東京で夢破れた遥香が京都駅で不思議な声に導かれ、西陣の老舗料亭『月乃井』へたどり着く物語です。星形の痣を持つ板前・由弦と出会い、先代の遺言をきっかけに、遥香はあやかしが見える力を得て料亭を継ぐことになります。舞台は京都の料亭とその周辺で、真夜中に訪れるあやかしたちへまかない御飯を出しながら、人ならざる存在と向き合う日々が軸です。料理を通じてあやかしの事情や人とのつながりが描かれ、和風伝奇と日常の要素が重なる構成です。単巻としてまとまっており、料亭の仕事、あやかしとの交流、京都の土地柄が一つの物語に組み込まれています。あやかしの胃袋と心に向き合う料亭の営みが中心です。あやかしの見える力を得た女性と板前が、真夜中の店を切り盛りします。

構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

あやかしが見えるようになった主人公と料亭の店主が、さまざまなあやかしに料理を振舞っていく話。最初は夢が破れた主人公が、実家を目指していたが、過去を思い出して京都へ向かうというアクティブな動きを見せる。かつて一緒に遊んでいた少年も、大人になっており、今度は一緒にあやかしのための料亭をすることになっていくのは、面白い話だと感じられた。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

どのキャラクターに関してもしっかりと人間性が設定されていると感じられた。過去の出来事や、出会いなども丁寧に描かれており、背景も分かりやすく、しっかりとしている。登場人物はあまり多くない印象だが、登場人物を中心とした話がしっかりと盛り込まれているので、読んでいて面白味が強い。

設定・世界観 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

主人公はどこにでもいる女性という雰囲気だが、ところどころに、京都の地名や京都弁を使うキャラクターの登場があり、京都らしさは周囲から作られている印象の世界観であった。

話題性 C (1) レビュー

理由・補足

編集部

特になし

初心者向け S (4) レビュー

理由・補足

編集部

主人公視点で物語が進んでいき、分からないこと、驚きなど感情面がとても分かりやすい作品である。初心者でも読みやすい造りだと感じた。

読後感の良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

料亭の日常で最後は締めくくられており、あやかしとの関係も落ち着いて、これからも主人公が料亭で過ごしていく姿を想像しながらの終わりとなる。穏やかで落ち着いた終わりで、心温まる雰囲気の読後感。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

テンポの良さはまずまずと感じる部分もあった。登場するキャラクターに合わせて料理も選定されており、たくさんのグルメ的な料理が登場する感じではない。1つ1つをじっくりと読み進めていくような感じなので、読みやすくはあるが、スローテンポな確実さを感じた。

読みやすさ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

丁寧に描かれていること、主人公の視点がわかりやすいことなどで、読みやすく感じる。また話がたくさんの章に分かれて、たくさん登場人物がいるという雰囲気ではなく、ゆっくりじっくりと登場人物に合わせた料理と物語の展開を楽しむことができる。じっくりと読める作品としての読みやすさがあった。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

あやかしがやってくる裏の料亭を手伝うことになった主人公と、その料亭を営む店主の穏やかな物語。

編集部

東京で夢が破れた主人公は、実家の大阪へ帰るために移動していたが、京都に来てしまう。そこでは不思議な集まりに呼ばれ、そして昔遊んでいた少年の成長した姿で再会する。料亭をしている彼と再会し「裏の料亭」を手伝うことになった主人公は、美味しい料理とそれを求めてやってくるあやかしたちと出会うことになる。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

・あやかしが好きな人 ・京都が好きな人 ・料亭などが登場する作品が好きな人 ・若い女性と知り合いの男性が協力していく作品が好きな人

  • AI分析(あらすじ)

    - 京都を舞台にした物語が気になる人 - あやかしと人の交流を描く話を読みたい人 - 料理店やまかないを軸にした作品を探している人 - 和風の日常伝奇に関心がある人

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編集部

浅海ユウ(あさみ・ゆう) 山口県出身、大阪府在住。 2012年「デビルズナイト」で「オトナ女子が本当に読みたい小説大賞」最優秀賞を受賞し、デビュー。 ≪代表作≫ ・ラストレター ・空ガール!

イラストレーター情報

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編集部

庭 春樹(にわ・はるき) 漫画家、イラストレーター。 漫画、装画、ゲーム内イラスト、衣装デザインなど多種多様に手掛ける。

編集部

2012年「デビルズナイト」で「オトナ女子が本当に読みたい小説大賞」最優秀賞を受賞

編集部

設定が細かい部分があり、一瞬読む作業に時間がかかるかと感じたが、そうでもなく面白く読み進めることができた一冊である。夢が破れた女子という存在が、この先をどう生きていくのか。若さやアクティブな面を持ち合わせた主人公のよさを、とても活かしてある作品だと感じる。またキャラクターや料理の登場は、数として少ないが、とても丁寧に話が作られている。主人公のさらなる成長、青年との恋など、穏やかな終わりの中にも、これからのことを考えられるような雰囲気があって、楽しめる作品だった。

作品Q&A

文体はどんな感じ? ストーリー
ベストアンサー
丁寧に描かれているが、京都のキャラクターは京都弁で描かれており、若干わかりにくいと感じる場合もあるかもしれない。

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世界観の作り込みは? 世界観
ベストアンサー
京都の良さ、あやかしの登場など、日本らしい雰囲気が詰まっており、好まれる傾向だと感じた。しっかりとした世界観が作られているので、料理やキャラクター自体の数が多くなくても、楽しめる雰囲気が作られている。

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評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
京都という土地の雰囲気や、そこにあやかしが盛り込まれていることで、日本の雰囲気も出ていてよい作品であった。夢が破れたとしても、人生は終わりではないし、その先でも続いていく人とのつながりがあることを見せてもらえた、と感じている。あやかしという存在と人間の主人公が、関わりながらも成長していく姿は、普通の人生を歩む人たちと大きく変わることはない。 【おすすめキャラクター】 由弦(ゆづる) 祖父から料亭を受け継ぎ、あやかし用のレシピであやかし料亭用の料理を作る青年。主人公とは昔からの知り合いで、仲が良く、京都弁を話す青年。

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この作品の特徴は? ストーリー
ベストアンサー
東京で夢破れた主人公は、実家の大阪へ帰る前に、京都へ行ってしまう。その後、京都の知り合いの元で働くことになるがそれは「あやかし料亭」であった。そこではさまざまなあやかしが、美味しい料理を求めてやってくる。主人公は、料亭の板前である青年と協力しながら、あやかしも自分たちにも美味しい料理を堪能し、あやかしとの関係、人と人のつながりを知っていく。

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どんなテーマ・ジャンル? ストーリー
ベストアンサー
人情ものとして、あやかしとの関係やそのあやかしたちの思いにも触れ、成長していく主人公の姿が見られる。都会で夢が破れたこと、若くして飛び出すように都会へ出ていったこと、苦労したことなど、主人公自体の人生がリアルなので、そこに共感することも多くある。また子どもの頃からの知り合いである青年との再会、青年の祖父が作っていた料理の思い出など、料理と人がつなぐものが感じられる作品。青年に対する淡い恋心も感じられるような、女性の生活のさまざまな場面にあやかしが盛り込まれている印象であった。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 昼は老舗料亭、夜はあやかし向けの裏店という「表と裏」の二面性が面白い。
  • 京都の街並みや観光地の描写が舞台として機能しており、あやかしが自然に溶け込む雰囲気が好評。
  • 各話のあやかしキャラに親しみやすさや可愛らしさを感じ、ほんわか・ほっこりと読める。
  • 料理や「まかない」という肩肘張らない食の描写が美味しそうで、料亭らしさと気軽さのバランスが良い。
  • 妖・京都・ご飯の要素がまとまっていて、さらっと読める軽さも魅力だとする声が多い。

こんな人におすすめ

  • 京都や和の雰囲気が好きで、あやかしものをゆるく楽しみたい読者。
  • 料亭・飲食店を舞台にした作品や、食べ物の描写が心地よい読み物が好きな人。
  • 幼馴染み同士が協力していく関係性や、恋愛より人情・日常を味わいたい読者。
  • シリアスさはあるが大きく暗くならない、ほっこり系の短編をまとめて読みたい人。
  • 気軽な一冊として時間つぶしに読める作品を探している読者。

人を選ぶポイント

  • 流行要素を詰め込んだ印象があり、プロとしての真摯さや独自性に物足りなさを感じる。
  • 主人公の行動や考え方が幼く、好きになれない・共感しづらいと感じる読者もいる。
  • タイトルや設定に対して、まかない飯やあやかし・料理の掘り下げが中途半端だと感じる声が多い。
  • 京都描写が観光案内的・表面的で、地の文への配慮が足りないと厳しく感じるレビューもある。
  • 誤字脱字が目立つ、伏線や設定説明が不十分で続編への期待とともに物足りなさが残る。

テンポ・読後感

  • 全体的に軽く読み進めやすく、安定した面白さのあるほっこり系だ。
  • 各話は悲しみを含みつつも温かい着地を志向する、ちょっとシリアスな人情もののトーンだと感じる読者がいる。
  • 恋愛要素は薄めで、日常とあやかしとの出会いを味わう読み心地だ。
  • 3編構成の短編集としてまとまりはある一方、深掘り不足で「面白いけど物足りない」と感じる声もある。
  • ハートウォーミングで癒やされる一方、時間つぶし向きの一冊という位置づけで捉える読者もいる。

キャラクターへの評価

  • 板前・由弦(弓弦)は京都弁や穏やかな人柄が好印象で、「いい味が出ている」と評価する声がある。
  • 幼馴染み同士ゆえの気心の知れた関係は魅力だが、知りすぎている痛痒さもあるという見方がある。
  • 主人公・遥香はキャラが薄い・幼いと感じる声があり、物語の中心より脇役的に感じる読者もいる。
  • あやかし側のキャラの方が印象に残りやすく、可愛らしく親しみやすいと好評。
  • 狐や猫又など定番の化け物が物語の核として機能している。

巻一覧

京都あやかし料亭のまかない御飯
2018年4月 ISBN 9784813704478
この巻のあらすじ

東京で夢破れた遥香は故郷に帰る途中、不思議な声に呼ばれ京都駅に降り立つ。手には見覚えのない星形の痣が…。何かに導かれるかのように西陣にある老舗料亭『月乃井』に着いた遥香は、同じ痣を持つ板前・由弦と出会う。丑三時になれば痣の意味がわかると言われ、真夜中の料亭を訪ねると、そこにはお腹をすかせたあやかしたちが!? 料亭の先代の遺言で、なぜかあやかしが見える力を授かった遥香は由弦と“あやかし料亭”を継ぐことになり…。あやかしの胃袋と心を掴む、まかない御飯全3食入り。癒しの味をご堪能あれ!

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