る違和感、怪異の由来探しが重なり、夏の調査は家族史をたどる探索へ変わっていく。全体は複数の節題を挟みながら、手がかりが少しずつ集まる構成で進む。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 田舎の夏、蝉時雨、梅ジュースなど、湿度のある季節感が強く残る。
- 姉弟の距離感や、姉という存在の魅力を軸に読ませる。
- 家に伝わる因習や謎の名称をめぐる、民俗ホラー寄りの空気がある。
- 現実と幻想がゆらぐ浮遊感、退廃的で詩的な読後感が印象に残る。
- 食べ物や家の描写が細かく、生活感と不穏さが同居する。
こんな人におすすめ
- 姉キャラや姉弟ものの関係性に惹かれる人。
- 夏の情景やノスタルジーを強く味わいたい人。
- 民俗・因習・伝奇っぽい雰囲気を楽しみたい人。
- 物語の整合性より空気感や情念を重視する人。
- すっきりした謎解きより、曖昧さ込みで読むのが好きな人。
人を選ぶポイント
- 時系列や場面転換が飛び、状況把握に苦労しやすい。
- 現実と幻想の境目が曖昧で、読み手を選ぶ。
- ホラーとして期待すると、怖さの出方がかなり控えめに感じやすい。
- 設定や説明がふんわりしていて、理屈重視だと引っかかりやすい。
- 文章や構成の粗さを気にすると、物語に入り込みにくい。
テンポ・読後感
- 断片をつないで進むため、流れはゆったりでも読感は落ち着かない。
- 中盤以降に現実感が揺らぎ、酩酊感や浮遊感が強まる。
- 夏の熱気、湿気、焦燥感が全体を包。
- 明るさよりも、退廃・不穏・切なさが前に出る。
- 終盤はきれいに収束するというより、余韻とざらつきが残る。
キャラクターへの評価
- 姉の存在感が強く、奔放さや蠱惑的な雰囲気が目を引く。
- 姉弟の関係は、禁忌感と親密さが同時に立ち上がる。
- 祖母は物語の導線であり、家の秘密を背負う存在として印象的。
- 登場人物の感情や情念が前面に出て、理屈より気配で伝わる。
- 生活の細部が人物像を支え、家族の閉じた空気を濃くしている。
巻一覧
この巻のあらすじ
大学三年の夏休み。おれは水素水詐欺にあった祖母の様子を見に、静岡へと向かう。我儘なねえさんも一緒に。ねえさんはなぜだか、ずっと、おれについてくるのだ。 久しぶりに逢う祖母の目はうっとりとしていて、同じ言葉を繰り返す。爺さんが死んだのは、めんとりさまのせいだ。居るんだ、めんとりさまはーーそして、祖母は失踪した。 祖母の行方を追うため「めんとりさま」の正体を調べる、おれとねえさん。しかしそれは家族の闇と絶望に触れる、禁忌の探索だったーー! Faceless Summer Plum Juice Crystallized Reality Remains in the Black Dear my Sisters Memento-mori Summer
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