グローワース島を舞台に、吸血鬼ゲルハルト・フォン・バルシュタインが島で起こる事件や騒動を語る連作シリーズ。人間、吸血鬼、人狼、半人半鬼、吸血鬼探偵、TVクルーなどが登場し、島の祭り、復讐、失踪事件、猟奇的殺人といった出来事が、夜の島を軸に描かれる。物語は、吸血鬼と人間の関わりや、過去と現在のつながりを手がかりに進み、各巻で異なる事件や人物関係が扱われる。全5巻で、同じ島と人物群を共有しながら、事件ごとに視点や題材を変えて展開する。続編・外伝・短編の区分は示されていない。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 吸血鬼、人狼、食鬼人が入り乱れる島を舞台に、復讐と恋愛と策謀が同時進行する混沌が楽しい。
- 成田作品らしい会話の軽妙さと、シリアスな因縁や過去話が同居していて読み味に幅がある。
- 個性の強いキャラクターが多く、幹部や組織側まで含めて群像劇としての見どころが大きい。
- 血や棺や祭りの場面など、シュールさと派手さが同時に立つ演出が印象に残る。
- 章ごとの引きや巻末要素が強く、次巻への期待を自然に高める構成になっている。
こんな人におすすめ
- キャラ同士の掛け合いと群像劇を楽しみたい人。
- 吸血鬼ものでも、ホラー寄りよりコメディとシリアスの振れ幅を求める人。
- 成田良悟作品のテンポや多人数展開が好きな人。
- 恋愛の行方や関係性の変化を追うのが好きな人。
- 伏線や未回収の謎を含めて続刊を待つ読書が苦にならない人。
人を選ぶポイント
- 登場人物と勢力が多く、巻をまたぐと関係整理に少し手間がかかる。
- 物語の途中で区切る巻があり、気になる場面で終わることが多い。
- 伏線や謎が増える一方で、すぐに答えが出ない展開が続く。
- シリアスな復讐劇の比重があり、軽いノリだけを期待すると温度差がある。
- 一部の強さや立ち位置は説明より勢いで進む印象がある。
テンポ・読後感
- 章ごとに場面転換が多く、駆け抜けるように読める。
- 会話は軽快だが、背景には重い因縁や過去が流れている。
- 祭りの高揚感と不穏さが同時に立ち上がる。
- シュールな描写や大げさなやりとりが多く、勢いで押し切る快感がある。
- 上下巻構成では特に、盛り上がりの途中で次へつなぐ引きが強い。
キャラクターへの評価
- ミヒャエルは天然で突き抜けた行動力があり、場をかき回す存在として強く印象に残る。
- フェレットは生真面目で不器用な面が目立ち、ミヒャエルとの組み合わせで魅力が増している。
- 子爵は紳士的で掴みどころがなく、場面を締める存在として好意的に受け止められている。
- レリックやヴァル、セリム、博士と教授など、関係性の組み合わせごとに見どころがある。
- 組織側の幹部たちは癖が強く、善悪よりもキャラの濃さで記憶に残る。
巻一覧
この巻のあらすじ
【親愛なる日本の紳士淑女諸君! 月並な問い事で申し訳ないが――諸君は吸血鬼の存在を信じるかね?】 【――失敬、名乗るのが遅れたようだ。我が名はゲルハルト・フォン・バルシュタイン! このグローワース島を預かる、子爵の称号を賜りし吸血鬼! 自己紹介代わりに、我が島で起こった一つの騒動について話をしようではないか! ……まあ語らせてくれたまえ。暇なのだ】 【君が私の話を信じるも信じぬも、私が人にあらざる存在という事は一目瞭然であろう? 何しろ私の身体は――】
この巻のあらすじ
【久方ぶりだね! 親愛なる日本の紳士淑女諸君! 相も変わらず読書に精を出しているかね? 真にその書が好きならば、回読よりも購読をお勧めする!】 【失敬。生臭い話はやめ、今回は諸君に島の祭りを紹介するとしよう!】 【我が島が誇る芸術家、カルナルド・シュトラスブルクを讃えるカーニバルだ! 恋人達の誓いから家族の団欒、過去の精算に未来への希望など――様々な想いと共に、様々な客人が島を訪れる! 喜ぶべき来訪者から、望まれざる者までね。だから諸君も、この祭りを十二分に楽しんでくれたまえ!】 【遙か西の水面に日が沈むまでは、君達人間の時間なのだから……】
この巻のあらすじ
【2ヶ月ぶりだね、日本の紳士淑女諸君! 今日は少々血生臭い話をするとしよう】 【復讐――そう、復讐の話だ。活劇から悲劇に至るまで、様々な物語に取り入れられる王道とも言うべき要素だよ】 【復讐は常に新たな復讐の芽を生む。様々な物語でよくそう言われるものだが……仮に、相手の親類縁者全て、さらにはそのまた縁者をも復讐の対象とし、全てを滅ぼし尽くす覚悟だとしたら? おそらく復讐の連鎖は止まるだろうが、その者に安らぎが訪れる事は無いだろう】 【そんな覚悟をしてしまった者は、この世界と――己自身にこそ復讐をしたいのだろうからね】
この巻のあらすじ
【3年ぶりだね、日本の紳士淑女諸君! お待たせしてしまったねえ。ふむ、諸君との友愛関係を祈り、今宵は吸血鬼と人間の関わりについて話すとしよう】 【ドイツ南部にて発生した、村人達の集団失踪事件。我々の『組織』はその事件について会議を開く事になったのだが――時を同じくして、ミヒャエル君がある決意を胸にグローワース島を飛び出したようだ。当然ながら、そんな彼を追って我が娘のフェレットも島を飛び出し……そのまま若い男女の甘酸っぱい追走劇になれば良かったのだがね】 【人間と吸血鬼の男女。この組み合わせが生むのは果たして悲劇かロマンスか……過去と現在の物語の中で、君達がそれぞれの思いを抱いてくれれば幸いだ】
この巻のあらすじ
【暫くぶりだね、日本の紳士淑女諸君! 再び出会えて歓喜の極みだ。この再会を全ての夜に感謝しようではないか】 【だが、夜の一人歩きは危ないから気を付けたまえ。今回の話は、グローワース島で起こった猟奇的な殺人事件の話だ】 【心を読む吸血鬼、無口な人狼の少女、吸血鬼探偵、とある『血族』の男女、そして、事件を追うTVクルー。カメラに映し出される島の夜、その闇に潜むのは、我が息子ことレリックと、夜を受け入れた人間の少女、ヒルダ。そして、偉大なる小物ことヴォッド市長だ】 【吸血鬼と人間、そして半人半鬼は、猟奇的な夜に何を思うのか――この続きは、是非君の目で確かめてくれたまえ】
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