縁が見える目を持つ渡辺琴子が、縁切りで知られる鍋底神社で再就職する和風現代ファンタジー。勤務先との縁を切られたことをきっかけに、琴子は宮司の敷島や神社のご意見番である天狐の稲穂と関わりながら、祈祷客の依頼や境内に残る事情を見ていく。敷島は良縁・悪縁を問わず縁切りを行い、琴子の見る「縁」と食い違うため、ふたりの認識はたびたび噛み合わない。現代日本の神社に、人と人、場所と役割を結ぶ/切るという発想が重なり、神社で起こった出来事の背景を少しずつたどっていく。祈祷と再就職、妖の存在が同じ空間に置かれ、身近な仕事と超常要素が並行する構成になっている。

構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

縁切りという、誰もが一度は願ってしまったことがあるようなことがテーマ。主人公は人の縁が見えることで悩み、神社に来たことで就職先をなくすが、それもまた縁あってその神社に就職することになる。ただ縁を結んだり切ったりする話ではなく、主人公の特殊な能力や、宮司のなんでも切ってしまう考え方など、奥深いストーリー展開。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

縁が見える、縁が切れる、この2種の特殊な能力を別々に持ったキャラクターがぶつかり合いなが進んでいくことで、キャラクターの味わいがとても深くなっているように感じられた。縁が見える主人公の気持ちもわかるが、縁を切ってしまう宮司の考えも、わからなくもなく、共感と悩んでしまう場面のせめぎ合いは面白い。

設定・世界観 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

縁切り時神社となれば、有名な場所を思い浮かべる人もいるくらい、面白いものを話にしていると感じられた。特に女性ではよくある恋の悩みや、主人公のように就職先とのご縁など、共感できる世界観も多い。

話題性 C (1) レビュー

理由・補足

編集部

特になし

初心者向け S (4) レビュー

理由・補足

編集部

共感できる世界観が多く、初心者でも読みやすい作品だと感じる。また縁切り神社や縁が見える、切れる、ということをダークな感じで描かれていないので、ホラーやオカルト感がなく読み進められる。ファンタジーの延長という感覚なので、読みやすい。

読後感の良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

さっぱりとした終わり方。主人公と宮司の恋模様はどうなのか、と気になるような感じもするが、そこまで強く発展しているわけでもないので、逆にこのままさっぱり終わっても気にならない、という印象である。

テンポの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

縁切り神社が舞台なので、さまざまな人がやってきて面白く、テンポよく読むことができる。また、さまざまな人と出会う縁が見える主人公の気持ちが丁寧に表現されており、引っかかることなく読めた。

読みやすさ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

ホラーやオカルトの要素はほとんどなく、少しファンタジーチックで不思議な気持ちになれる。不安な気持ちを抱かずに読み進められるので、読みやすい印象。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

人の縁が見える主人公と、人の縁を切れる宮司が意見をぶつけ合いながら成長していく物語。

編集部

人の縁が見える主人公が、人の縁を切れる宮司と出会い、その神社へ就職することになる物語。縁は見えても切れない主人公と、良縁悪縁気にせず切ってしまう宮司が、ぶつかり合いながらも前に進んでいく。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

・縁切り神社の話が読みたい人 ・縁切りする話が読みたい人 ・特殊な能力を持ったキャラクターが登場する話が読みたい人 ・ダークな感じがあまりない縁切りの話が読みたい人

  • AI分析(あらすじ)

    神社やあやかし、縁切り・縁結びの題材を含む和風ファンタジーを読みたい人。

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編集部

石田空(いしだ・そら) 兵庫県在住。 2016年第2回お仕事小説コン特別賞受賞。翌年「サヨナラ坂の美容院」で紙書籍デビュー。 ≪代表作≫ ・神様のごちそうシリーズ ・紫蘭後宮仙女伝ー時をかける偽仙女、孤独な王子に出会うー ・告白代行部、ただいま活動中! ・芦屋ことだま幻想譚

イラストレーター情報

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編集部

汐街コナ 作家、漫画家。

編集部

2016年第2回お仕事小説コン特別賞受賞

編集部

悪い意味だけでの「縁切り」ではないと感じられた作品。また特殊能力を持つ主人公の悩みや、宮司が縁を切ってしまうことなど、ぶつかり合うこともありつつ、それでも紡がれていく「縁」はタイトルのようにふしぎさを感じた。ダークな印象がなく、本の造りも神社のイメージに作ってあり、開いた時に可愛い、きれいだ、と感じる造りにされていたので女性向の1冊となっている。

作品Q&A

合わない人・注意点は? ストーリー
ベストアンサー
縁切り神社や縁をテーマにしたものが好きかどうかに若干左右されるところもある。

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文体はどんな感じ? ストーリー
ベストアンサー
主人公の気持ちを丁寧に描いているので、読みやすい。難しい言葉、言い回しなどがなく、主人公の視点がしっかりと表現されているように感じた。

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世界観の作り込みは? 世界観
ベストアンサー
縁切り神社という舞台がわかりやすく、よかったと感じる。誰もが一度は考えたことがあるかもしれない「縁切り」というものを織り込みながら、ホラーやオカルト感なく、むしろ人の縁をどう考えていくのか、しっかりと考える世界観。

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評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
縁切り神社が舞台ではあるものの、悪い印象だけで終わっていないので、好感が持てる作品と感じられた。主人公が縁が見えるという特殊な能力を持ち、神社の宮司が縁を切れる能力を持つ、という関係性にも、引き込まれる。縁切り神社がどんなものなのか、その裏側をのぞいたような感覚になれるので、縁切りを考えたことがある人にもおすすめできる。 【おすすめキャラクター】 渡辺琴子 人の縁が見える主人公。宮司が縁を切ってしまうので、どうなのかと物申すこともある。就職先との縁を切られ、就職できなくなってしまい、神社へ就職。しかしそれが結果的には良縁となった様子。

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この作品の特徴は? ストーリー
ベストアンサー
縁が見える主人公が、就職先との縁が切れたことで、縁切り神社へ就職する話。人の縁を切れる宮司が、良縁悪縁気にせず切ってしまうので、主人公と対立することがあるものの、さまざまな人との出会いによって、進んでいく話。

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どんなテーマ・ジャンル? ストーリー
ベストアンサー
ファンタジー要素もあるものの、縁切り神社を舞台にした世界観が面白い作品。またそこに縁が見える主人公と、縁を切ることができる宮司がいるので、神社を訪れた人の「縁」がどうなっていくのか見ものであると感じられる。ダークなイメージであった「縁切り」や「縁切り神社」が少し軽くなった印象。

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縁切り神社でタブーとされるものは? その他 会員の質問

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 人の縁が見える主人公と、縁を切れる宮司という対照的な設定に惹かれる。
  • 縁切り神社を舞台に、参拝者の悩みに関わりながら二人の関係が進む構成に興味を持った。
  • 「出会って結ばれ、良縁か悪縁かは後から決まる」といった縁の捉え方に納得感を覚えた。
  • 縁というテーマを、実体験を思い浮かべながらじんわり味わえる作品だ。

こんな人におすすめ

  • 縁切り神社や「縁」をテーマにした物語に関心がある読者。
  • 対立する二人の価値観のぶつかり合いから関係が深まっていく話が好きな読者。
  • ダークさより、縁切りをライトに扱った作品を探している読者。
  • 設定や世界観の新しさを重視して手に取る読者。

人を選ぶポイント

  • 主人公の言動や性格に合わないと感じ、読み進めづらくなる。
  • 本筋や作品が伝えたいことの輪郭が掴みにくい。
  • 二人の意見対立が繰り返され、展開が単調に感じられる。
  • 文章の読み取りにくさが、没入感を損ねる要因になった。

テンポ・読後感

  • 題材の面白さから期待して読み始めるものの、途中でテンポや展開のわかりにくさを感じる。
  • 物語の運びがややまどろっこしく、読了まで時間がかかる印象を持った。
  • 一方で、最終的にはうまくまとまった感じを受けた。
  • 縁の不思議さを静かに味わえる、しみじみとした読後感を覚えた。

キャラクターへの評価

  • 琴子は正義感や頑固さが強く、自分の考えを押し付けるように映る。
  • 縁が見えるからといって常に正しいわけではないのに、宮司の判断をなかなか受け入れられない。
  • 言葉選びが上から目線に感じられ、相手の考えを真っ向から否定しにくい場面でも強い姿勢が目立つ。
  • 敷島との対立は物語の軸になる一方、同じ論点の繰り返しになりやすい。

巻一覧

縁切り神社のふしぎなご縁
2019年8月 ISBN 9784758091985
この巻のあらすじ

縁切りで有名な鍋底神社で祈祷を見学したら、勤務先との縁を切られてしまった渡辺琴子。幸いにも、宮司の敷島に、悩みでもあった人の縁が見える目を買われて、神社に再就職することに。物腰柔らかで穏やかそうな敷島だが、祈祷客が望めば、悪縁、良縁関係なく縁切りを行うという、とんでもない人物だった!! 縁をめぐって噛み合わないふたりだが、神社のご意見番を務める天狐の稲穂曰く、神社で起こったある出来事が関係しているようで……?

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