構造レビュー

編集部判定 判定なし

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

終末ものの隠れた名作。全ての人や物の記憶が消滅する喪失病のせいで、固有名詞がほぼ出てこないのが特徴。少年少女ののどかな旅と、彼等と出会い別れる人々が織り成すドラマが主題となる。

キャラクター A (3) レビュー

理由・補足

編集部

前述の設定の為固有名詞はほぼ出てこず、主人公は「少年」、ヒロインは「少女」とのみ表記される。それ故やや混乱する場面もあるが、口調や性格できちんと書き分けができている。

設定・世界観 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

人間の名前や顔、影・色・存在まで奪っていく喪失病の設定が秀逸。固有名詞を排したストーリーが非日常感を加速させる。

話題性 B (2) レビュー

理由・補足

編集部

全1巻で刊行年は古いものの、他に類を見ない独特な設定や雰囲気が、一部の読者の心を掴んで離さない。

初心者向け A (3) レビュー

理由・補足

編集部

電撃文庫『キノの旅』が好きな人にすすめたい、旅がテーマの連作短編集。全1巻で手軽に読めるのも有難い。人が死んだり殺されたりするような大きな事件は起こらず、滅びゆく世界のノスタルジーにどっぷり浸ることができる。

読後感の良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

喪失病のせいで文明崩壊に瀕し、人がどんどん消えていってるのは確かだが、不思議と悲愴感や絶望感はない。世界の終わりと向き合った人々がこれまでの人生を振り返り、その本質を見詰め直すストーリーは、深く静かに心に響いた。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

良い意味で淡々としており、旅先で目にする穏やかな情景やさりげない人情に心が癒された。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

全1巻で読みやすい。雰囲気が抜群に良く、凪いだ諦観を帯びた終末世界の静けさを堪能できた。少年少女の日常会話も面白い。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

喪失症に蝕まれた世界で僕と彼女は旅をする

編集部

全ての物の記憶と記録が剥ぎ取られる喪失症が蔓延した世界。名前を失った少年と少女はスーパーカブに跨り、ゆっくりと滅びゆく世界の果てを目指すのだが……。

こんな人におすすめ

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編集部

ボーイミーツガールなロードノベルを愛する人 終末もののラノベが好きな人 『キノの旅』『魔女の旅々』の雰囲気が好きな人 スーパーカブが好きな人

編集部

萬屋直人は日本のラノベ作家。サラリーマンと兼業しながら小説を書いている。

イラストレーター情報

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編集部

方密は日本のイラストレーター。萌え系の美少女イラストを得意とする。

編集部

人の名前や存在を蝕む架空の奇病、喪失病の設定が秀逸。滅びを迎えた世界をスーパーカブで旅して回る少年少女の絆や、やがて来る終わりを受け入れた人々の対話に個々の死生観が垣間見え、しみじみとした余韻を噛み締めた。

作品Q&A

合わない人・注意点は? ストーリー
ベストアンサー
設定上固有名詞が登場せず、「少年」「少女」「取締役」「ボス」とキャラが表記される為、口調や性格を掴むまで誰が誰だか些か混乱する。

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評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
空や海にフォーカスした綺麗な情景描写とメランコリックな雰囲気が魅力。 【おすすめキャラクター】 '''少女''' スーパーカブに乗って少年と二人旅をするヒロイン。自分の名前は思い出せない。道中は料理担当。低血圧で寝相が悪く、飲みすぎ食べすぎでダウンすることもしばしば。後先考えず行動する癖がある。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 名前や存在が失われていく「喪失症」が広がる終末世界を舞台に、スーパーカブで旅する少年と少女のロードノベルという構成が好評。
  • 終末設定なのに絶望感が強くなく、二人の明るい掛け合いや前向きな姿勢が読み心地を支えている。
  • 空や海、夏の空気感など情景描写が鮮やかで、メランコリックながら爽やかな余韻が残る。
  • 旅の途中での一期一会の出会いと別れが、温かさと切なさを交えて描かれている点が印象的だ。
  • 文字や物語として残るものの尊さ、「消えてしまう前に何かを成したい」というテーマに共感する。

こんな人におすすめ

  • 終末・ポストアポカリプス系の雰囲気が好きで、重いサバイバルより旅の空気感を楽しみたい人向けだ。
  • ボーイミーツガール的な二人旅や、恋人でも友達でもない特別な関係性の物語が好きな人向けだ。
  • 『キノの旅』『魔女の旅々』のような、ゆったりした旅物語の読み味を求める人向けだ。
  • ゼロ年代ライトノベル特有の切なくも力強いノスタルジーを味わいたい人向けだ。

人を選ぶポイント

  • 登場人物が「少年」「少女」など呼称中心で、口調や性格を掴むまで誰が誰か分かりにくい。
  • 「喪失症」の設定説明がやや遅く、前半は世界観の把握に時間がかかると感じる。
  • 大きな事件や急展開は少なく、ロードムービーとしての日常寄りの進行のため、物語の起伏を求めると物足りなく感じる可能性がある。
  • ヒロインのツンデレ・暴力系のキャラクター性は好みが分かれる。

テンポ・読後感

全体的にゆったりとした旅記のようなテンポで、大きな盛り上がりより道中の情景や出会いを味わう読み味だという声が多い。終末の重さはあるものの、文章全体は比較的爽やかで、読後には切なさや物悲しさが静かに残る印象を持つという声が多い。シンプルで自由な構成の、エモーショナルな一冊完結の読み心地だという声もある。

キャラクターへの評価

  • 名前を失った少年と少女の、特別な距離感のある掛け合いが物語の核として高く評価されている。
  • 二人とも明るく楽しそうに旅を続ける姿が、終末設定との対比として魅力的だ。
  • 農作物を育てる社長、人力飛行機を組み立てる人、養護教諭や姫のような人物など、道中の脇役にも温かさや個性がある。
  • ヒロインの気の強さや時代を感じさせるタイプ感については、好き嫌いが分かれる。

巻一覧

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。
2008年3月 ISBN 9784840241922

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