近未来を舞台に、3Dバイオプリンターと記憶バックアップ技術が普及した社会で、復元直後に記憶を失ったエンジニア・園晴壱が、自分の死の直前に何が起きたのかを追う物語。保険調査員を名乗る殿森空と利害一致で手を組み、保険金詐欺の疑いと大規模テロの容疑の両方に向き合いながら、記憶の復元と管理をめぐる事件をたどる。企業、保険、バックアップ技術が結びついた制度の中で、個人の記憶と身元が揺らぐ構図が軸になる。シリーズはこの一冊で完結する構成で、近未来SFとサスペンスを中心に物語がまとまっている。続編・外伝・短編の情報はない。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 死者蘇生や記憶バックアップが日常化した近未来設定が強い。
- 事件の真相を追うサスペンスと、逃亡劇の緊張感が両立している。
- 技術解説やガジェット描写が細かく、SFとしての読み応えがある。
- 物語のピースが少しずつ噛み合っていく構成が気持ちいい。
- 人間とは何か、心と身体は切り離せるのかというテーマが印象に残る。
こんな人におすすめ
- 骨太なSFやガチ寄りの近未来設定を読みたい人。
- ミステリー、サスペンス、逃亡劇のスピード感を楽しみたい人。
- 技術設定の細かさやガジェットの作り込みを重視する人。
- 電撃文庫でもしっかりSFを読みたい人。
- 伊藤計劃『ハーモニー』系の空気感に惹かれる人。
人を選ぶポイント
- 専門用語や技術説明が多く、少し難しく感じる場面がある。
- 後半は解説や真相整理がやや長めに感じられる。
- SF色がかなり強く、ラノベ的なキャラ重視を期待すると印象が違う。
- 黒幕や対立軸の人物像は、派手さより物語全体の仕掛けを支える役回り寄り。
- 百合や恋愛の見せ場を前面に期待すると肩透かしになりやすい。
テンポ・読後感
- 序盤から一気に引き込む立ち上がりで、読み始めると止まりにくい。
- 危機が次々に来るノンストップ寄りの展開で、終始ハラハラしやすい。
- 謎が解けるたびに次の謎が出る構成で、探究心を煽る。
- 物語のスケールが大きく、緊迫感と高揚感が強い。
- 終盤は情報量が増えるが、着地の満足感が高い。
キャラクターへの評価
- 主人公は冤罪を晴らすために奔走する、受け身になりすぎないタイプ。
- 天才少女セピアは物語の起点として存在感が強く、憧れや原点として印象に残る。
- 保険調査員の相棒役は、疑いと協力の間で揺れる立ち位置が面白い。
- 脇役は濃い人物が多く、世界観の厚みを支えている。
- キャラの魅力は会話劇よりも、設定や関係性の中で立ち上がる。
巻一覧
この巻のあらすじ
3Dバイオプリンターの進化で、バックアップから生命を再生できるようになった近未来。世界最先端のテックカンパニーで働くエンジニア・園晴壱(その はるいち)は、突然の異動辞令を受けた直後──意識を失った。 その後バックアップから〈復元〉されて目覚めた晴壱は、なぜか死亡直前の記憶を喪失していた。そのため面会に訪れた保険調査員を名乗る謎の美女・殿森空(とのもり うろ)より、保険金詐欺として多額の債務返済を迫られる。さらに時を同じくして、全人類の記憶のバックアップをロックするという前代未聞の大規模テロが発生。晴壱はその主犯としてまさかの指名手配を受ける。双方の打算から空と手を結んだ晴壱は、身に覚えのない容疑を晴らすため自らの死の真相の解明に挑む。 プロローグ 追憶(二〇二×年四月五日) 1章 二〇三×年十月二日 栃木県・桧山サーキット 2章 オルタネート 3章 ファントムサーキット 4章 データスフィア1 5章 セピア×セパレート エピローグ
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