本作は、美術教師として日常を送る栄一郎が、個展に出した一枚の絵をきっかけに、高校時代の自分と向き合っていく単巻作品です。物語の中心にあるのは、幼馴染の零子と所属していた美術同好会で、教室での制作、展示の場、そして当時の会話が交互に置かれます。零子は絵に向き合い続ける人物として描かれ、栄一郎はその姿と作品に残った痕跡を手がかりに記憶をたどります。現在の個展で提示された作品が、過去の時間に触れる窓口になり、描くこと、残すこと、失われていくことが一本の線で結ばれていきます。

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  • AI分析(あらすじ)

    美術を軸にした回想劇が好きな人、幼馴染の関係や喪失を扱う物語に関心がある人。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 絵を軸にした高校生同士の関係が、感情面と創作面の両方から濃く描かれる。
  • もがき、傷つき、すれ違う過程が強く伝わり、読後に喪失感が残る。
  • 風景描写や言葉の表現に引き込まれ、苦しくても読み進めてしまう密度がある。
  • 作品全体に暗さと切実さがあり、感動や余韻の強さにつながっている。

こんな人におすすめ

  • 重めの青春小説や、心をえぐるような物語が好きな人。
  • 絵画や芸術を題材にした作品に抵抗がない人。
  • きれいにまとまる話より、苦さや後味の重さを含む作品を求める人。
  • 感情の揺れや関係性のねじれをじっくり味わいたい人。

人を選ぶポイント

  • 美術や絵の描写が多く、関心が薄いと入り込みにくい。
  • 登場人物の言動が極端で、感情移入しづらい場合がある。
  • 全体に暗く息苦しいため、軽い読後感を期待すると重く感じやすい。
  • 文体や構成が難しく感じられ、読みづらさを覚える人もいる。

テンポ・読後感

  • 序盤は人物の癖や空気感に戸惑い、徐々に引き込まれていく流れ。
  • じわじわ圧が高まり、終盤は哲学的で重い印象が強まる。
  • 文章は読みやすいと感じる人と、難解で引っかかる人に分かれる。
  • 余韻は明るさよりも、苦しさ・切なさ・喪失感が残りやすい。

キャラクターへの評価

  • 主人公は生意気、横柄、不器用と受け取られやすく、好みが分かれる。
  • ヒロインは内気で壊れやすく、繊細さと危うさが強く印象に残る。
  • ふたりの距離感は、支え合いと依存の境目が曖昧に見える。
  • 周囲の人物や画家の名前が多く、人物群の厚みや芸術色を感じさせる。

巻一覧

サムウェア・ノットヒア 〜ここではない何処かへ〜
2016年10月 ISBN 9784839960599
この巻のあらすじ

失われないものなんて、 この世界には何ひとつないーー。

美術教師・栄一郎は自身の個展にとある絵を持ち込んでいた。『ここではない何処かへ(サムウェア・ノットヒア)』というその作品は、圧倒的な存在感を放ち、見る者に痛烈に何かを問いかけてくるー。高校時代、栄一郎は幼馴染みの零子と美術同好会に入っていた。零子はいつも憑かれたように没頭して絵を描き、溢れんばかりの才能を持つが、彼女はいつも「失敗作だ」と言って…。心の奥から涙が零れる、かけがえのない喪失の物語。

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