キノと相棒のモトラド・エルメスが、さまざまな国を巡って滞在し、各地の制度や習慣、価値観に触れていく旅の連作短編集です。舞台は、国ごとに法律や生活様式が大きく異なる広い世界で、旅人の視点から社会の仕組みが描かれます。中心人物は、旅を続けるキノと会話を交わすエルメスで、二人は一つの国に長く留まらず次の土地へ移動します。物語の軸は、訪れた国で起こる出来事や人々とのやり取りを通じて、その土地の考え方を見ていくことです。各話は独立した国の話として読め、シリーズ全体では旅先の数だけ異なる制度や風景が積み重なります。短編中心の構成で、外伝や続編にあたる巻も同じ旅の枠組みで展開します。外伝・短編は本編と同じく旅の途中の一話として整理されています。
構造レビュー
作品Q&A
このラノでノミネートされたことはありますか? シリーズ全体
質問を投稿するにはログインしてください。
質問を投稿
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 短編連作で読みやすく、合間に1話ずつ進めやすい。
- 国ごとの設定にひねりがあり、皮肉や風刺の切れ味が強い。
- さらっとした語り口なのに、読後に考えさせられる余韻が残る。
- キノ、エルメス、師匠、シズ、フォトなど登場人物の個性が立っている。
- 挿絵や口絵の印象も強く、巻ごとの見どころになっている。
こんな人におすすめ
- 1話完結寄りのライトノベルを気軽に読みたい人。
- 社会風刺や寓話めいた話が好きな人。
- すっきり終わる話だけでなく、解釈を残す作品を楽しめる人。
- キノとエルメスの旅の空気感を長く味わいたい人。
- フォトや師匠、シズ側の話も含めてシリーズ全体を追いたい人。
人を選ぶポイント
- 作品によってはオチが分かりにくく、好みが分かれる。
- 皮肉や風刺が強い巻は、重さや刺々しさを感じやすい。
- 長編より短編の積み重ねが中心なので、物語の大きな進展を求めると物足りない。
- 巻によってはキノ以外の人物の比重が増え、印象が散ることがある。
- 淡々とした文体が合わないと、途中でテンポが単調に感じやすい。
テンポ・読後感
- 1話ごとの起伏ははっきりしていて、短く区切って読める。
- 全体の空気は静かで淡々としているが、話の芯は鋭い。
- 皮肉の効いた軽さと、静かな残酷さが同居している。
- 余韻を残す終わり方が多く、読後に考え込む時間が長い。
- 巻によってはマイルド寄り、別の巻では社会問題色が強めになる。
キャラクターへの評価
- キノは可愛い、淡々としている、機転が利く。
- エルメスは相棒としての掛け合いが安定していて、時々いいことを言う。
- 師匠は無双感がありつつ、優しさや不思議さが印象に残る。
- シズは周囲への向き合い方がまっすぐで、旅の空気を少し変える存在として見られている。
- フォトは清涼剤のような役回りで、女の子らしさや写真を使う個性が好まれている。
巻一覧
すべての巻を見る(全23巻)
この巻のあらすじ
そして、すぐに、キノとエルメスは大きな病院の前にさしかかった。玄関ドアの前に、数人の看護婦が見送りをするために並んでいた。さらに、一台の黒塗りの車が道に止まっていて、運転手がそのドアを開けるところだった。車の後ろにエルメスを止めて、キノはその光景を眺める。やがて、祝福の声に包まれて、病院から夫婦が現れた。若い二人は顔に笑顔を浮かべながら、夫の方は大きな鞄を、妻の方は、小さなバスケットをその手に抱いていた。夫婦はお世話になった看護婦達に何度もお礼を言って、幾人かと笑顔で抱き合った。(プロローグ「幸せの中で・b」)他、全16話収録。
この巻のあらすじ
「何だ?」キノが『フルート』を構えてスコープを覗いて、今いる丘の上から地平線を見下ろします。しばらくして、ようやくそれが何か分かりました。大量の土煙を生み出していたのは、大地を埋め尽くすような大型動物の大群でした。大きく太い体と頑丈そうな四肢を持つ、鈍い灰色をした草食動物です。「この辺に住むサイの一種、だね。水が欲しくて集団で移動中なんだよ」エルメスが言いました。灰色のサイの群は、何千頭、または何万頭いるのか分かりませんが、濁流のような密集度と勢いで大地を進んできます。その進む先にはーー「あ……」『フルート』を向けたキノが、声を漏らしました。 (「この世界の話・b」)他全11話収録。
この巻のあらすじ
「なあ……、アンタだろ? 昨日入国したキノって名前の旅人さんは。ラジオで聞いたぜ!」「ええ、そうです」「立ち話で悪いけど、すぐに済むからちょっと聞いてくれよ! この国の酷いところをさ!」「酷いところ、ですか?」「ああ……。つい先月のことだ。この国では、法律で×××××が禁止された! それまで普通に買えたし、楽しめていた×××××だが、今はもうダメだ! 製造も販売も購入も、ましてや単純所持もダメだ! 俺なんか、働いた金で買った×××××をすべて提出しろと言われたぜ! 提出しないと、逮捕だ」「急に厳しくなったんですか?」(第三話「規制の国」より)他全13話収録。
この巻のあらすじ
キノとエルメスは、西に向かって走っていました。大地がほとんど岩なので、舗装道路並みに固いです。段差もなく、どこを走っても道になります。キノは快適にエルメスを走らせ、そして次に進路を塞ぐサボテンをゆったりと避けながら、「もともとは、師匠から聞いた話なんだ」「じゃあ、結構前の話だね」エルメスが言って、キノは頷きました。「だね。師匠はこう言っていたーー“とてもとても美しい廃墟があった。岩山の麓に石で作られた国があって、泉から引かれた綺麗な水がまだ水路を流れていた。今にでも何万人もが住めそうなほど綺麗な町だった”って」(第三話「過去のある国」より)他全10話収録。
この巻のあらすじ
「ボクは昔、一生海を見ることなく過ごすのかと思っていたよ、エルメス」キノが感慨深げにそう言うと、エルメスと呼ばれたモトラドが、軽い口調で返す。「まあ、この世界に住む、ほとんどの人がそうじゃない?」「そうだね。城壁の外に出る人の方が少ない。それは、旅をしてよく分かった」「もっとみんな、城壁の外に出て行けばいいのにねえ。この世界の人間は、どうも“ひきこもり”がちだよ」「“この世界”ってことは……、エルメスは、別の世界を知ってるのかい?」「さあ? そんなの、あるの?」「聞いたのはボクなんだが……。まあいいや。--」(「死人達の国」)他全10話収録。
この巻のあらすじ
エルメスが強奪されたーー。 『新しいあなたになりませんか? 新しいあなたになれます! 私達と! --“人生の真実を見つけるホウデンの会”』。 エルメスを奪った組織は、怪しげなテレビCMを放送する宗教団体のメンバーだった。しかし、その国には彼らのような宗教団体を手厚く保護する法律があって……。(「神のいない国」) その他、2013年4月より新聞紙上でウィークリー連載された話題の小説&イラストも完全収録! 書き下ろし8話を含む全18話という、シリーズ史上最大のボリュームでお贈りする「キノの旅」17巻。
この巻のあらすじ
最後の峠を超えたのは、昼過ぎだった。絶好の見晴台からは、巨大な盆地が一望できる。そこには、5つの国があった。キノとエルメスはゆっくりと近づいて、三日間の滞在許可を求める。 「ほう、旅人さんは盆地の国々を回りたい? ならば、とてもいい時に来ましたね」 「この盆地の国々の、四年に一度の大戦争がもうすぐ勃発するんですよ! 熱い、戦いの火蓋が切って落とされるんです」 「奇跡だよ!」 「大戦争、楽しんでいってね!」 (「スポーツの国」)他全13話収録の第18巻が登場!
この巻のあらすじ
記念すべき15周年に贈る、キノとエルメスの旅の物語。最新19巻が登場!
「師匠は言った。"私の長い旅の中でも、最も印象に残っている国の一つだった。あの国のことは、忘れようとしても忘れられない"って」「なるほど。あのお師匠さんが詳細を語るのをもったいぶるくらい、とても素晴らしい国だったんだね!」「または、一生忘れられないほど酷くて酷くて、ボクに伝えることすら憚られるほど、本当にどうしようもない国だったか……」「でもさ、すでにそれ以外に、どうしようもない国の話をたっくさん聞いているよね。すると、それら以上?」「うーん……。そうなると、もはや想像がまったくつかないね。なんにせよ、そこにボクがもうすぐたどり着けるというのは、嬉しい」 キノが言った時、城壁が遠くに見え始めた。 「さあて、どんな国だろう?」 キノが楽しそうに言って、エルメスのアクセルを開けた。 (「美しい記憶の国」他全12話収録)
"あとがき"は15周年スペシャル×××××!!
この巻のあらすじ
「旅人さん! オレには分かるよ、実は女性だろ? マニッシュな雰囲気がステキだぜ! だから単刀直入に言うぜ! オレの彼女にならないか?」 キノは、一人の男にそう話しかけられた。ガラガラだった店で生魚の切り身を美味しく平らげて、港に面した広い歩道にとめていたエルメスに近づいた時だった。 「はい?」 口調は若かったが、実際には四十歳は越えているだろう男だった。身綺麗で、暑い中、小洒落たジャケットを着ている。 不自然なニコニコ笑顔で、 「おっと、怒った顔も綺麗だぜ?」 「いえ、呆れています」 「だろう? 呆れた顔も美しいぜ?」 (「拘らない国」)他全11話収録。
記念すべき20巻! スペシャルな(!?)“あとがき”にも注目!!
この巻のあらすじ
ずしりと重い音と共に城門が開ききって、キノがエルメスを押していくと、彼等が喋っているのが分かった。その声が聞こえてきた。 『情報通りです! 旅人さんが! たった今入国しました! 若いモトラド乗りで、モトラドは銀色タンクの渋い一台! 革鞄には年季が窺えて、旅の過酷さを如実に物語っている!』 彼等は喋っていた。キノとエルメスにも聞こえるくらいハッキリとした大声で。 しかし、それは隣にいる人間に向けてのではなく、全員が視線をキノ達に向けたままでーー。(「有名になれる国」)他全13話収録。
この巻のあらすじ
キノとエルメスは誰もいない街を走りーーそして、国の南側で、一つのドームを見つけた。「よし、行ってみよう」そのドームへ続く道へとエルメスを傾けた。薄暗いドームの中には、平らな石の床が広がっていた。その上に、無造作に散らばっているのは、多種多様な白い骨。薄暗闇の中で、骨はまるで、ちりばめた宝石のように光っていた。「なるほど……」「一つ謎が解けたね」キノは、滅多に点灯させないエルメスのヘッドライトをつけた。ドームの床を、真っ直ぐな灯りが走った。「いくよ」「あいよ」(「餌の国」)他全11話収録。
この巻のあらすじ
「あの箱ですか? 私達の永遠の命を守ってくれるものですよ!」国に入る前に、キノとエルメスは答えをもらいました。答えが全然理解できなかったので、キノが訊ねました。背広を着た入国審査官は、とても若い男でした。まだ二十歳前に見えました。彼は、それはそれは嬉しそうに、手続きそっちのけで説明してくれます。「あそこには、たくさんの国民達が眠っています!」「眠っている……?」キノが首を傾げました。「つまりまさかーー」エルメスの言葉を、「墓地じゃないですよ!」入国審査官は笑顔で遮りました。「みんな生きています! ただーー」キノが反対側に首を傾げました。(「眠る国」、他全11話収録)
星評価・感想
構造レビューと同じ星評価・感想欄に保存されます。平均・中央値は上の「構造レビュー」欄に表示されます。 構造レビューを書く
感想を投稿するにはログインしてください。
最新 50 件を表示(全 144 件・感想付きを優先)
-
瑠奈 4 ハッと気づかせてくれる物語
相棒のバイク・エルメスと色んな国を旅する少年・キノ。思想の偏った風変わりな国を2人が巡る中でハッと気づかせてくれるものがあります。個性強めの国民に対して冷静で落ち着いた主人公ですので出来事がすんなり入ってきます。 -
a-k 5 電撃文庫好きなら一度は目にする作品
書店にある電撃文庫の棚を一度でも目にしたことがあれば、この本のタイトルを見たことがあるだろう。
時雨沢恵一作、キノの旅。 キノという名の旅人がしゃべるモトラド(二輪バイクみたいなもの)のエルメスと共に旅をする。連作短編軽視の小説である。
一話一話はとても短く、5分もあれば、その一話を読むことができる。
毎話ごとに全くもって違う国を訪れ、そしてその国の国民、価値観ふれあいそして去っていく旅人の物語だ。中には今の私たちの価値観を刺激させれるものがあったり、まったくもって理解できない価値観の生き方をしている国もある。少し異国の雰囲気にふれたいときに読むのにおすすめの作品です。 -
あすてん 4 今でも記憶に残る
2000年から刊行され現在でも親しまれている『キノの旅』の2作目になります。
なぜ1作目ではなく2作目なのかというと、個人的に今でも鮮烈に心に焼き付いている話が収録されいるからです。
『キノの旅』は、旅人・キノと相棒のモドラド・エルメスが様々な国を巡り旅をする、というスタイルの連続短編小説です。
本当に様々な国が出てきますが、その中でもこの巻に収録されている「優しい国」が未だに忘れらないくらい揺さぶられるお話でした。
それ以外にもユーモラスで寓話的なお話が多数収録されており、一篇が短いのでとても読みやすいと思います。 -
がじん 4 寓話が好きな人におすすめ
2000年代の名作ラノベの一つであり、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない不思議な後味の良質な短編が数多く揃っています。 -
そら 4 再読でも面白い
児童文学のような文体で、ほのぼのしている雰囲気なので、中高生でも読みやすい。高校生の頃読んだが、大人になって再読すると、ダークな部分やドロドロした内容に改めて気づき、違う視点で読めるのでおすすめ。 -
ななみ 4 国ごとに考えさせられる内容がおもしろい
短編それぞれで旅人のキノが相棒のエルメスと共に様々な国を訪れますが、その国が非常に個性的です。その個性的な国々で起こるできごとが面白く、また現代の風刺が効いている話も多くて面白いです。第4話の「コロシアム」はキノの高い戦闘描写からの予想外の結末に驚きつつ、すべてをひっくり返す展開にわくわくしました。一話一話がそれほど長くないので、とても読みやすい作品です。 -
パースエイダー 4 考えさせられる内容が良い。
主人公が色んな国を相棒のしゃべるバイクと旅するロードノベル作品です。国も様々な特色があり面白いし、時系列もバラバラなので何度も読み返して時系列を考えるのも楽しいです。ただ、絶対にハッピーエンドがいい。それ以外は嫌という人はお勧めしません。ハッピーエンドでないからこそ何が正しいのだろうとか、立場が違えばこう考えるのかと驚かされます。一巻が面白いと思ったら次の刊も読んで欲しいです。基本的に一話完結なので空いた時間にちょっと読むのもお勧めです。 -
ブクログ 4 -
ブクログ 5 -
ブクログ 3 -
ブクログ 5 -
ブクログ 3 -
ブクログ 4 -
ブクログ 4 -
ブクログ 4 -
ブクログ 5 -
ブクログ 3 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3 -
ブクログ 3 -
ブクログ 5 -
ブクログ 5 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3 -
ブクログ 3 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3 -
ブクログ 4 -
ブクログ 5 -
ブクログ 5 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3 -
ブクログ 4 -
ブクログ 5 -
ブクログ 3 -
ブクログ 5 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3 -
ブクログ 3.5 -
ブクログ 4 -
ブクログ 4 -
ブクログ 3.5 -
ブクログ 4 -
ブクログ 5 -
ブクログ 5 -
ブクログ 5 -
ブクログ 5 -
ブクログ 5
