『魔女と猟犬』は、魔術師を独占する王国アメリアに対抗するため、領主バド・グレースが大陸各地の危険な魔女を集めようとするダークファンタジー。暗殺者として育てられた少年ロロと、“鏡の魔女”テレサリサを中心に、キャンパスフェローの防衛、北方への脱出、南方の港町への移動、異端尋問官との接触、花咲く島国オズの内戦へと舞台が連なっていく。魔女は災厄として恐れられるだけでなく、国家や組織が戦力や交渉材料として奪い合う存在として描かれ、各地の制度や勢力図が物語を押し広げる。雪の魔女、海の魔女、お菓子の魔女など、呼び名も立場も異なる魔女が次々に現れ、ロロたちは協力と対立の両方に向き合う。国家戦争、海賊、宗教組織、領主軍が同じ大陸でぶつかることで、物語の焦点が各地へ広がっていく。
構造レビュー
編集部判定 良作
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
世界に散った凶悪な魔女を召集せよ!
編集部
歴戦の魔術師を擁し破竹の勢いで領土拡張を続ける大国アメリア。その脅威に曝された小国キャンパスフェローの領主バドの密命を受け、通称・黒犬と呼ばれる暗殺者のロロは、類稀なる異能を秘めた7人の魔女を探す旅に出る。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
イカレた魔女たちと最強の暗殺者の戦いを見届けたい人 重厚な異世界ファンタジーを読みたい人 ロードノベルが好きな人 個性的な魔術師軍団と魔女の戦いの行方に刮目したい人
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AI分析(あらすじ)
魔女同士の争奪戦や国家間戦争、異端尋問官や海賊が交差する物語を追いたい人。
著者情報
この項目をレビュー編集部
カミツキレイニーは沖縄県出身のラノベ作家。主にガガガ文庫で活動している。代表作は以下。 『こうして彼は屋上を燃やすことにした』(イラスト:文倉十、2011年5月、全1巻) 『憂鬱なヴィランズ』(イラスト:キムラダイスケ、2012年8月 - 2014年8月、全5巻) 『七日の喰い神』(イラスト:nauribon、2015年9月 - 2016年12月、全4巻) 『黒豚姫の神隠し』(2016年12月20日、既刊1巻) 『かりゆしブルー・ブルー』(イラスト:白狼、2017年6月) 『それでも異能兵器はラブコメがしたい』(イラスト:切符、2018年4月、既刊1巻)
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
LAMは日本のイラストレーター。数多くのラノベのイラストを手掛け、ソーシャゲルゲーム『刀剣乱舞』のキャラデザでも活躍している。代表作は以下。 * 『水の理』シリーズ(2016年8月 - 2017年8月、著:古流望、フリーダムノベル) * 『七福神戦争』(2018年6月、著:遠藤徹、五月書房新社) * 『彼女が死んだ夜』 新装版(2019年4月、著:西澤保彦、幻冬舎文庫) * 『君待秋ラは透きとおる』(2019年6月、著:詠坂雄二、角川書店) * 『プラチナデータ』新装版(2019年12月、著:東野圭吾、幻冬舎文庫) * 『ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite』(2021年2月、著:小山恭平、柏倉晴樹、カミツキレイニー、高島雄哉、ハヤカワ文庫JA) * 『プラントピア』(2024年3月、著:丸岡望、電撃文庫) * 『境界のメロディ』装画・挿絵・題字(2024年5月予定、著:宮田俊哉(Kis-My-Ft2)、メディアワークス文庫)
編集部
カミツキレイニーの代表作と呼び声高い異世界ファンタジー。魔術師の軍勢を擁す王国アメリアに対抗すべく、7人の魔女を探す奇策に打って出る序盤から引き込まれた。 微妙な均衡を維持する国々の思惑や猖獗を極めた戦争の趨勢もさることながら、譲れぬ矜持や信念を貫き悪辣な罠を巡らす魔女たちと、救国の使命を帯びて彼女たちに挑むロロのカッコよさが輝いている。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 小国キャンパスフェローが、軍事大国アメリアに対抗するため「凶悪な魔女」を集めていく壮大な構図が、重厚なダークファンタジーとして高く評価されている。
- 魔法を使えない暗殺者ロロが、規格外の魔術師相手に戦う死闘や、複数勢力が入り乱れる大混戦の迫力・緊張感を称賛する声が多い。
- 各国の政治・宗教・経済が絡み合う世界観や、オズをはじめとする典故・童話モチーフの織り込みに、物語の深みを感じる。
- 魔女一人ひとりの過去や個性、出会いと別れが丁寧に描かれており、キャラクターへの愛着や没入感を高めている。
- 絶望的な状況から形勢が動く展開や、戦力インフレを抑えたバランスの取れた戦闘描写に、読み応えがあると評価する読者もいる。
こんな人におすすめ
- 容赦のない戦闘と重厚な世界設定が好きな、ダークファンタジー・重厚異世界ファンタジー読者。
- 複数国家・組織・宗教が絡む政治劇や策略、長編ロードノベル型の物語を楽しみたい人。
- 個性的で曲者な魔女たちと、それを束ねていく暗殺者の旅路に興味がある人。
- グロテスクさや喪失感を含む、シリアスで骨のある展開に耐えられる読者。
- 400ページ超の分厚い巻でも、設定とバトルに引き込まれる読み応えを求める人。
人を選ぶポイント
- 容赦ない殺害や残酷な描写が多く、胸が痛む・心が折れそうになるほどの絶望感がある。
- 登場人物・勢力・地名が増えるにつれ、混戦シーンや視点の切り替えで状況把握が難しくなることがある。
- 各巻が完結せず伏線が多い長編構成のため、途中経過だけでは消化不良に感じる読者もいる。
- 表紙やタイトルから想像する派手さより、政治・策略寄りで落ち着いたトーンに感じる。
- 魔女の存在感が薄く感じられる巻もあり、キャラクター数の多さで迷子になることがある。
テンポ・読後感
- 全体としてダークで陰鬱な空気感が強く、グリム童話を思わせる切なさや救えなさも併せ持つ作品だ。
- 序章や魔女の過去描写での世界観への引き込みは評価されつつ、終盤の大混戦では場面転換が激しく、一進一退の戦いを追うのに時間がかかる。
- 語彙力と描写力のある文章で、分厚い巻でも読み進めやすい一方、情報量の多さで「何が起きているか」が曖昧になる場面もある。
- バトル比重は巻によってばらつきがあり、激しい戦闘回と政治・謀略中心の回が交互に来る印象を持つ読者がいる。
- 長編シリーズとして着地点がまだ見えにくいものの、敵味方の境界を超えて物語が広がっていく予感を感じる。
キャラクターへの評価
- 暗殺者ロロ(黒犬)は、魔法を使わず強敵と渡り合う姿や、不遜さのある性格が「かっこいい」「手が止まらない」と評価されやすい。
- 鏡の魔女テレサリサは、ロロとの関係性や戦場での活躍が印象に残り、感情移入しやすいキャラクターだ。
- 雪の魔女ネルは、頭の回転の速さと抜けた一面が同居する魅力があり、コミカルな場面の緩急を担う存在として人気が高い。
- 海の魔女ブルハをはじめ、各魔女の背景や願い・因縁が物語の核になり、悲恋や童話モチーフを重く描く読みどころになっている。
- 九使徒や各国の魔術師・司祭など敵側も含め、曲者で因縁深いキャラクターが多く、陣営を超えた複雑な関係性に注目する読者がいる。
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巻一覧
この巻のあらすじ
使命は、厄災の魔女たちを味方につけること
農園と鍛冶で栄える小国キャンパスフェロー。そこに暮らす人々は貧しくとも心豊かに暮らしていた。だが、その小国に侵略の戦火が迫りつつあった。闘争と魔法の王国アメリアは、女王アメリアの指揮のもと、多くの魔術師を独占し超常の力をもって領土を拡大し続けていたのだ。 このままではキャンパスフェローは滅びてしまう。そこで領主のバド・グレースは起死回生の奇策に出る。それは、大陸全土に散らばる凶悪な魔女たちを集め、王国アメリアに対抗するというものだったーー。 時を同じくして、キャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。レーヴェの王を誘惑し、王妃の座に就こうとしていた魔女が婚礼の日にその正体を暴かれ、参列者たちを虐殺したのだという。 領主のバドは “鏡の魔女”の身柄を譲り受けるべく、従者たちを引き連れてレーヴェへと旅立つ。その一行の中に、ロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、ありとあらゆる殺しの技術を叩き込まれ、キャンパスフェローの暗殺者として育てられた少年だった……。 まだ誰も見たことのない、壮大かつ凶悪なダークファンタジーがその幕を開ける。
この巻のあらすじ
静寂に包まれた“氷の城”で巻き起こる殺戮
“鏡の魔女”テレサリサと共にレーヴェを脱出したロロは、魔力の影響で眠り続けるデリリウムを連れてキャンパスフェローへと戻ってくる。だが、王国アメリアによって陥落された故郷は、流血と破壊に蹂躙され見る影もなかった……。
ロロとテレサリサは城下町に作られた隠れ処にて、城から逃げ延びた者たちと合流する。領主バド・グレースの留守を預かる宰相ブラッセリーと、<鉄火の騎士団>の副団長であり、ハートランドの妻であるヴィクトリアをはじめとする九十二名の者たち。
彼らは隠れ処を捨て、<北の国>へ向かうことを決断する。そこには、バドが生前に同盟を結んだ雪王ホーリオが治める<入り江の集落ギオ>がある。きっと助けになってくれるはずとの目算からだった。そして、ロロには<北の国>へ行くもうひとつの目的があった。それは、氷の城に住むという“雪の魔女”を味方につけることーー。
その頃、王国アメリアの王都にあるルーシー教の総本山“ティンクル大聖堂”には、魔術師の最高位を冠する九人の者ーー“九使徒”が集められていた。
衝撃的な展開で刊行と同時に大きな話題を呼んだ本格ダークファンタジー『魔女と猟犬』。その待望の続刊がついに登場。
この巻のあらすじ
“海の魔女”とイナテラ海の女海賊
“鏡の魔女”テレサリサと“雪の魔女”ファンネルは、キャンパスフェローの女騎士ヴィクトリアと共に船に乗り、大陸を南下していた。
そして、彼女たちの傍らには、九使徒の一人・召喚師ココルコとの死闘で酷い重傷を負ったままファンネルの魔法で凍らせた黒犬ロロの身体ーー。
一行が向かっているのは共和国イナテラの<港町サウロ>。大陸最南端の町だ。
そこには、とある人魚のおとぎ話が伝わっている。大切なものと引き換えに、どんな願いも叶えてくれる“海の魔女”が登場するのはその物語だ。
“海の魔女”には、死にかけた男を蘇らせたという逸話もあった。
肉体に何らかの変化を作用させる魔法の使い手なら、ロロの重傷を癒し、瀕死の状態から復活させることができるかもしれない。
だが、“海の魔女”は、イナテラ海で名を馳せる海賊の一人だ。
海を行き来する貿易商人や探検家たちにとって彼女はまさに海の厄災。話が通じるかどうかもわからない相手だった……。
一方、王国アメリアもまた“鏡の魔女”たちが船で南下中との報告を受け、九使徒たちが行動を開始していた。
「このライトノベルがすごい!2022」にもランクインした、超人気ダークファンタジー第3弾!
この巻のあらすじ
4年前に処刑された”お菓子の魔女”争奪戦
“首飾りの森”近くの村エイドルホルンで、魔女災害が発生。
4年前にこの村で捕らえられ処刑された“お菓子の魔女”が復活したのだという。その真偽を調査すべく王国アメリアより異端尋問官のカルル、アビゲイル、ザミオ、そして見習い尋問官のエイミーと、その冒険譚を記録すべく宮廷詩人のリオ・ロンドが村へと派遣される。
だが村ではすでに、魔女集めを行っているという“キャンパスフェローの猟犬”と、“鏡の魔女“と思しき人物の姿が目撃されていた。その情報が本当なら、彼らに先を越されて”お菓子の魔女“を奪われることはなんとしても避けねばならないと躍起になるカルルたち異端尋問官。
そんな彼らをよそに、宮廷詩人のリオは見習い異端尋問間のエイミーとともに、村人たちの証言から独自に“お菓子の魔女”へと迫っていく。やがて二人は驚くべき真実に行き当たる……。
そして異端尋問官たち一行は、魔女の潜むという“お菓子の家”がある森へと足を踏み入れる。この先に、彼らの想像を絶する驚愕の事態が待ち受けるとも知らずにーー。
この巻のあらすじ
魔女たちは〈オズの国〉へと集結する。
〈花咲く島国オズ〉--異世界からやって来た男がもたらしたアイデアとテクノロジーにより大いに発展した島国。その異世界人は“オズ王”として人々から崇められ、彼から最も恩恵を受けた《エメラルド家》はやがて、オズ島を支配するほどの権力を持つに至った。
銃器を求めてオズ島へと上陸したハルカリたち海賊団が目にしたのは、島を統治する《エメラルド家》と、それに反発する南部の貴族たちによって組織された〈南部戦線〉による激しい内戦の光景だった。〈南部戦線〉を指揮する魔女グリンダ・ポピーから招待を受けたハルカリたちは、彼女のもとへと向かう。
一方その頃、ロロとテレサリサたちも最凶最悪の魔女と呼び名の高い“西の魔女”を仲間にするため、オズ島へとやって来ていた。エメラルド宮殿を訪れた一行は、二代目オズ王の“カカシの王”と謁見を果たす。だが、彼らはそこで“西の魔女”はすでに討伐され死亡しているという事実を聞かされる。
『魔女と猟犬』コミックス1巻&2巻同時発売! 待望の原作5巻は、いよいよ風雲怒涛の「オズ編」へ突入する。
この巻のあらすじ
魔女たちは〈オズの国〉で殺し合う。
〈花咲く島国オズ〉--そこでは、島を統治する《エメラルド家》と、それに反発する南部の貴族たちによって組織された〈南部戦線〉による激しい内戦が繰り広げられていた。
オズの国を訪れたハルカリ、ネルたちは、〈南部戦線〉を指揮する魔女グリンダ・ポピーと接触。時を同じくして、オズ島の要所である人口湖〈王のせき止め〉の砦を占拠した〈南部戦線〉と、《エメラルド家》の傘下となった他の家の軍勢との戦闘が勃発した。ハルカリたちもその戦火に巻き込まれる。
さらに、空からは《エメラルド家》の気球部隊が来襲。その中には、九使徒であるパルミジャーノとプルチネッラの姿もあった。それを追うようにして、テレサリサ、ロロ、ジャックたちも〈王のせき止め〉に到着。魔女と魔術師たちが入り乱れ、オズの国の歴史に刻む最大の戦争の幕が切って落とされた。
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