高校生の朝河探は、身勝手な探偵気取りの行動が原因で妹に大怪我を負わせた過去を抱え、他人の問題に関わることへ強い抵抗を持っている。そんな彼の前に、万引きの疑いをかけられた同級生・青山景が現れ、探は冤罪を晴らすために動き出す。諦めきった表情の青山と関わるうちに、二人の距離は少しずつ近づき、探は青山の過去や母親との確執へ踏み込んでいく。やがて青山の母が関わった出来事の真相に協力してたどり着き、関係が変化した直後、今度は探自身の過去が物語へ返ってくる、現代学園を舞台にした物語。

構造レビュー

編集部判定 判定なし

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

あらすじから米澤穂信の「小市民シリーズ」を連想するラノベ。探偵気取りの行為のせいで妹を傷付けたトラウマを負い、事件への関与を避け続けてきた高校生が、ヒロインのピンチを助けたことがきっかけで「探偵」として出戻ってくるのだが……。

キャラクター A (3) レビュー

理由・補足

編集部

調子に乗っていた過去の行いを悔やむ主人公と母と確執を抱え孤立するヒロイン、ままならぬ二人の対比が鮮やか。特に主人公の青臭さが際立っていた。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

米澤穂信「小市民シリーズ」とデジャビュを感じる設定。興味本位の探偵行為を卒業し普通の人間になろうとするも、生来の好奇心と正義感のせいで空回り、その都度相手に深入りしがちな朝河のジレンマが印象的。

話題性 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

第18回講談社ラノベ文庫新人賞受賞作。作者の野中春樹はガガガ文庫から「嫉妬探偵の蛇谷さん」を刊行しており、その意味でも話題になった。

初心者向け A (3) レビュー

理由・補足

編集部

青春学園ミステリー好きには自信を持ってすすめられる出来栄え。元名探偵の朝河が紆余曲折を経てトラウマを克服し、一度は解体されたアイデンティティーを修復していくさまが、物語に滋味深いカタルシスを与えている。

読後感の良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

上々。1巻で綺麗に纏めた一方、シリーズ化できそうな余白も残している。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

ニュートラルな文体で読みやすい。テンションが変に高すぎず、落ち着いているのも好感触。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

地の文と会話のバランスは良い。前提知識がなくても読める。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

自分の探偵行為は周囲の人を傷付けていないか?悩める主人公が出会ったのは、不運にも冤罪を掛けられた一人の少女だった。

編集部

身勝手な探偵気取りの行為のせいで妹に重傷を負わせてしまって以来、深い後悔に駆られて事件に関わるのを避け続けてきた朝河探。万引き冤罪を掛けられた同級生・青山景を助けたことで、再び「探偵」の能力を発揮し始めるのだが……。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

青春学園ミステリーが好きな人 「小市民シリーズ」が好きな人 不機嫌なヒロインとお人好しな主人公のラブコメにニヤニヤしたい人 黒歴史がある人 自分が増長したせいで誰かを傷付けてしまった経験がある人

  • AI分析(あらすじ)

    学園での冤罪解明や、家族の事情を含む人物関係の変化を追いたい人

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編集部

野中春樹は日本のラノベ作家。主に学園ミステリーを手掛けている。代表作は『嫉妬探偵の蛇谷さん』。

イラストレーター情報

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編集部

うらたあさおは日本のイラストレーター。ラノベのイラストを数多く手掛ける。代表作は以下。 「あなたを救いに未来から来たと言うヒロインは三人目ですけど?」 「『錬金BOX』で生産&付与無双! なんでも錬成できる箱で無人島開拓はじめます」 「妹の好きなVtuberが実は俺だなんて言えない」 「飛べない鴉と切れない糸」 「人類の未来は英雄ガチャで決まるらしい」

編集部

第18回講談社ラノベ文庫新人賞受賞

編集部

【おすすめキャラクター】 '''青山景(あおやま・けい)''' 主人公・朝河探の同級生。近寄り難いクール系美少女。偶然通りかかった朝河に万引き冤罪を晴らしてもらった事で急接近し、ある深刻な悩みを打ち明ける。

評価が分かれる点・問題点

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編集部

「小市民シリーズ」との類似。

編集部

探偵気取りの行為が祟り妹を傷付けてしまった過去を悔やむ主人公と、そんな彼に救われたヒロインのじれったい恋の行方に、日常の謎を織り交ぜたミステリー。不器用で繊細な景のキャラがいい。ほんの少しビターな読後感が全体を引き締めていた。

作品Q&A

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 探偵気取りの過去で傷を負った主人公が、冤罪をきっかけに他人と向き合い直す構図が強い。
  • 謎解きそのものより、解いた後に関係がどう変わるかを追う青春寄りの作りが印象に残る。
  • ぶっきらぼうで不器用なヒロインが、少しずつ懐いていく距離感の変化が魅力として挙がりやすい。
  • ビターな背景と、会話ややり取りの甘さの落差が読み味になっている。
  • 一冊のまとまりやラストの爽やかさを評価する声が目立つ。

こんな人におすすめ

  • ミステリよりも青春小説、ラブコメ寄りの関係性を楽しみたい人。
  • 思春期の未熟さや、正しさが誰かを傷つけるテーマに興味がある人。
  • ツンデレ気味で不器用なヒロイン、距離が縮まる過程をじっくり見たい人。
  • 小市民シリーズ系の人間関係重視の空気感が好きな人。
  • 事件の大仕掛けより、心の傷や再生の流れを読みたい人。

人を選ぶポイント

  • 本格ミステリとしての謎解きの強度は控えめに受け取られやすい。
  • 探偵役の活躍を前面に期待すると、肩透かしに感じやすい。
  • 主人公とヒロインの過去や背景が重めで、軽い学園ものを想像すると差がある。
  • 一部の事件や手順の詰めの甘さ、細部の粗さを気にする声がある。
  • サブキャラの印象が強く残る場合があり、好みが分かれやすい。

テンポ・読後感

  • 読みやすく、ぬるっと進む軽快さがある。
  • 全体はビターだが、会話や距離の縮まり方は甘さがある。
  • 日常の小さな謎を積み重ねて進むため、派手さより空気感が中心。
  • 重い過去を抱えつつも、最後は前向きで爽やかな余韻に着地しやすい。
  • 章立てや大事件で引っ張るより、関係性の変化で読ませるタイプ。

キャラクターへの評価

  • 朝河は、過去を悔やみながらも人を見捨てきれない不器用さが好印象。
  • 青山は、冷たそうな第一印象からの懐き方やデレの出方が可愛いと受け止められやすい。
  • ぶっきらぼうさと献身が同居する青山の振る舞いが、強い魅力として挙がる。
  • 主人公もヒロインも、守られるだけでなく自分で踏み出す姿が評価されている。
  • サブキャラの山藤など、脇役の印象が残る読者もいる。

巻一覧

探偵気取りと不機嫌な青春
2025年6月 ISBN 9784065385050
この巻のあらすじ

講談社ラノベ文庫新人賞受賞作!! 身勝手な探偵気取りの行為で、高校生の朝河探は一年前、相手の逆恨みから妹に大怪我を負わせた。以来、朝河は他人の問題に関与することに抵抗感を抱いていた。しかしある日、同級生の青山景が万引きの疑いをかけられる。朝河は青山の何もかもに諦めきった表情に突き動かされて、青山にかけられた冤罪を晴らす。何かと朝河に話しかけてくるようになった青山と関わるうちに、二人の距離は近づき、朝河は青山の過去と母親との確執へ行き着く。青山の母が犯した罪の真相に協力して辿り着き、さらに関係性が前進したその直後、朝河の過去が朝河自身に襲い掛かるーー!?

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