東京での生活になじめなかった高校生のひろが、京都・伏見の蓮見神社へ移り住み、祖母や幼なじみの拓己、白蛇の化身シロとともに、水にまつわる相談事やあやかしの気配に向き合う物語です。舞台は神社と造り酒屋が並ぶ伏見で、井戸水や酒造り、祭礼、季節の行事が日常に重なります。中心人物は、神社の手伝いをしながら民俗学を学ぶひろと、酒蔵を継ぐ拓己、そして水神の化身シロ。人と人ならざるものの関わりを軸に、進路、家族、恋愛、土地に残る記憶が少しずつ積み重なっていきます。シリーズは春夏秋冬の京都を巡りながら、相談事の解決と人物関係の変化を重ね、後半では進学や就職、結婚までを扱います。番外編ではシロの過去に関わる物語も描かれます。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 京都伏見の土地感や神社・酒蔵・民俗的な空気が物語に自然に溶けている。
- 水神や白蛇をはじめとするあやかし要素が、派手すぎず静かな神秘として楽しめる。
- 連作短編ごとに事件の輪郭が見え、読み終えると背景がつながる構成が心地よい。
- ひろ、拓己、シロの関係が少しずつ変化し、成長や距離感の変化を追う楽しみがある。
- 文章がやわらかく、全体に優しい雰囲気で読みやすい。
こんな人におすすめ
- 京都や伏見の風景、神社、酒蔵などの地域色が好きな人。
- あやかし・神様・民俗学寄りの静かなファンタジーを求める人。
- 事件解決よりも人物関係の積み重ねや心情の変化を楽しみたい人。
- じれったい幼なじみ関係や、ゆっくり進む恋模様が好みの人。
- 連作短編で少しずつ世界観を広げていくシリーズを追いたい人。
人を選ぶポイント
- 展開は全体にゆるやかで、すぐに大きな山場が来るタイプではない。
- ひろの遠慮がちな性格や、恋愛面のもどかしさが長く続く。
- 物語の中心は派手な事件より、事情の積み重ねや心の変化にある。
- シロやひろの内面描写が多く、軽快なテンポだけを期待すると合わない。
- シリーズを通して読むほど関係性の変化が見えるため、単巻だと印象が薄い場合がある。
テンポ・読後感
- 事件先行で始まり、背景や事情が後から見えてくる静かな進み方。
- のんびりした空気の中に、少しミステリアスな余韻が残る。
- 優しい雰囲気だが、切なさや不穏さがほどよく混ざる。
- 連作短編ごとに区切りがあり、読み口は軽めで追いやすい。
- 季節感や京都の景色が印象をやわらかく支えている。
キャラクターへの評価
- ひろはおっとりして不器用だが、少しずつ自分の意思で動けるようになっていく。
- 拓己はひろをよく気にかける一方、優しさが強く出ていて距離感がじれったい。
- シロは守る存在でありながら、孤独や過去の重みも感じさせる。
- 三人の関係は、恋愛・家族的な情・保護の感情が重なって見える。
- 周囲の人物も含めて、誰かを思いやる気持ちが物語の軸になっている。
巻一覧
この巻のあらすじ
東京でのめまぐるしすぎる生活に馴染めなかった高校生のひろは、祖母の暮らす京都・伏見の蓮見神社に引っ越すこととなった。 幼なじみで造り酒屋の息子・拓己とその家族に世話を焼かれながらの新しい暮らしは、ひろの心を優しく温かくほぐしていく。 昔、伏見で友達になった「しろ」とも嬉しい再会を果たしたひろは、拓己の家で、酒造りの要である井戸水に異変が起こっていることを知る。 井戸から水が溢れるなか、ひろの耳には、他の誰にも聞こえない不思議な声が届いていて…!?
京都伏見の小さな神社と造り酒屋を舞台にした、ほっこりじんわり、あやかし物語!
この巻のあらすじ
京都伏見に春がやってきた。 東京から伏見の蓮見神社に住む祖母の家に引っ越してきて半年近く。 女子高生のひろは綻びはじめた花の匂いに包まれ幸せな気持ちで春を迎えていた。 しかしある日、祖母を手伝って出した古いお雛さまから不思議な声が聞こえてきて。 はす向かいにある造り酒屋『清花蔵』の跡取りで幼なじみの大学生・拓己と、ひろが幼い時に友達となった白蛇の化身・しろとともに、声の謎に迫ることになるのだが・・・?
『観月橋と雛人形』のほか、 高校時代の剣道のライバルに拓己が対峙する『心真館の約束』、 決して咲かないしだれ桜の謎に迫る『この世の春』の全3本を収録。 過保護気味な幼なじみと蛇の化身から自立したくて、ひろも奮闘するものの・・・?
ほっこりじんわり、優しさに満ちた京都のあやかし春物語。
この巻のあらすじ
京都を彩る花鳥猫。水にまつわるあやかし事鎮め、じんわり優しい3つの物語。
過保護な幼馴染みの拓己と水神さまのシロに世話を焼かれながらの京都・伏見暮らしも早や半年。 高校二年生になったひろは進路希望届を前に悩んでいた。 京都に残るか、東京に戻るか、進学するのか、 そして将来何をしたいのか……決められずにいた。 そんなある日、親友で陸上部に所属する陶子の様子がいつもと違うことにひろは気づく。 そこに不思議な少年の声が聞こえてきてーー!? (「飛燕の絆」)
造り酒屋の清花蔵の跡取りである拓己が、蔵の庭造りをすることになった。 ひろは拓己の剣友が住む寺へ行き、拓己と一緒に紫陽花を選んだのだが…?(「六月の猫」)。
7月に入り、友人たちと祇園祭りに行く約束をしたひろに、去年クラスメイトだった大野達樹が「話がある」と言ってきて…?(「瑠璃色の夜明け」)
緑眩しい初夏から夏の京都を彩る、花鳥猫。水にまつわるあやかし事鎮め、 じんわり優しい3つの物語。
この巻のあらすじ
幼馴染みで造り酒屋『清花蔵』の跡取り拓己と水神の化身シロに世話を焼かれながらも、しっかりしなくちゃと奮起中の女子高生のひろ。 蓮見神社の宮司を務める祖母はな江の仕事である水にまつわる相談事の手伝いも、少しずつだができるようになってきている。 大きな台風が通過した後の秋のある日、地蔵盆の手伝いをしていたひろは、寂しげな少女・奈々のことが気になってならなかったのだが奈々の心はなかなか開かれず…。【一 野分けの後】 高校の文化祭で和風カフェをやることになったひろ。老舗の和菓子屋さんの跡取りの先輩に干菓子作りをお願いすることになったのだが…【二 月見うさぎの探しもの】 十月に入り『清花蔵』にも杜氏と蔵人たちが戻ってきて酒造りが始まっていた。しかしある日、寺や神社に奉納する予定だった搾りたての新酒を何者かが奪っていく騒ぎがあり…それは人ならざるものの仕業とふんだひろと拓己。そんな折、ひろの祖母で蓮見神社の宮司であるはな江が怪我をして…【三 桃源郷の終わり】 貴船の山々が紅葉の錦で輝き、薄野に満月が輝く夜。美しい季節の訪れは、ひろの心にも変化をもたらして…?
京都伏見を舞台に繰り広げられる、水にまつわる事鎮め、ほっこりじんわり第4弾。
この巻のあらすじ
【ずっといっしょにいたい。ただそれだけなのに・・! 京都伏見の神社と酒蔵を舞台にしたあやかし事件簿第5弾・・・!】 年が新しくなり受験生となるひろは、東京に帰るか京都に残るか悩んでいた。 京都の大学に進学して、祖母の神社の仕事を手伝いたい。 そう思い始めていたが、母は猛反対している。 そして拓己も大学卒業後の進路に悩んでいた。 「清花蔵」を継いで酒造りをするつもりの拓己に、兄・瑞人はとある有名企業の資料を渡してきて。 そんな折、拓己が高校時代所属していた剣道部でマネージャーだったスレンダー美女・昴が拓己を訪ねてくる。 昴は、拓己の彼女だったというのだが・・・? それぞれの進路で悩むひろと拓己の前あやかし事件はひきもきらず・・・桜は散って青葉の眩しい初夏へ。 季節のページがめくられるごとに、2人の想いはいよいよ高まって・・・!
この巻のあらすじ
京都伏見のほっこりじんわり、あやかし物語、涙のクライマックスへ・・・! 届かぬ気持ちを抱いたまま、旅立ちの季節を迎えたひろは・・・!? 拓己は大学卒業後、実家の酒蔵を継がずに、就職のため東京に行くということが決まってしまった。 そしてひろは祖母の神社を継ぐという自分の夢に近づくべく、京都の大学に進学することを決める。 秋深まる花傘祭りの季節、京都にやってきた母に進路の相談をするが、母・誠子はひろの希望を否定して。 母と正面から対峙することになったひろだったが、実は母には辛い過去があったことを知り…!? ずっと一緒だった水の神様の化身、シロとの関係性にも変化の時が訪れ、桜舞う春には大好きな拓己との別れが迫る…! 互いに惹かれあうひろと拓己が選んだ未来とは…!?
この巻のあらすじ
じれったい恋人たちの、京都あやかし事鎮め!
告白から四年越し…! ようやく付き合うようになった、ひろと拓己。 拓己は東京から京都伏見に帰ってきて実家の酒蔵・清花蔵を継ぐための修業に勤しんでおり、ひろは大学院で民俗学の勉強をしつつ祖母の蓮見神社の相談事の手伝いをするようになっていた。 もちろん、白蛇の水神さまシロも、ひろの傍でひかえている。 名目上、彼氏彼女となった拓己とひろだが、相変わらず幼なじみの関係性から一歩抜け出せずにおり、ひろは大学の後輩でしっかり者の葵に相談する。 そんな折り、拓己の知り合いでレストランを経営する赤沢から、自身の邸の庭で奇妙なことが起こると相談があり……!? 桃山から宇治、伏見稲荷大社へ。 紅葉織りなす秋から、粉雪舞い散る冬へ……! 美しい京の季節が巡るなか、じれったい恋人たちがあやかしたちの謎に迫る……!
この巻のあらすじ
祖母の神社に寄せられる、水にまつわる相談事の解決を手伝いをしながら、大学院生として民俗学の研究をしているひろ。 ある日、ひろが偶然持ち帰った一幅の掛け軸を広げると、そこには美しい藤の花と、燃えるような赤い毛並みを持つ山犬の絵が描かれていた。 掛け軸を目にした白蛇の化身シロは、遠い昔の記憶を思い出し、ひろに語り始める。 それは、シロがかつて京都南にあった「巨椋池」の龍神で「指月」と呼ばれ、畏れられていたころのこと。 東山に棲み、炎を喰らったという山犬「夕暮丸」と、美しい藤の化身「雨藤」との交流の物語・・・・・・。 平安時代、江戸時代中期、幕末、現代と時をこえて、水神シロがどのように生き、どのように彼らの「心」を愛していたか。 美しくも切ないシロの記憶が明かされる、人気シリーズ番外編。
この巻のあらすじ
守られてばかりじゃない。 私が拓己くんを守りたい・・・! 大人になったひろと拓己の恋と仕事の行方は・・・!?
デートの約束をしていたひろと拓己。しかし拓己が体調を崩してしまう。その原因が、拓己が小学生の蓮という少年と訪ねた桃山の幽霊屋敷にあると知って水神の化身シロとともに屋敷を訪れたひろの前に、ヒスイと名乗る謎の美青年が現れる。その屋敷は多くの作品に命を吹き込んで三十年前に亡くなった彫刻家、吉楽雀の屋敷だった。蓮が屋敷の庭にあった彫刻を壊したことが原因で、拓己と蓮は体調を崩したらしいのだが・・・!? 水の加護篤いひろが、いつも自分を守ってくれている拓己のために謎の解明に立ち向かう・・・!? 京都あやかし事鎮め、大人編でさらなる一歩へ!!
この巻のあらすじ
「一緒にいよう、ひろーーこの先ずっと一生、おれのでいて」 と拓己がひろに言い、ふたりが永遠を誓い合ったのは春の夜のこと。 そしてどうやら、自分たちが故郷に帰るのを待って、夏にひろにプロポーズするらしいと知った「清花蔵」の蔵人たちは、そんな拓己の企みをこっそりひろに耳打ちして……!? 高校1年生の時に、東京から京都伏見に来てから早や8年ーー。 長い時間かけて、ゆっくり気持ちを確かめ合ったふたりが遂に結婚! 家族や友人たちや水神シロをはじめとする、ふたりにとって大事なたくさんの人たち(と、人ならざるものたち)が一同に会してふたりを祝福するーー! じんわり、ほっこり、京都あやかし事鎮め物語、感動のフィナーレ!
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