構造レビュー
星評価
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
編集部
一人の少年の自殺から幕を開けた学園崩壊の序章。
概要
編集部
第22回電撃小説大賞<大賞>受賞作。ある中学校で少年Kが自殺した。遺書でいじめの主犯と告発された菅原拓は悪魔のような中学生として数々の偏見に晒されるが……。
こんな人におすすめ
編集部
学校が嫌いな人 スクールカースト底辺の人間 いじめられた経験がある人 いじめた経験がある人 加害者叩きを正当化するSNSの風潮に疑問を持っている人 鮮やかなどんでん返しに驚愕したい人
著者情報
編集部
松村涼哉は本作で電撃文庫からデビューした作家。代表作は他に『特別:データ編集/GeneralUserForm/15歳のテロリスト』『特別:データ編集/GeneralUserForm/僕が僕をやめる日』『特別:データ編集/GeneralUserForm/少年殉教者』『特別:データ編集/GeneralUserForm/監獄に生きる君たちへ』『特別:データ編集/GeneralUserForm/暗闇の非行少年たち』『特別:データ編集/GeneralUserForm/1パーセントの教室』『特別:データ編集/GeneralUserForm/おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』など。現代社会の暗部や人間の負の側面を掘り下げる作風に定評あり。
イラストレーター情報
編集部
竹岡美穂は日本のイラストレーター。透明感ある繊細な絵柄が人気を集める。代表作は以下。 『丘の家のミッキー』 『ウォーターソング』 『旅する錬金術師のスローライフ』 『私たちは失いながら生きている』 『むすぶと本。『外科室』の一途』 『1パーセントの教室』シリーズ 『死んでも死んでも死んでも死んでも好きになると彼女は言った』 『ハムレット・シンドローム』 『スワロウテイルシリーズ』 『黄昏色の詠使い』 『文学少女シリーズ』 『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』 『ヒカルが地球にいたころ……』 『Θ 11番ホームの妖精』シリーズ
受賞歴
編集部
第22回電撃小説大賞<大賞>受賞作。
評価点
編集部
【おすすめキャラクター】 '''菅原拓''' スクールカースト底辺に属する地味で目立たない中学生。これといった取り柄のない大人しい性格。Kの遺書内では悪魔と呼ばれていた。突如として表舞台に引きずり出された彼の衝撃的な独白が、読者の目に映る世界を豹変させる。
総評
編集部
宮部みゆき『ソロモンの偽証』や湊かなえ『告白』が好きな人なら波長が合うと思われる青春ミステリー。スクールカーストトップの天才少年の自殺が平和な学園に波紋を呼び、薄氷の上に成り立っていた欺瞞を暴き立てる。終始陰鬱なトーンが続くので読者を選ぶものの、学校で疎外されてきた人間は菅原拓の苦闘に強烈な共感を抱かざる得ない。
ストーリーの説明
編集部
重苦しく陰鬱なストーリーは確実に読者を選ぶ。万人受けのエンタメとは言い難いが、その分メッセージ性が強い。容姿や成績で選別されるスクールカーストの実態やSNS依存の現代社会へのアンチテーゼに真摯に取り組んでいるのが好感触。
キャラクターの説明
編集部
冒頭で既に自殺している人気者の天才少年Kがキーパーソンとなる。文武両道の彼が自殺を選んだ真の動機と、Kにいじめの主犯と名指しされた菅原拓の独白が物語を引っ張った。
設定・世界観の説明
編集部
SNSや同調圧力が浸透した現代社会が舞台。陰湿極まりない人間関係の描写は、宮部みゆき『ソロモンの偽証』や湊かなえ『告白』のようなリアリティーを感じさせた。
話題性の説明
編集部
第22回電撃小説大賞<大賞>受賞作として脚光を浴びた。Amazonレビュー投稿件数は三桁に達しており、それなりに話題になった。作者の松村涼哉はメディアワークスから刊行した『15歳のテロリスト』で人気作家の仲間入りを果たす。
初心者向けの説明
編集部
ラノベらしいキャッチャーなセールスポイントは見当たらない。どちらかといえば一般レーベル向けの小説。中学生のいじめ自殺の真偽やネットリンチを巡る重苦しいテーマと相俟って、発売当時はごく一部の鬱作品好きを除き、ラノベ読者には受け入れられなかった。
読後感のよさの説明
編集部
無責任なマスコミ報道が招く誹謗中傷や悪意渦巻くスクールカーストの息苦しさに切り込んだ作品故、後味は悪い。全編に閉塞感をもたらす鬱々しい雰囲気も好みが分かれる。コミカルな掛け合いや息抜きできる箇所が殆どなく、読了までに体力を使った。
テンポの良さの説明
編集部
叙述トリックに翻弄される快感やミステリー的などんでん返しは評価点だが、全体のダウナーがトーンがテンポを相殺している。内省的な独白が大半を占める地の文もストーリー停滞させている。
読みやすさの説明
編集部
全1巻で完結しているのが長所。シリーズ物ではないので入りやすい。決して読みやすい作品ではない上に心にダメージが来るので、鬱展開に耐性がない人にはすすめない。
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巻一覧
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