構造レビュー
星評価
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
編集部
屋上で知り合った親友は重たい過去を秘めていた。コイツの為に俺ができることは……。
概要
編集部
『カフネ』で2025年度本屋大賞を受賞した阿部暁子のデビュー作。屋上で知り合って交流を持った高校生の友情を軸に、小林親和が秘めたシリアスな過去や、彼を支えようとあがく和也の葛藤を描く。
こんな人におすすめ
編集部
対照的な少年二人の友情を堪能したい人 過去の罪と罰に向き合いたい人 いじめの加害者・被害者・傍観者 教師や親との関係に悩んでいる人
著者情報
編集部
阿部暁子は本作でコバルト文庫からデビューした女性作家。2025年度本屋大賞を『カフネ』で受賞している。漫画のノベライズも複数手掛けた。代表作は以下。 * 室町少年草子 獅子と暗躍の皇子(2009年、挿絵:サマミヤアカザ) * 戦国恋歌 眠れる覇王(2010年、挿絵:明治キメラ) * ストロボ・エッジ(2010年 - 2011年、全4巻、原作・挿絵:咲坂伊緒) * アオハライド(2011年12月 - 2015年6月、全6巻、原作・挿絵:咲坂伊緒) * 鎌倉香房メモリーズ(2015年2月 - 2017年3月、全5巻、表紙絵:げみ) * どこよりも遠い場所にいる君へ(2017年10月、表紙絵:syo5) * また君と出会う未来のために(2018年10月、表紙絵:syo5) * 思い、思われ、ふり、ふられ(2020年6月) * 室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君(2018年1月) * パラ・スター(2020年、全2巻) * 金環日蝕(2024年2月) * カラフル(2022年10月)
イラストレーター情報
編集部
カズアキは日本のイラストレーター。ラノベのイラストを数多く手掛ける。代表作は以下。 * 『ジャンクル!』(木村航 著 ファミ通文庫) * 『レンズと悪魔』シリーズ(六塚光 著 角川スニーカー文庫) * 『ゆくとし くるとし』(大沼紀子 著 マガジンハウス) * 『世界で一番不思議なあの子』シリーズ(森山侑紀 著 講談社X文庫ホワイトハート) * 『ドラゴンキラーあります』シリーズ(海原育人 著 C★NOVELSファンタジア) * 『蝶の大陸―黄金のエミーリア』(入皐 著 ルルル文庫) * 『時間商人』シリーズ(水市恵 著 ガガガ文庫) * 『彼の禁じられた遊び』(南原兼 著 B-PRINCE文庫) * 『ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを。』(古戸マチコ 著 一迅社文庫アイリス) * 『デ・コスタ家の優雅な獣』(喜多みどり著 角川ビーンズ文庫) * 『裁かれる日まで』(水無月さらら 著 キャラ文庫) * 『斯くして歌姫はかたる』シリーズ(朝前みちる 著 ビーズログ文庫) * 『カーテンをノックして』シリーズ(鈴藤みわ 著 SPARK NOVELS) * 『アンリアル UnReal』(北國浩二 著 講談社BOX) * 『she&sea』シリーズ(糸森環 著 角川書店) * 『アリス イン サスペンス』(桃華舞 著 講談社X文庫ホワイトハート) * 『確率捜査官』シリーズ(神永学 著 角川書店) * 『吉原夜伽帳 ―鬼の見た夢―』(ミズサワヒロ 著 ルルル文庫) * 『神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎』(あざの耕平 著 GA文庫)
受賞歴
編集部
2008年コバルト文庫ロマン大賞受賞作
評価点
編集部
阿部暁子のデビュー作。のちに本屋大賞をとる実力の萌芽が既にあり、人間関係の描写の丁寧さが無限大のポテンシャルを感じさせる。
【おすすめキャラクター】 '''小林親和''' 主人公・和也が学校の屋上で出会った少年。やや人を寄せ付けない雰囲気を放っているが、毎日のように和也と顔を合わせるうちに徐々に心を開いていく。彼が口外したがらないある過去が物語のマストとなる。
評価が分かれる点・問題点
編集部
問題解決の手段がやや安直であっけない。いじめの加害者・被害者・傍観者の立場や価値観の違いを上手く書き分けているが、読者が誰に感情移入するかで評価は分かれる。
総評
編集部
屋上で始まった少年二人の友情を軸にした青春ストーリー。親子間の不和やいじめなどシリアスなテーマを使っているが、重くなりすぎないように抑制を利かせた、軽やかな筆致が素晴らしい。モラトリアムを脱却できない、思春期の少年少女にこそ読んでほしい作品。
ストーリーの説明
編集部
平凡な高校二年生・和也と小林親和の友情を軸に、対照的な価値観を持った二人の少年の交流と衝突、青臭いすれ違いと和解を描いた青春ストーリー。モラトリアムを乗り越えて既に大人になってしまった読者はもちろん、現代の十代にも届く普遍性を備えている。
キャラクターの説明
編集部
実直で一途、走り出したら止まらない和也の性格には好感が持てる。彼の親友となる小林親和の過去も、ありきたりなエピソードを個人の罪と罰、善と悪の境界線を見極める自問自答に落とし込んでいて、等身大の共感を誘った。
設定・世界観の説明
編集部
我々が住む現代社会と同じ。基本は学校の屋上で展開される。単純な勧善懲悪では片付けられないいじめ問題の根深さや難しい親子関係が真摯な視点で描かれ、十代の読者の共感を獲得した。秘密基地の代替機能を持った屋上に憧れる人におすすめ。
話題性の説明
編集部
2008年ロマン大賞受賞作としてコバルト文庫から出版された。阿部暁子は2025年度本屋大賞を『カフネ』で受賞しており、デビュー作にあたる本作にも注目が高まっている。
初心者向けの説明
編集部
阿部暁子が本屋大賞をとった関係で復刊される可能性濃厚。全1巻で綺麗に完結しているコンパクトさも初心者に優しい。刊行年が2008年とやや古いのがネック。カズアキの端正な絵で描かれたイケメンは目の保養。
読後感のよさの説明
編集部
正直な所派手さには欠ける。少年二人の未熟な価値観の変化と成長に焦点が当てられるストーリー内で大きな事件は起こらないものの、良い方向に吹っ切れた彼等の友情を、末永く見守りたくなるような話だった。
テンポの良さの説明
編集部
テンポ感重視の軽妙な文章が心地いい。和也の目を通して語られる日常は何でもないことが生き生きして見え、活力が漲っていた高校時代を思い出した。
読みやすさの説明
編集部
文章は非常に端正で読みやすい。地の文と会話のバランスも適切で、幅広い読者に受け入られそうな素地がある。キャラの書き分けも上手い。
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巻一覧
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