兵庫・芦屋の広い日本家屋に、ハウスキーパーの北村茜が派遣される。そこに住むのは、変わり者として見られる小説家・蘇芳望で、彼には言霊遣いという裏の顔がある。言葉がそのまま形を持ち、火事めいた騒ぎや異常を呼ぶ現象を相手にするのが蘇芳の役目だ。茜は家事を通してその暮らしに入り込み、警察が動くような近隣の火の気配にも触れていく。屋敷のなかにある生活と、外側で起こる怪異処理が並走し、昔話を思わせる章題も交えて、言葉と災いの結びつきを掘り下げる。日々の家の手入れ、来客への応対、近所の異変の確認といった細かな動きのなかで、茜は蘇芳の仕事の輪郭を知っていく。怪異は派手な戦闘よりも、生活のすき間から入りこむ形で描かれ、家と街の距離感が物語の軸になる。

構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

現代ダークファンタジーと称されているが、そこまで重たい雰囲気もなく、各章タイトルがわかりやすい物語を持ってきている感じはよいと感じた。ダークファンタジーというほどでもないような印象はある。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

キャラクターの得意なことなど、丁寧に描かれていて、キャラクターのさまざまな面を見ることができた。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

現代日本、地名も聞いたことがある名前が登場。少し想像しにくい地名のような気がした。

初心者向け S (4) レビュー

理由・補足

編集部

分かりやすい内容、ストーリー展開であると感じた。初心者でも読みやすい作品で、ダークファンタジーと呼べるほど恐怖感はない。女性でも読みやすいつくり。

読後感の良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

あまり今後に続くような印象はなく、完結した雰囲気の終わり方であると感じた。

テンポの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

テンポは悪くない。各章ごとにテーマの本があるので、それに沿っている雰囲気がよい。

読みやすさ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

読みやすい雰囲気、設定だと感じる。ところどころに本の名前などが登場するので、知らない人にとっては難しいかもしれない。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

ダークファンタジーとしては若干物足りなさはあるが、本好きには気になる部分がちりばめられている。

編集部

主人公がハウスキーパーに行った先で起こる事件と、警察までもが頼る言霊遣いの話。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

・現代ダークファンタジーが好きな人 ・料理描写が丁寧な作品が好きな人 ・言霊遣いなど異能力者が登場する作品が好きな人

編集部

大阪生まれ。 2013年「スイッチの入った瞬間」で電子書籍デビュー。2016年に「失恋美容院」で第2回「お仕事小説コン」特別賞を受賞。受賞作を改題した「サヨナラ坂の美容院」で紙書籍デビュー。 ≪代表作≫ ・神様のごちそう ・縁切り神社のふしぎなご縁 ・吸血鬼さんの献血バッグ

イラストレーター情報

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編集部

縞 イラストレーター、漫画家。

編集部

16年に「失恋美容院」で第2回「お仕事小説コン」特別賞を受賞

編集部

女性向けダークファンタジーという印象。ハウスキーパーに行った先での、事件に巻き込まれたり、言霊遣いという異能者の存在が、物語を進めていく。ファンタジーと感じる要素は少な目であるが、女性でも楽に読める作品だと感じた。

作品Q&A

文体はどんな感じ? ストーリー
ベストアンサー
丁寧で読みやすい。本についてのことも分かりやすくキャラクターが説明している。

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世界観の作り込みは? 世界観
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言霊遣いというオカルトチックな、能力者の登場と、その能力者を頼る警察もいるなど、割とオカルト寄りな印象を受ける。

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評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
ダークファンタジーの要素はやや少ないが、主人公のハウスキーパーとしての能力や、丁寧な描写、言霊遣いという異能者の登場は悪くない。文体としても丁寧な表現や、昔話やイソップ童話などの登場は面白く評価できる。 【おすすめキャラクター】 茜 ハウスキーパーとしての能力が高く、特に料理上手な面がある。かわいらしい様子だが、しっかり者。

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この作品の特徴は? ストーリー
ベストアンサー
主人公がハウスキーパーに行った先は、言霊遣いの家で、さまざまな事件を解決していく。日本の昔話やイソップ物語なども登場する。

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どんなテーマ・ジャンル? ストーリー
ベストアンサー
ダークファンタジーというよりは、少しオカルトチックな雰囲気の中に、主人公の真面目なハウスキーパーの様子がある作品。ファンタジー要素は少し弱い印象を受けるが、作品としては丁寧に作られている。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

言葉が一度口を出すと取り返せない、言霊・言禍の怖さや影響力について考えさせられるという声が多い。ハウスキーパーの茜が作家・蘇芳の「言霊遣い」の副業に関わり、音や言葉の響きから事件に向き合うゆるいミステリーとして読みやすいという評価がある。心の繊細な動きを描く描写や、二人の程よい距離感が心地よい、ほっこりした読後感につながるという意見も見られる。

こんな人におすすめ

言葉の力や言霊・言禍といったテーマに興味がある読者向きという声がある。ハウスキーパーと異能力者(言霊師)のコンビで、日常と非日常が交わる物語が好きな人にも合いそうだという意見がある。厳密なダークファンタジーより、テーマや雰囲気を楽しみたい読者にも向いているという傾向が見られる。人間関係が苦手な主人公の成長や、言葉遣いへの自省を伴う読み味を好む人にも刺さるという声がある。

人を選ぶポイント

事件の原因が分かってもスッキリした解決にはなりにくく、本質的な解決が難しいほろ苦い後味が多いという声が多い。言禍が本の中の絵になり作家が読み解く設定や、言霊で物理的な火事が起きる描写など、設定に無理や違和感を感じるという意見がある。ダークファンタジーとしての要素はやや薄く、テーマや雰囲気は好きでも全体として物足りない、判断に迷うという評価も散見される。

テンポ・読後感

音・言葉の響きを手がかりに進む、ゆるめのミステリー調という声が多い。全体的には読みやすく、繊細な心理描写からほっこりした空気感も感じられる一方、解決の難しさからほろ苦さや考えさせられる余韻が残るという意見がある。テーマや雰囲気は好意的でも、満足度は人によって分かれる読み味だという傾向が見られる。

キャラクターへの評価

茜は芦屋の作家宅で働くハウスキーパーとして、蘇芳の言霊仕事にも手を貸すしっかり者で、人付き合いが苦手な一面もあるという声が多い。普段は控えめな神戸弁が、使うと威勢がよくかっこいいので、もっと出してほしいという意見もある。蘇芳望は本業の作家であり副業で言霊を使って事件に関わる人物で、茜との距離感が自然で続編を読みたくなる組み合わせだという評価がある。

巻一覧

芦屋ことだま幻想譚
2020年10月 ISBN 9784839972332
この巻のあらすじ

ハウスキーパーの北村茜は、芦屋にある大きな日本家屋の家に派遣された。 そこに住んでいるのは変わりもの小説家・蘇芳望だった。 彼のところで働き始めて数日経った朝、最近近所で起きているボヤ騒ぎのことで警察がやってきた。 実は蘇芳は副業で“言霊遣い”をしており、暴走した言霊(言禍)が巻き起こす事件を解決していた…!

ファン文庫大人気シリーズ『神様のごちそう』の著者が描く、現代ダークファンタジー開幕!

言霊が具現化し禍(わざわい)を引き起こすーー 序章 かちかち山 オオカミ少年 おしゃれなカラス 眠れる森の美女 前編 眠れる森の美女 前編 終章

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