海に面した田舎町・香崎を舞台に、都市伝説の「ウラシマトンネル」を追う単巻の物語。トンネルに入ると欲しいものが手に入る一方で代償があるとされ、高校二年の塔野カオルは、五年前に事故で亡くした妹を思い、その性質を確かめようとする。そこへ、クラスで孤立気味の転校生・花城あんずが関わり、二人はそれぞれの目的のために協力する。現実の町の日常と、時空を超える不思議な通路が重なり、喪失、願い、選択を軸に進む。単巻でまとまっており、続編や外伝は確認できない。続編や外伝の情報はなく、この一冊で物語が完結する構成。続き物ではないため、中心となる出来事は本巻に収まっている。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
そのトンネルは永遠の夏に繋がっていた。
編集部
海に面する田舎町・香崎のどこかに、中に入れば年をとる代わりに何でも欲しいものが手に入る「ウラシマトンネル」がある。 そんな噂がまことしやかに広まる中、高校二年生の塔野カオルと同級生の花城あんずは偶然そのウラシマトンネルを発見し……。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
ひと夏のボーイミーツガールに胸キュンしたい人 田舎町に伝わる噂の真偽を確かめたい人 取り戻したい何かがある人 ジュブナイルな冒険小説が好きな人 感動したい人
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AI分析(あらすじ)
- 都市伝説を手がかりに進む物語が好きな人 - 喪失と願いを扱う高校生の話に関心がある人 - 海辺の町を舞台にした現代ファンタジーを探している人
著者情報
この項目をレビュー編集部
八目迷は日本のラノベ作家。少年少女の葛藤をセンシティブに描いたシリアスな作風が特徴。代表作は『ミモザの告白』『琥珀の秋、0秒の旅』『きのうの春で、君を待つ 』他。
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
くっかは日本のイラストレーター。風景と美少女が融和した、透明感あるイラストが特徴。ガガガ文庫では八目迷とタッグを組んでいます。
受賞歴
この項目をレビュー編集部
第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞をW受賞。
編集部
ボーイミーツガールなジュブナイルとしては完成度が高く、ラノベを読まない人にもおすすめしやすい小説に仕上がっています。一方で設定の詰めの甘さやご都合主義な面も目立ち、タイムパラドックスを扱っている割に大団円のハッピーエンドになってしまったのが腑に落ちません。 ヒロインの悩みも親子間の話し合いで解決できる範囲の軽さで、主人公の家庭環境の深刻さと比べ、ちぐはぐに感じてしまいました。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 「ウラシマトンネル」を軸にした、夏の田舎を舞台にした青春SF・ジュブナイルとして高く評価される声が多い。
- 都市伝説の謎と、失ったもの・取り戻したい想いが絡むボーイミーツガールの構成が、一気読みしやすいと好評。
- ラノベ枠を超えた丁寧な地の文や距離感の描写で、夏の空気感・セミの合唱など季節の情緒を味わえる。
- 後半のトンネル関連パートは短くても密度が高く、幸福感や充実感に胸がいっぱいになる。
- デビュー作ながら骨組みがしっかりしており、映画・コミック化作品と比べても原作ならではの深みがある。
こんな人におすすめ
- ひと夏の青春物語や、田舎・海沿いの舞台設定に惹かれる読者。
- ミステリー要素のあるSF青春小説を、サクサク読める分量で楽しみたい人。
- 過去の後悔や葛藤を抱えた主人公の成長を見守りたい人。
- ラノベに抵抗があるが、児童文学やジュブナイル寄りの文芸性も好む一般読者。
- 劇場アニメやコミックを見たうえで、原作の描写や心理描写を味わいたい人。
人を選ぶポイント
- 主人公の過去や家庭背景が重く、物語全体が薄暗く感じる。
- 妹への掘り下げ不足や、ヒロインの恋心の進展の速さに物足りなさを感じる。
- トンネル調査の動機に不透明さを感じた、前半がやや冗長に感じた。
- 結末やメッセージがやや月並みで惜しい、という批評も見られる。
- 映画版とは展開や比重が異なるため、映像版だけの印象とズレる可能性がある。
テンポ・読後感
- 夏の終わりや夏休みに読むのに合う、爽やかさと切なさが同居する読後感。
- 謎が少しずつほどけていく進行で、先が気になって呑み込むように読める。
- SF的な時間のズレ(浦島効果)がスピード感を生み、緊張感とワクワク感を両立している。
- 真っ直ぐに物語へ入り込める素直さと、重いテーマとのコントラストが作品の魅力だ。
- 全体としては堅実で重力のある文体ながら、読み終えたあとに前向きで爽やかな気持ちになれる。
キャラクターへの評価
- 塔野カオルは、辛い過去に縛られながらも現実と向き合おうとする主人公として、同情や応援の声が多い。
- 花城あんずは、謎めいたクールさと優しさが同居する転校生として印象に残り、カオルとの対比で二人の願いの違いが浮かび上がる。
- 過去にとらわれるカオルと、出会いを通じて変化していくあんずの関係性描写が好評。
- 友人たちのやり取りや、不良っぽい人物の描写など、高校生らしい周辺キャラも物語に彩りを添えている。
- キャラクターそれぞれの環境や内面、関係性の変化が過不足なく描かれており、感情移入しやすい。
巻一覧
この巻のあらすじ
時空を超えるトンネルに挑む少年と少女の夏
「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」 「なんでも?」 「なんでも。でもね、ウラシマトンネルはただでは帰してくれなくてーー」 海に面する田舎町・香崎。 夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。 それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。 その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。 最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。 ーー『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。 放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。 転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。 二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。 優しさと切なさに満ちたひと夏の青春を繊細な筆致で描き、第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞のW受賞を果たした話題作。
【編集担当からのおすすめ情報】 第13回小学館ライトノベル大賞で、異例の「ガガガ賞」と「審査員特別賞」W受賞! 審査員・浅井ラボ先生(『されど罪人は竜と踊る』)をして「そうか、才能ってこういうことか」と言わしめた驚異の新人がデビューします。イラストを手掛けるのは、幻想的で美しい情景が人気の若手イラストレーター・くっか氏。 夏の田舎町を舞台に、高校生の男女が時空を超えるトンネルに挑む、切なさに満ちた恋と青春の物語。『君の名は』『時をかける少女』『サマーウォーズ』など、青春SFの名作たちと並び称されるような、いつまでも心に残り続ける小説の誕生です。
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