『鳥葬』は、過去に「殺人」という出来事を抱えた少年・陵司を中心に、死んだ幼なじみの周辺で再び動き出す人間関係と事件を追う青春群像ミステリです。舞台は現代の学校とその周辺で、ネット上の発言、停学処分、教師や同級生との対話が物語を進めます。陵司は自分の過去と向き合いながら、八尋の死や周囲に集まる死の気配の理由を探ります。シリーズは、学園内の閉塞感から始まり、対人関係の軋みや社会に出た後の生活へと範囲を広げ、死と生の感覚を軸に人物群を描きます。全3巻で完結し、同じ主人公の時間経過に沿って物語が続きます。続編・外伝・短編の区分はありません。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
嘗て共に人を殺した、幼馴染は何故死んだのか?
編集部
小学生の頃に些細なイタズラがもとで人を殺してしまい、その罪を背負い続ける幼馴染グループ。その一人がラブホで首吊り自殺を遂げたことをきっかけに、久しぶりに集まるのだが……。 はたして彼は本当に自殺だったのか?
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
陰鬱な雰囲気の青春ミステリーが読みたい人 罪と秘密で繋がった少年少女の破滅が見たい人 共依存カップルが好きな人 衝撃の結末に絶望したい人
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AI分析(あらすじ)
- 現代学園の事件ものを読みたい人 - 過去の秘密が人間関係に影響する物語に関心がある人 - 複数人物の関係変化を追う群像劇が好きな人
著者情報
この項目をレビューイラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
くまおり純は日本のイラストレーター。SNSやpixivで活動中。画集『ILLUSTRATION MAKING&VISUAL BOO』も発売中。
編集部
陰惨な作風故に賛否両論分かれます。正直な所誰が八尋を殺したかは重要ではなく、何故八尋が死ななければならなかったかが焦点として論じられており、安易に他人に成り代われるSNSの暗黒面や、虚実入り混じった捏造が独り歩きするネットの風潮に寒気を覚えました。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 幼い頃の悪戯がきっかけで起きた「殺人」が、責任の所在も曖昧なまま主人公たちの精神を蝕んでいく構図に、読後感が残る。
- 陵司の一人称独白が痛々しくリアルで、鬱々とした雰囲気の中でも文章の上手さで読み進めやすい。
- SNSや「原稿300枚」といった創作・晒しのモチーフが物語に絡み、前作からの続編としてテーマが深まる。
- タイトルの「鳥葬」比喩や副題・各章タイトルの意味が、読後に振り返りたくなる設計だ。
- 江波作品として前作より洗練され、罪の意識の掘り下げや心理描写の鋭さが高く評価される。
こんな人におすすめ
- 陰鬱な雰囲気の青春群像ミステリを求める人。
- 罪と秘密で結ばれた少年少女の関係性や、危うい共依存に興味がある人。
- 一人称の内省が多い、文学的寄りのジュブナイル小説を試したい人。
- 学園内の対立や停学など、地味な出来事から人間関係が崩れていく展開が好きな人。
- 前作『鳥葬』を読んだうえで、続編として世界観を深めたい人。
人を選ぶポイント
- 終始独白中心で五感描写や盛り上がりが少なく、物足りなさを感じる。
- オチが予想しやすい、あるいはミステリとしての着地が好みに合わない。
- 周辺キャラが都合よく感じられ、主人公の達観的な語りに共感しにくい。
- 前作ほどSNSの「毒」が強くなく、創作モチーフの掘り下げが物足りない。
- 江波作品として前作より「優しい」方向に寄っていると感じ、トーンの変化に戸惑う。
テンポ・読後感
- 全編を鬱々とした暗い雰囲気が支配し、地味で日常寄りの青春ドラマとして読。
- 八尋の死を起点に旧友が再び動き出す一方、学園内の殴り合いや停学、教師との取引など小さな事件が関係を揺さぶる展開だ。
- 前作よりSNSを介さず、より直接的な人間関係の描写に比重が移った。
- 傑作でサクサク読めるという高評価と、評価に困る・消化不良になる。
キャラクターへの評価
- 陵司は中二病的で捻くれた独白、危うさと萎縮の同居が印象的で、読み手を引き込む主人公だ。
- 八尋は物語の起点となる存在として語られ、ネット上の言動やメールなどが事件のきっかけになる。
- 桜香は陵司と似た感覚を持つ旧友として、葬式を機に再会し真相を探る側に回る。
- 間宮は強引な後押しで陵司を動かす教師として、物語の推進役に評価・疑問の両方がある。
- 真琴や瑛二、燈子など周辺人物は、危うさの源や都合よさの象徴として賛否が分かれる。
巻一覧
この巻のあらすじ
少年達は「殺人」という過去に振り回される。
幼なじみが死んだ。 ラブホテルで。首を吊って……。 他殺か? 自殺か?
事件の前日、死ぬ間際の八尋から送られた「過去に殺される」というメール。 ある日届いた、「次はお前を殺す」という謎のメッセージ。 八尋がインターネット上で自慢した「殺人」という偽りの記憶。
主人公・陵司は、八尋の葬式で再会した旧友・桜香と共に、事件の真相を探り始める。かつて「殺人」を犯した陵司の過去を、自分の過去のように振り回し続けた八尋を襲ったものの正体は? 八尋の死が、「殺人」以降関わりを絶っていた5人の少年少女を再び結びつける。 ……一体、誰が、八尋を?
『ストレンジボイス』『パニッシュメント』『ペイルライダー』の学園三部作にて根強い人気を誇る、鬼才・江波光則が新たに送る、青春群像ミステリ! 乞う! ご期待!
――あのとき、俺たちはまだ、人間ですらなかった。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
この巻のあらすじ
少年は、もがく。過去と決別するために。
同級生にモップで殴りかかった陵司に1か月の停学処分が下された。
陵司は、校内で有名な不良教師・間宮からとある提案を持ちかけられる。 「原稿用紙300枚分の文章と引き替えに、停学を無かった事にしてやる。さらに、その文章の内容に関わらず出版もしてやる」 不適に笑う間宮は、陵司の「過去」、殺人という枷を知っているように見えた。 静かに生きようとする陵司を晒しものにしてやる、という底意地の悪さがにじみ出ていた。
一方、陵司が襲った同級生・真琴のことも無視できなくなる。 真琴は巷でも有名な強請屋だった。 しかし陵司は、金も持たない自分が、なぜ真琴の標的になったのかが分からない。 あまりにも的確に、自分を挑発してきた真琴の真意が分からない。 どうして八尋の自殺と、陵司の殺人を知っていたのかが、分からない。
己の過去を掘り起こそうとする二人の人間に狙われた陵司は、どちらからも逃れるための策を見いだすが……。
『鳥葬-まだ人間じゃない-』に続く、江波光則の暗黒青春群像劇第二弾。
少年は、もがく。孤立という壁で守ってきた弱い心を葬って……。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
この巻のあらすじ
人を殺すこと、それは自分を殺すこと。
『鳥葬』『密葬』の舞台から数年。 時間がすぎても彼を取り巻く死の呪縛は簡単には剥がれなかった。高校を卒業し。大学に通う傍らで始めた自動車整備工の仕事。平穏な日々を過ごそうとしている陵司の下に、雇ってもらった工場の社長の娘の面倒をみるという題目が転がり込む。彼女の父親は、日々死を暗示させるポエムをネット上に流す、理解の範疇を越えた娘の心境を理解したがっていた。死にたがる高校生。死を軽んじる高校生。そして、死への願望をポエムにしたため、自殺を美徳とするような高校生。陵司からしてみれば、彼らの願望そのものがガキの戯言。しかし、ある日彼は、いじめが原因で首を吊ろうとする少年に出会う。何の因果か、彼のことを助けてしまった陵司は、いらぬお節介のせいで厄介なもめ事に巻き込まれる。かつて自分が犯した罪や、そのおかげで積み重ねてきた経験を活かしながら、社会の荒波を受け流していく。余りにも都合よく陵司の周りに集まる死。その原因を探るため、陵司は再び立ち上がる。 ――彼らを人間にしてやるためには……。果たして陵司の生きざまに救いはあるのか……。 暗黒青春群像劇・完結編。数多の死を乗り越え、彼はようやく人間になった。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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