樹木医の雨宮芙蓉と心療内科医の朝比奈匡助が、植物に寄生される未知の病「ボタニカル病」の患者を診る現代ホラー・ミステリ。芙蓉は、さまざまな植物に寄生された人々の症状だけでなく、その人が抱える苦悩や生活上の事情にも耳を傾けながら診察を進める。植物は害にも救いにも見えるという逆説を背景に、病の原因や広がり方に潜む謎が少しずつ浮かび上がる。樹木医、心療内科、寄生植物病という要素が結びついた構成で、個々の症例を通して作品全体の輪郭が見えていく。患者ごとに異なる植物との結びつきが現れ、医療と心理の両面から病をたどる記録として進む。

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  • AI分析(あらすじ)

    樹木医や心療内科の仕事を軸に、寄生植物病の症例と謎を追う話を読みたい人。

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作品の魅力

  • 植物寄生の奇病という発想が新鮮で、人体と植物の境界が揺らぐ設定に惹かれる。
  • 春夏秋冬の連作構成が効いていて、季節ごとの空気感や章ごとの味わいの違いを楽しめる。
  • ホラー寄りの題材でも、全体は静かで抒情的、切なさや優しさが残る読後感になっている。
  • 植物描写が印象的で、実在植物を調べながら読む楽しさがある。
  • ミステリ要素は強すぎず、違和感の積み重ねが最後にほどける構成が心地よい。

こんな人におすすめ

  • 不穏さよりも、幻想味や余韻のある物語を好む人。
  • ホラー、ミステリ、ファンタジーの境目にある静かな作品を読みたい人。
  • 植物モチーフやボタニカルな世界観に惹かれる人。
  • 連作短編や章ごとの空気の変化を楽しみたい人。
  • しっかり怖い作品より、切なさの残る奇譚を求める人。

人を選ぶポイント

  • 期待するほどの強いホラーや本格ミステリではなく、かなりファンタジー寄り。
  • 事件の派手さより雰囲気重視なので、展開の刺激を求めると物足りない。
  • 章ごとの余韻が強く、テンポは静かでゆっくりめ。
  • 先が読めると感じる読者もいて、謎解きの驚き一本で押すタイプではない。
  • 作品全体に陰や違和感があるため、明るく軽快な読書体験を期待するとずれる。

テンポ・読後感

  • 全体に静かで落ち着いた進行で、派手な山場よりも空気感を積み重ねる作り。
  • 春夏秋冬の章立てが季節の移ろいを感じさせ、しっとりした読後感につながる。
  • 不穏さはあるが、怖さは強すぎず、霧の中を進むような曖昧さが残る。
  • 章ごとにホラー、抒情、切なさの比重が少しずつ変わる。
  • ラストに向けて違和感の輪郭が見えてくる構成で、読後に余韻が残る。

キャラクターへの評価

  • 樹木医の芙蓉は、淡々としていながら陰を抱えた存在として受け止められている。
  • 心療内科医の朝比奈は、読者から親しみや好感を持たれやすい。
  • 各章の患者たちは、奇妙な症状の側にありながら感情面は現実的で、共感しやすい。
  • 老婦人や少年、女子高生など、登場人物ごとの印象が章の空気を強めている。
  • 人物同士の会話にもどこか寂しさがにじみ、優しさと不穏さが同居している。

巻一覧

パラサイトグリーン ある樹木医の記録
2021年7月 ISBN 9784576211121
この巻のあらすじ

【 創刊 二見ホラー×ミステリ文庫 】 毎月20日頃発売

──植物は嘘をつかない

植物は優しい。どこまでも優しい。 植物に囚われる、この病は人々の救いなのかもしれない。

樹木医である雨宮芙蓉は、心療内科医の朝比奈匡助の依頼で、奇妙な仕事をしていた。 それは寄生植物病(通称・ボタニカル病)、つまり植物に寄生されるという未知の病に罹った人々を診察すること。 さまざまな植物に寄生された患者たちを治療するために、患者たちの持つ苦悩に向き合い、耳を傾ける芙蓉。 しかし、この病には大きな謎が潜んでいた──。

2016年の隠れた名作を増補改訂、改題の上、文庫化。

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