高度に発達した文明社会で怪異の居場所が失われた現代を舞台に、現実から乖離した現象「乖異」と、それが引き起こす死者のいない猟奇事件を追う伝奇小説です。中心となるのは、怪異を殺す少女・神座椿姫、空想を終わらせる男・左右流、最後の幻想を背負う少年・夏野幽の三人で、彼らは真祖の吸血鬼の存在を手がかりに事件へ関わっていきます。平成末期という時代の切れ目を背景に、旧来の怪異と新たな異常が交差する構図で物語が進みます。現時点では1巻構成で、シリーズとしてはこの一冊に物語がまとまっています。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 平成末期の空気感と、終わりゆく時代への郷愁が物語全体を包んでいる。
- 怪異と乖異を軸にした設定が独特で、言葉遊びや概念の組み立てに引き込まれる。
- 連作短編の構成がうまく、複数の断片がつながっていく手応えがある。
- シリアス寄りでも読後感は重すぎず、優しさや温かさが残る。
- キャラ同士の掛け合いと関係性が心地よく、特に3人の連携が見どころになる。
こんな人におすすめ
- 伝奇、怪異譚、現代異能ものが好きな人。
- 化物語系の言葉遊びや、空気感のあるラノベを好む人。
- ノスタルジックな雰囲気や時代の節目を感じる作品に惹かれる人。
- 単巻でも構成の妙や余韻を楽しみたい人。
- クセのある文体や設定をじっくり追う読書が苦にならない人。
人を選ぶポイント
- 文体がやや衒学的で、読み始めは世界観をつかむまで時間がかかる。
- 設定や説明がぼかされる部分があり、すっきりした解説を求めると戸惑いやすい。
- 伝奇やホラーとしては、怖さや圧の強さが控えめに感じられる。
- ヒロインの心理が明確に描かれない箇所があり、好みが分かれやすい。
- 1巻で完結感はある一方、続き前提に感じる広がりも残る。
テンポ・読後感
- 序盤は設定紹介と事件の導入が中心で、世界観に慣れるまで少し時間がかかる。
- 事件ごとの進行は比較的テンポがよく、3人の連携で読みやすい。
- 空気はシリアス寄りだが、全体の手触りはどこか優しく、哀愁と温かさが同居する。
- 終盤に向けて断片が収束していく構成で、まとまりの良さが印象に残る。
- 余韻重視で、読後に静かなノスタルジーが残るタイプ。
キャラクターへの評価
- 夏野幽は「最後の怪異」という立場が強く、存在の儚さや芯のある雰囲気が印象に残る。
- 神座椿姫は感情表現が控えめでも、戦闘面や立ち位置の強さで存在感がある。
- 左右流はサポート役として機能し、会話や事件処理のバランスを整えている。
- 3人の関係は噛み合いがよく、素直さ・無口さ・実務感の組み合わせが見やすい。
- 脇役にもツンデレ気味、潔い、達観しているなど印象の違う人物がいて、キャラの立て方が丁寧。
巻一覧
この巻のあらすじ
平成最後の夏、最後の幻想がはじまる。
一つの時代が終わろうとしている。 高度に発達した文明社会は路地裏の暗闇さえも駆逐し、この世界に幻想の居場所はなくなった。かつて人々が怖れた怪異は、誰しもがネットで正体不明を暴けるものとなった。 そんな幻想の余地がなくなった現代社会で、十代の少年少女を中心に不可思議な現象が起きる。 ――乖異。 己が妄執こそが真の現実だと主張する、突如顕れた新たな病魔。現実から乖離し、現実とは異なる理で世界をねじ曲げる現象。乖異によって引き起こされるは、「死者のいない」猟奇事件。導かれるように集ったのは、過去に囚われた三人。 絶えた怪異を殺す少女・神座椿姫。 空想を終わらせる男・左右流。 そして、世界に残された最後の幻想である少年・夏野幽。 一連の事件に「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異とかかわっていくことになる……。 終わる平成。最後の夏。最後の幻想。 旧時代と新時代の狭間に問う、新感覚伝奇小説がここに。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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