梅雨物語

判定なし
基本情報
著者
貴志祐介
イラスト
レーベル
角川ホラー文庫
刊行年
2025
巻数
1巻
アニメ化
属性

『梅雨物語』は、俳句の語句や景の取り方を入口に、日常の背後にある異変を拾い上げていくホラーミステリ短編集。元教師で俳人の作田慮男は、教え子から持ち込まれた句集を読み解くうちに、沖縄の情景とある事情の結びつきへ近づいていく。収録作では、遊廓の夢に迷い込む男や、庭いっぱいに増殖するキノコの幻覚にさらされる人物も描かれ、題材ごとに不穏な感覚の現れ方が変わる。俳句、夢、幻覚、土地の風景が別々の入口として置かれ、そこから人物の記憶や事情に触れていく構成になっている。各話は独立した形で進みながら、言葉の解釈が怪異の手がかりになる共通の組み立てを持つ。3編とも、現実にあるものが少しずつずれて見え始める流れでまとまっている。

構造レビュー

こんな人におすすめ

  • AI分析(あらすじ)

    俳句の解釈や怪異譚、言葉から秘密をたどる構成に関心がある人。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 俳句・昆虫・きのこを軸にした3編で、和の題材を使った不穏さと謎解きが際立つ。
  • 伏線の回収や解釈の反転が巧みで、読み進めるほど見え方が変わる構成が印象的。
  • ホラーとミステリの両方の手触りがあり、怖さと推理の面白さを同時に味わえる。
  • 湿度の高い空気感、じっとりした陰鬱さ、夢や幻覚めいた気味悪さが強く残る。
  • 知識量や描写の細かさが作品の説得力につながっている。

こんな人におすすめ

  • 和風ホラーや怪談めいた雰囲気が好きな人。
  • 謎解きの反転や伏線回収を楽しみたい人。
  • 俳句、昆虫、きのこなど変わった題材に惹かれる人。
  • じっとり暗い読後感や、後から効いてくる怖さを求める人。
  • 文章や情景描写のうまさを重視する人。

人を選ぶポイント

  • ホラー耐性が低いと、虫やきのこの描写がかなりきつい。
  • 俳句の解釈や蘊蓄が多く、理屈っぽさを感じやすい。
  • 会話中心で進む話もあり、場面転換の多い作品を好む人には合わない。
  • すっきり爽快な読後感より、陰鬱さや虚しさが残りやすい。
  • 3編とも知識や説明が濃く、軽快さを求めると重たく感じる。

テンポ・読後感

  • 中編3本を通して、じわじわ不穏さが増していく流れ。
  • 静かな会話や解釈の積み重ねから、終盤で一気にひっくり返る展開。
  • 梅雨らしい湿度、暗さ、じめつきが全編にまとわりつく。
  • 読みやすさはあるが、内容はかなり濃くて重い。
  • 怖さの質は派手な驚かしより、気味悪さと後味の悪さが中心。

キャラクターへの評価

  • 元教師や元教え子など、過去を抱えた人物の会話劇が軸になる。
  • 登場人物の言動に違和感があり、信用しきれない空気が強い。
  • 男性主人公たちはどこか陰があり、過去が伏せられたまま進。
  • 人物そのものより、関係性や隠された事情に注目が集まりやすい。
  • 作品によっては人物像がややテンプレート的。

巻一覧

梅雨物語
2025年6月 ISBN 9784041161241
この巻のあらすじ

自ら命を絶った青年が残したという1冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は、かつての教え子から依頼を受け、俳句の解釈を進める。沖縄の情景を描いた句を読み解いていくうち、恐るべき秘密が浮かび上がってくる(「皐月闇」)。遊廓で蝶のような花魁たちと遊ぶ夢を見る男の末路、広い庭を埋め尽くす色とりどりのキノコがもたらす幻覚。静かに忍び寄る恐怖と緻密な謎解きが読者を圧倒する3編を収録。著者真骨頂のホラーミステリ。 皐月闇 ぼくとう奇譚 くさびら

解説 若林踏

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