失恋をきっかけに屋上へ向かった少女が、同じく死にたいと考える三人組と出会い、復讐を口にする奇妙な関係の中で日々を過ごしていく青春小説です。舞台は学校の屋上を中心とした現代の学園で、登場人物たちは『オズの魔法使い』になぞらえた呼び名で呼び合います。主人公は恋愛の痛みで生きる気力を失った少女で、物語は彼女の内面と、屋上に集う人々の距離感を軸に進みます。思春期の感情、失恋、死にたい気持ち、復讐という言葉が交差しながら、人物の呼び名や関係の意味が少しずつ変わっていく構成です。単巻作品としてまとまっており、屋上という限定された場所から人物関係と心理の変化を描きます。1巻完結です。

構造レビュー

編集部判定 判定なし

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

取り立てて派手さはないが誠実。高校生なら誰しも共感できる悩みやコンプレックス、人間関係のトラブルに、主人公の加奈と仲間たちがしっかり向き合っている所に好感を持てた。

キャラクター A (3) レビュー

理由・補足

編集部

童話『オズの魔法使い』にインスパイアされており、主要キャラは「カカシ」「ライオン」「ブリキ」と作中キャラのあだ名で呼び合っている。 彼氏にフラれた直後に屋上から飛び下り自殺を試みる加奈の突拍子もなさには面食らうものの、友人の為に全力を尽くす行動力と、真っ直ぐな正義感は好ましい。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

現代日本に準拠。スクールカーストの描き方が上手い。一種のシェルターとして機能する屋上の非日常性が際立っていた。

話題性 B (2) レビュー

理由・補足

編集部

『CLANNAD』『AngelBeats!』のシナリオライター、麻枝准氏が絶賛したことで注目を浴びた。

初心者向け B (2) レビュー

理由・補足

編集部

ラノベとジュブナイル小説の中間のような立ち位置。ラノベらしいキャラ萌えを求めると残念な結果に終わる。

読後感の良さ B (2) レビュー

理由・補足

編集部

ストーリーは駆け足でご都合主義な面が目立ち、整合性にこだわると消化不良。各キャラクターの自殺動機に紐付く問題解決方法も、些かあっけなさすぎた。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

起承転結の構成が上手く、登場人物に感情移入が成功すれば一気に読める。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

加奈の一人称語りで物語が進行する。難しい言い回しや表現は使われておらず、スムーズに自己投影できるのが長所。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

彼は何故屋上を燃やしたのか?はみだし者の高校生たちを『オズの魔法使い』一行に見立てた青春群像劇

編集部

自殺志願者の高校生男女4人が学校の屋上に集い、奇妙な友情を育んでいく青春群像劇。カミツキレイニーのガガガ文庫デビュー作となる。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

思春期特有の人間関係の悩みを抱えている人 失恋した人 はみだし者グループが秘密基地を作る話が好きな人 青春ジュブナイルを読みたい人 主人公の成長に感動したい人

  • AI分析(あらすじ)

    - 現代学園を舞台にした青春小説が気になる人 - 失恋や自殺願望を扱う心理寄りの物語を読みたい人 - 限定空間で人物関係が変化する構成に関心がある人

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編集部

カミツキレイニーは沖縄県出身のラノベ作家。主にガガガ文庫で活動している。代表作は以下。 『憂鬱なヴィランズ』(イラスト:キムラダイスケ、2012年8月、全5巻) 『魔女と猟犬』(イラスト:LAM、2020年10月、既刊5巻) 『七日の喰い神』(イラスト:nauribon、2015年9月 - 2016年12月、全4巻) 『黒豚姫の神隠し』(2016年12月20日、既刊1巻) 『かりゆしブルー・ブルー』(イラスト:白狼、2017年6月) 『それでも異能兵器はラブコメがしたい』(イラスト:切符、2018年4月、既刊1巻)

イラストレーター情報

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編集部

支倉十は日本のイラストレーター。数多くのラノベのイラストを手掛ける。代表作は以下。 * 狼と香辛料(支倉凍砂著 / 電撃文庫) * 花守(越後屋鉄舟著 / GA文庫) * イチゴ色禁区(神崎リン著 / 角川スニーカー文庫) * イマジン秘蹟(本田透著 / 角川スニーカー文庫) * ビター・マイ・スウィートシリーズ(森田季節著 / MF文庫J) * 魂追い(田辺青蛙著 / 角川ホラー文庫) * 悠久のアンダンテ -荒野とナツメの物語-(明日香々一著 / GA文庫) * Sky* きみの生きるせかい(志藤絢著 / ガンガンノベルズ) * うちのメイドは不定形(静川龍宗著 / 森瀬繚原案 / スマッシュ文庫) * サンタクロースを見た(電撃コラボレーション/電撃文庫MAGAZINEVol.23別冊付録電撃文庫MAGAZINE文庫) * グロリアスハーツ(淡路帆希著 / 富士見ファンタジア文庫) * 理想のヒモ生活(渡辺恒彦著 / ヒーロー文庫) * 魔女は月出づるところに眠る(佐藤ケイ著 / 電撃文庫) * サクラコ・アトミカ(犬村小六著 / 星海社文庫) * ブタカン! ~池谷美咲の演劇部日誌~ (青柳碧人著 / 新潮文庫nex) * ストレンジガールは甘い手のひらの上で踊る(森田季節著 / MF文庫J) * ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件(紙城境介著 / ダッシュエックス文庫) * 魔法とSkyTubeで生きていく(高野小鹿著 / 角川スニーカー文庫) * 家つくりスキルで異世界を生き延びろ(小鳥屋エム著 / ファミ通文庫) * 東京下町湯屋話(真媛響乃著 / SKYHIGH文庫)

編集部

第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。

編集部

カミツキレイニーのデビュー作。ゲスト審査員の麻枝准に絶賛された。大好きなアメくんにフラれたショックで後先考えず自殺未遂に走った加奈が、それぞれナイーブな問題を抱え孤立した仲間と出会い、彼等を助けるべく手を尽くすうちに失恋の痛みから立ち直っていく所が良かった。 お互いあだ名で呼び合うことが伏線になっており、各々の本名が暴かれると同時に衝撃的な事実も明らかになる終盤の展開が上手い。タイトル回収も鮮やかだった。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 '''加奈(ドロシー)''' 本作の主人公にして語り手の女子高生。アメくんにフラれたショックから衝動的に飛び下り自殺を試みるものの、屋上でカカシ・ライオン・ブリキに出会い思い止まる。根は友達想いで素直。屋上では「ドロシー」の通称で交流する。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 「オズの魔法使い」の登場人物になぞらえた屋上の四人組という設定が、物語の骨格として好評。
  • 各キャラクターのエピソードが後半でつながる構成や伏線回収の巧さを評価する読者が目立つ。
  • 失恋や居場所のなさなど、思春期の悩みに寄り添う温かい雰囲気が魅力だ。
  • ベタに感じる場面があっても、文章や会話のセンスで読みやすく引き込まれる。
  • 重いテーマを扱いながらも、前向きな読後感や爽やかさを感じた。

こんな人におすすめ

  • 思春期の人間関係や失恋の痛みに共感したい人。
  • はみだし者グループが秘密基地(屋上)を作る物語が好きな人。
  • 青春ジュブナイルや、主人公の成長に感情移入したい人。
  • 「オズの魔法使い」へのオマージュや、物語全体がつながる構成を楽しみたい人。
  • ラノベらしさより、心理描写の丁寧さや群像劇を求める読者。

人を選ぶポイント

  • 自殺や復讐など重い題材が含まれ、軽く扱われているように感じる。
  • 終盤の説教めいたメッセージや「綺麗事」が目立つと感じる声がある。
  • 何を言いたい作品か掴みにくく、物語の核心まで入り込みにくい。
  • 個々のエピソードがベタに感じる、設定に無理があると感じる読者もいる。
  • 軽快な読み物ではなく、人によってはおすすめしにくいと感じる。

テンポ・読後感

  • 屋上に集まる日常から、各章の悩みと「復讐」行動を経て、後半にかけて関係性が明かされていく流れ。
  • 前半は掴みにくい部分もあるが、終盤の屋上シーン以降で一気に感情が動くという読み方が多い。
  • 全体としては青春小説・ジュブナイル寄りで、ラノベらしくない良さを挙げる意見がある。
  • こそばゆさやリアリティへの距離感を感じつつも、最後はうるうるする読後感を残す。
  • 独特の雰囲気は好みが分かれ、ハマる人には強く刺さる一方、物語作りが雑・シナリオそのままと感じる声もある。

キャラクターへの評価

  • 主人公・加奈(ドロシー)は、傷ついた仲間を支えようと動く姿が好意的に語られることが多い。
  • ライオン、カカシ、ブリキは個性が強く、テンプレート感が少ないキャラとして高評価。
  • それぞれ重い境遇を背負いながらも、屋上だけの関係から少しずつ変わっていく様子に共感する読者が多い。
  • 通称から想像しながら読む楽しさや、章を追うごとに疑問が解ける構成を評価する声がある。
  • 周辺人物については、不憫さやとばっちり感を感じた。

巻一覧

こうして彼は屋上を燃やすことにした
2011年5月 ISBN 9784094512700
この巻のあらすじ

「鳥肌モノ」と麻枝准が賞賛した、青春小説

「他に好きな人ができたんだ」 「い、嫌だっ」 彼氏のアメくんにフラれて生きる希望を失った私は、衝動的に学校の屋上へと向かう。身を投げるために。 けれどそこで私は、「ライオン」「ブリキ」「カカシ」と『オズの魔法使い』になぞらえて呼び合う奇妙な3人と出会う。みんな私と同じように死にたいと思っていて、だけど3人は「復讐してから死ぬんだ、あなたもそうしませんか」なんてあっけらかんと言う。拍子抜けして、自殺する気がしぼむ私。そして、アメくんとの思い出に彩られていない唯一の場所である屋上へと、日々、私の足は向くことになる――。

「独特の空気感を纏ったジュブナイル小説(あえてライトノベルとは呼びません)。オズの魔法使いに登場するキャラクター名で記号的に呼び合う仲間たちの物語なので、その空気が後半まで壊れない。そしてそれを壊す時=その隠されていた登場キャラクターの名前が一気に明かされるシーンは、鳥肌モノでした」と『CLANNAD』『AngelBeats!』の麻枝准氏が賞賛した、第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。誰もが経験する恋愛の痛みを、こぼれ落ちそうな思春期の内面を描き切った、青春小説。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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