工学部の大学院生・舞面真面が、叔父からの依頼で曽祖父が残した遺言の意味を調べるところから始まる伝記ミステリ。舞台は、戦前に財閥を築いた舞面家の山中の邸宅と、その家に残された記録や言葉が交差する現代。真面は従姉妹の水面とともに、箱・石・面という手がかりを追い、遺言に込められた意図を探っていく。そこへ謎の面をつけた少女が現れ、調査は家の来歴や人物関係を巻き込みながら進む。旧家の歴史、戦前戦後の財産、家族に残された記号的な謎が一本の線で結ばれている。物語全体は、現代の調査で拾った断片から過去の事情をたどる形で組まれ、舞面家という一族の時間が少しずつ見えてくる。遺言文の解読と人物の呼び出しを軸に、家の中に残る手がかりを順に整理していく構成で、舞台の移動は少なく、旧邸と一族の歴史が中心になる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 旧家の遺言、箱、石、お面の少女を軸にした謎解きが次々つながる。
- 伝奇ミステリ寄りの空気と、ラノベ的な軽快さが同居している。
- 会話のテンポや言葉遊び、少し変わったキャラ造形が印象に残る。
- ただの謎解きで終わらず、終盤で見え方が変わる構成が強い。
- 先の展開が気になって一気読みしやすい。
こんな人におすすめ
- 野崎まど作品の空気感や、ひねりのある構成が好きな人。
- 伝奇・あやかし・不思議要素のあるミステリを読みたい人。
- ラノベ的な会話劇や、個性的な名前・キャラ設定を楽しめる人。
- すっきりした本格推理より、雰囲気と仕掛けを味わいたい人。
- シリーズのつながりや続編への布石を追いたい人。
人を選ぶポイント
- 本格ミステリのような緻密な謎解きを期待すると軽く感じやすい。
- 登場人物や会話のクセが強く、好みが分かれやすい。
- 前作と比べると仕掛けや衝撃が控えめに感じられる。
- 途中で重要人物が薄く見える、物足りない。
- すべてをきれいに回収するより、続きへつなぐ余韻が残る。
テンポ・読後感
- 序盤は屋敷と遺言の謎を追う静かな立ち上がり。
- 中盤から不思議な人物や要素が増え、煙に巻かれる感覚が強まる。
- 読みやすく軽快だが、空気はどこか薄暗く不穏。
- 終盤で一気に見え方が変わり、余韻を残して終わる。
- 重苦しさより、奇妙さと小気味よさが前に出る。
キャラクターへの評価
- 真面は頭の切れる理屈派として見られやすく、冷めた雰囲気がある。
- お面の少女は強い存在感があり、怪しさと魅力の両方で印象に残る。
- 水面や三隅は役割が薄く見える場面があり、評価が割れやすい。
- 熊佳苗は脇役ながら味があり、もっと活躍を見たかった。
- 個性的な名前や属性の強いキャラ配置そのものを楽しむ読み方が合う。
巻一覧
この巻のあらすじ
工学部の大学院生・舞面真面(まいつらまとも)は、ある年の暮れに叔父の影面(かげとも)からの呼び出しを受け、山中の邸宅に赴く。そこで頼まれたこととは、真面の曽祖父であり、財閥の長だった男・被面(かのも)が残した遺言の解明だった。 ―― 箱を解き 石を解き 面を解け ―― よきものが待っている 従姉妹の水面(みなも)とともに謎に挑んでいく真面だったが、謎の面をつけた少女が現われたことによって調査は思わぬ方向に――? <メディアワークス文庫賞>受賞者、野崎まどが放つ怪作登場!
この巻のあらすじ
第二次大戦以前、一代で巨万の富を築いた男・舞面彼面。戦後の財閥解体により、その富は露と消えたかに見えたが、彼はある遺言を残していた。 “箱を解き 石を解き 面を解け よきものが待っているーー” 時を経て、叔父からその「遺言」の解読を依頼された彼面の曾孫に当たる青年・舞面真面。手がかりを求め、調査を始めた彼の前に、不意に謎の「面」をつけた少女が現われてーー? 鬼才・野崎まど第2作となる伝記ミステリ、新装版!
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