『よろず建物因縁帳』は、現代日本を舞台に、建物や土地に残る因縁を扱う連作怪異譚である。高沢春菜は広告代理店の仕事で旧家や博物館、工事現場に関わるたび、説明のつかない不審死や異変に遭遇する。そこへ現れるのが、因縁物件を曳いて処理する仙龍だ。蔵、滝、豪商の屋敷、山のトンネル、洋館、寺院など、毎回異なる場所の履歴や禁忌が手がかりになり、怪異の正体が少しずつ浮かび上がる。各巻は独立した事件を追いながら、春菜と仙龍の距離や、仙龍の身にかかる問題も継続して描いていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 建物にまつわる因縁を、曳き家や儀式を通して解きほぐす設定が独特。
- 怪異の背景にある執着や怨念が濃く、怖さと切なさが同時に立つ。
- 春菜、仙龍、コーイチ、和尚、小林教授のチーム感が強く、掛け合いが楽しい。
- 建築、民俗、歴史の要素が混ざり、オカルトだけでなく知的な読み味もある。
- 曳家の場面や儀式の描写が臨場感たっぷりで、映像が浮かぶように読める。
こんな人におすすめ
- 怪談やホラーが好きで、ただ怖いだけでなく背景の事情も味わいたい人。
- 建築や古い建物、土地の因縁に興味がある人。
- チームで動くシリーズものを、キャラの掛け合い込みで楽しみたい人。
- 民俗学っぽい空気や、因習・伝承のある物語が好みの人。
- 怖さの中に人の想い、切なさ、救いを求める人。
人を選ぶポイント
- 人の怨み、執着、残酷さが強く出る巻が多く、胸が重くなる。
- 髪、死霊、呪い、拷問めいた描写など、視覚的に不気味な場面がある。
- 歴史や民俗の説明が多い巻は、物語の勢いより知識パートが前に出る。
- シリーズが進むほど関係性の進展はゆっくりで、もどかしさが残る。
- 巻によって怖さの質が違い、初期の怪異寄りを期待すると印象が変わる。
テンポ・読後感
- 序盤から不穏な空気が濃く、じわじわ怖さを積み上げる展開。
- 終盤の曳き家や対決は一気に緊張感が高まり、息をのむ流れ。
- 怖さの合間にコーイチや和尚の軽さが入り、重さを和らげる。
- 全体として、ホラーの冷たさと人情の温かさが交互に来る。
- 最終盤は切なさや余韻が強く、読後感はしんみり残る。
キャラクターへの評価
- 春菜は強気でまっすぐ、仕事への責任感が強く、巻を追うごとに頼もしさが増す。
- 仙龍は職人としての格好よさがありつつ、関係面では不器用で焦れったい。
- コーイチは明るさと気配りが光り、場を和ませる存在として好感度が高い。
- 和尚と小林教授は、怖さの中で安心感や知的な支えを与える役回り。
- パグ男は憎まれ役として強烈だが、印象に残るキャラとして語られやすい。
巻一覧
この巻のあらすじ
盆に隠れ鬼をしてはいけないーー。それが山深い寒村に佇む旧家・蒼具家の掟。広告代理店勤務の高沢春菜は移築工事の下見ため訪れた屋敷の蔵で、人間の血液で「鬼」という文字が大書された土戸を発見する。調査の過程で明らかになるのは、一族で頻発する不審死。春菜を襲いはじめた災厄を祓うため、春奈は「因縁切り」を専門とする曳き家・仙龍に「鬼の蔵」の調査を依頼する。
『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、哀しい怪異譚ーー。
山深い寒村の旧家・蒼具家では、「盆に隠れ鬼をしてはいけない」と言い伝えられている。 広告代理店勤務の高沢春菜は、移築工事の下見に訪れた蒼具家の蔵で、人間の血液で「鬼」と大書された土戸を見つける。 調査の過程で明らかになる、一族に頻発する不審死。 春菜にも災厄が迫る中、因縁物件専門の曳き家を生業とする仙龍が、「鬼の蔵」の哀しい祟り神の正体をあきらかにする。 プロローグ 其の一 国の重要文化財 蒼具家土戸 其の二 因縁切り物件専門業者 其の三 陰の曳き屋師 隠温羅流 其の四 ハラミノ火と夜参り講 其の五 オクラサマ エピローグ
この巻のあらすじ
その滝に近づいたら死ぬーー。クライマーが山深い滝で事故死した。その死体は顔面を抉り取られて、凄惨な肉塊と化していた。広告代理店勤務の高沢春菜は、付近の登山道の整備中、事故現場に遭遇。地図にない滝に関する奇妙な怪談を耳にする。
地図にない滝から流れてくるのは、人間の顔ーー。
『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、泣ける怪異譚第二集。
その滝に近づいたら死ぬーー。クライマーが山深い滝で事故死した。その死体は顔面を抉り取られて、凄惨な肉塊と化していた。広告代理店勤務の高沢春菜は、付近の登山道の整備中、事故現場に遭遇。地図にない滝に関する奇妙な怪談を耳にする。 プロローグ 其の一 姨捨山登山道整備事業 其の二 首洗い滝因縁譚 其の三 大宝寺三重塔普請のこと 其の四 眞白滝洞観音霊験記 其の五 白絹一反・紅一匁 エピローグ
この巻のあらすじ
職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるがーー!?
因縁物件専門の払い師・仙龍 VS. 永遠に祓えない『死の花嫁』
恋敵は怨霊!? 恐怖と恋の怪異譚。
職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるがーー!? プロローグ 其の一 藤沢本家博物館改修工事 其の二 仙龍の恋人 其の三 忍び門ノ怪 其の四 憑き物筋と狐憑き 其の五 ふたり小町 其の六 浄霊に能わず 其の七 見立て祝言 エピローグ
この巻のあらすじ
死体は全身噛み痕だらけだった。嘉見帰来山にトンネルを通す工事のさなか、事務員二人が不吉な黒犬を目撃し、相次いで不審死を遂げる。憑き物体質のOL・高沢春菜は、事件を調査中、霊峰に伝わる廃村の焼失事件と犬神の祟りについて耳にする。やがて春菜の前にも現れた黒犬。命の危機に瀕した春菜を救うための曳き屋・仙龍の秘策ーーそれは因縁の『山』を曳くことで……!?
建物に憑く哀しき霊を鎮魂する男・仙龍 VS. トンネルに巣食う『黒の犬神』
犬神の呪いから春菜の命を守れ!
死体は全身噛み痕だらけだった。嘉見帰来山にトンネルを通す工事のさなか、事務員二人が不吉な黒犬を目撃し、相次いで不審死を遂げる。憑き物体質のOL・高沢春菜は、事件を調査中、霊峰に伝わる廃村の焼失事件と犬神の祟りについて耳にする。やがて春菜の前にも現れた黒犬。命の危機に瀕した春菜を救うための曳き屋・仙龍の秘策ーーそれは因縁の『山』を曳くことで……!?
この巻のあらすじ
土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す黒き鎖だったーー!ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
魂呼び桜には恋と呪いが宿る。 祓い師・仙龍の死期が迫るなか、彼を想う春菜が下した決断とはーー。
☆☆☆
土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。 漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。 曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す黒き鎖だったーー! ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
この巻のあらすじ
設計士・長坂の新事務所は「最悪の館」だった。曳き家師・仙龍が立ち向かうは、悪魔ーー?
よろず建物因縁帳初の洋館は……シリーズ最恐だ。
この巻のあらすじ
ーー首を切られた女が、私を地獄に誘っているーー シリーズ10万部突破! 「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」の著者による、恋と怪奇の新境地!
☆☆☆
死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。 持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。 調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。 なぜ怪異は起きたのか。
死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、 地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目するーー。
歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。 因縁帳、転ず。
この巻のあらすじ
恨みに変ぜし雪女の恋心が怨神を呼び覚ます。
祓い師・仙龍と想いの通じた春菜は、霊場・出雲へと向かう。 建物にまつわる怪異譚10万部突破!
☆☆☆
葬儀に訪いし白装束の女は、にたりと笑って掻き消えたそうだ。
春菜が勤めるアーキテクツに異変。 連日見つかる絡まった黒髪や不気味な人影の怪は、連続不審死事件に発展する。 色男だが高慢なエリート・手島を守るため、仙龍は奇怪な”匣”を用意する。
一方、刻々と迫る仙龍の死を止めたい春菜は隠温羅流の深淵に迫る。 手がかり潜む出雲で異形の瘴気を背負った女と出会うがーー。
この巻のあらすじ
屋根の下では油断するな 一度離れれば、空洞夥しき遺骸と再会することに……
春菜と仙龍がたどり着いた 隠温羅流の始まりはーー悲しき愛のかたちをしていた 15万部突破! 大人気ホラーミステリ
☆☆☆
かの屋根下へ踏み入った者は、声も発さず事切れたそうだ。
設計士・長坂から緊急要請。 出入り不能の屋根裏に祀られた神が、市の職員を惨殺した疑惑が浮上する。 地域を護る善神はなぜ変貌を遂げたのか。 吉備津にて隠温羅流の祖にたどり着いた春菜と仙龍は、 ついに神代へとつながる悲しい因果の糸を掴み取る。
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのかーー因縁帳、終章開幕!
この巻のあらすじ
大人気ホラーミステリ、完結!
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのかーー因縁帳、堂々終幕!
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