ジャンル
大学院で民俗学を学ぶ名鳥歩は、フィールドワークの最中に“呪い”を負い、研究室まわりで起こる荒らしや不穏な痕跡に巻き込まれる。教授の紹介で現れたのは、怪異を食うとされる朽木田千影だった。性格も立場も異なる二人が組み、福井のある農村に残る風習や土地の記憶を手がかりに、見えない災厄の正体へ近づいていく。調査の進行とともに、事件の背景だけでなく朽木田にまつわる過去も浮かび上がり、民俗学の聞き取りや現地踏査がそのまま物語の推進力になる。研究室での異変、地方に根づく伝承、人物同士の距離感が重なり合い、超常の出来事を民俗学の視点でほどいていく構成。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 民俗学の題材に怪異ミステリーを重ねた設定が目を引く。
- フィールドワークや土地の因習、蛇や墓にまつわる要素が物語の軸として印象に残る。
- 主人公と怪異喰らいの青年の掛け合いが軽快で、コンビものとして読みやすい。
- 文章が整っていて、ストレートに進む読み心地がある。
- 事件の重さに対しても、主人公の明るさや人の良さが読後感を支えている。
こんな人におすすめ
- 民俗学やオカルト、怪異譚が好きな人。
- バディものや男性同士の距離感を楽しみたい人。
- 学問要素よりもキャラクターのやりとりを重視して読む人。
- ライト文芸寄りのミステリーを手堅く楽しみたい人。
- 異形や怪異の雰囲気に惹かれる人。
人を選ぶポイント
- 学問としての民俗学の掘り下げは薄めで、専門性を期待すると物足りない。
- 既視感のある設定や、印象に残りにくい部分がある。
- キャラクター描写、とくに感情の積み上げがやや急に感じられる箇所がある。
- 脇役の見分けがつきにくく、混乱しやすい。
- 1冊で大きく完結するより、続き前提の余韻が残る。
テンポ・読後感
- 事件の進行は比較的まっすぐで、読みやすいテンポ。
- 会話は軽快で、コンビのやりとりが作品の勢いを作っている。
- 全体の空気はオカルト寄りだが、主人公の明るさで重苦しさは強すぎない。
- 物語の後味には暗さや余韻が残るが、悲壮感一辺倒ではない。
- 長編一本分の密度で進むため、短編的な切れ味より連続した流れがある。
キャラクターへの評価
- 主人公は人当たりがよく、明るさや素直さが好感につながっている。
- 怪異喰らいの青年は美形で塩対応気味、その距離感が魅力になっている。
- 主人公の相手への入れ込み方が強く、コンビの感情の偏りが印象に残る。
- 脇役は似た印象になりやすく、人物の輪郭がやや薄い。
- キャラ同士の関係性は強いが、心情の変化はもう少し丁寧さを求める声がある。
巻一覧
民俗学研究室の愁いある調査 その男、怪異喰らいにつき
この巻のあらすじ
民俗学のフィールドワーク中に“呪われて”しまった大学院生・名鳥歩。彼の周囲では不可思議な研究室荒しや、動物の亡骸が散らばる事件が続く。 身に危険が迫った名鳥に、教授が紹介したのは“怪異喰らい”と呼ばれる謎の美青年・朽木田千影だった。 常に不機嫌そうな朽木田と脳天気な名鳥のふたりは、福井のある農村の風習を手がかりに“呪い”の秘密に迫っていくのだが……。 謎が明らかになる一方、「怪異喰らい」となった千影の哀しい過去を知ってしまった名鳥は——?
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