地球各地に突如あらわれた時間重力異常地帯〈スポット〉をめぐるSFシリーズ。現代の地球で、オクラホマを含む複数地点に直径10マイルほどの異常帯が出現し、電磁誘導現象と重力異常が低気圧や気候変動を引き起こす。科学調査は難航し、原因の見えないまま危機だけが広がる。そこへ招かれるのが、超感覚知覚のオムニパシー能力を持つ11歳の少女フェブラリー。彼女は調査隊と組み、仮説を手がかりに現地へ踏み込み、時間が200倍に加速する内部空間やUFOが飛び交う環境を観測していく。シリーズは、異常現象の検証、現地調査、理解不能な空間の記述を軸に進み、科学用語と異常描写が並ぶ構成で地球危機を追う。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- いかにもラノベらしい美少女主人公の顔をしつつ、中身はかなり本格的なハードSFとして読める。
- 異常現象の調査、時間や重力の理屈、未知の存在との接触が重なって、スケールの大きい読み応えがある。
- 科学設定だけでなく、政治や軍事の動きまで踏み込んでいて世界の厚みがある。
- 理屈の説明が多くても、エンタメ性やアクションが支えていて意外と読みやすい。
- 併録の続編に触れて、作品世界の広がりや未完ゆえの余韻を強く感じる。
こんな人におすすめ
- ハードSFをラノベの読みやすさで楽しみたい人。
- 美少女主人公の冒険譚に、科学考証や理論の手応えも求める人。
- 世界設定の作り込みや、国家・軍隊を含む大きな構図が好きな人。
- 90年代SFや初期の山本弘作品に興味がある人。
- 未完でも作品世界の魅力を味わいたい人。
人を選ぶポイント
- 科学理論や用語の説明が多く、理屈の部分は難しく感じやすい。
- 中盤は説明寄りで、展開がやや遅く感じる場面がある。
- 口語での解説が多めで、そこを気にする読者もいる。
- 30年前の作品らしい古さや時代感は残る。
- 続編が未完のため、物語の全体像を最後まで見届けられない。
テンポ・読後感
- 序盤から異常現象の謎で引き込み、調査が進むほど世界のスケールが広がる。
- 理論説明とアクションの緩急があり、難しさのわりに読み進めやすい。
- 中盤はやや説明や停滞を感じるが、終盤で一気に盛り返す構成。
- 事件の重さに対して、主人公のまっすぐさや軽快さが読み口を支える。
- 余韻は強く、読み終えたあとに続編への未練が残りやすい。
キャラクターへの評価
- フェブラリーは可愛さと存在感が強く、主人公として印象に残る。
- 年齢に比して背負うものが大きく、健気さや危うさが目立つ。
- 完璧な超人ではなく、人間らしい迷いや弱さがある点が好意的に受け取られている。
- 口語で状況を説明する場面が多く、頭の回転の速さや率直さがキャラの特徴になっている。
- 女の子主人公の設定が、ハードSFの硬さをやわらげる役割を果たしている。
巻一覧
この巻のあらすじ
科学者さえも苦しめる物理現象を解明できるのは、オムニパシー能力を持つひとりの少女だけだった
アメリカのオクラホマをはじめとして、地球の6箇所に時間重力異常地帯〈スポット〉が出現した。直径10マイルの地帯に電磁誘導現象が起こり、重力異常が生む低気圧が全地球的な気候変動を作り出し、地球に危機が迫る。〈スポット〉は幾科学的に並び、自然現象とは思えなかった。あらゆる科学調査は失敗したが、超感覚知覚のオムニパシー能力を持つ11歳の少女フェブラリーだけが、ある仮説で謎を解明する。現地調査隊と共に彼女は〈スポット〉へと出発。その中では、時間が200倍に加速され、UFOが飛びかう驚くべき世界が…。
●山本弘(やまもと・ひろし) 作家。元「と学会」会長。日本SF作家クラブ会員。1956年京都府生まれ。1978年『スタンピード!』で第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選。1987年ゲーム創作集団「グループSNE」に参加。作家、ゲームデザイナーとしてデビュー。2003年『神は沈黙せず』が第25回日本SF大賞の、また2007年発表の『MM9』が第29回日本SF大賞の候補作となり、2006年の『アイの物語』は第28回吉川英治文学新人賞ほか複数の賞の候補に挙がる。2011年『去年はいい年になるだろう』で第42回星雲賞を受賞。
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