霧沢景介を中心に、失踪した姉の行方と、親友を失った灰原吉乃の傷を手がかりに物語が進む現代伝奇ファンタジー。白州高校の周辺の街には、人間ではない「鈴鹿の一族」が潜み、頭首の娘・枯葉をはじめ、型羽、檻江、秋津依紗子らが、景介への警戒、思慕、敵意を抱えたまま関わっていく。景介は宝刀「つうれん」をめぐる対立、分家と繁栄派の思惑、一族に伝わる病や記憶の靄、襲撃事件に向き合いながら、姉の失踪と一族の秘密をたどる。学校、病院、迷い家、国外から戻る人物など、舞台が少しずつ広がり、血筋と愛情、喪失と選択が結びつく構成。物語は景介の個人的な追跡から、家の継承、頭首の証、禁じられた感情へと広がっていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 異能・血族・因習を絡めた和テイストの現代伝奇バトルファンタジー。
- 愛と裏切り、人間と非人を対比させる重厚なテーマ性。
- 終盤に向けて高まるスリル感と、核心へ引き込む緊迫した展開。
- 景介の成長や枯葉との関係、檻江・型羽の友情など、重さの中の癒し要素。
- 伏線を張り巡らせるミステリー性と、続きへの期待を持たせる構成。
こんな人におすすめ
- 藤原祐作品のダークで鬱寄りの作風が好きな読者。
- 血族設定や派閥抗争など、設定 heavy な伝奇ファンタジーを求める層。
- 王道路線を土台にしつつ、底流の不穏さを楽しめる人。
- ラブコメ的な掛け合いと、シリアスな人間関係の葛藤の両方に耐えられる読者。
- シリーズ後半の種明かしや役者集合型の展開を好む読者。
人を選ぶポイント
- 理不尽でグロテスクな出来事が早い段階から入り、ダークな空気が作品全体を覆う。
- 和風の伝奇ホラー寄りの描写で、スプラッシュより人の負の面がじわじわ浮かび上がる。
- 血族・派閥・因習の設定が複雑で、把握に手間がかかる。
- 幼馴染関係を読者だけが先走りで見る展開に、引き込み方への違和感を持つ声もある。
- 終盤の一部やり取りが淡白・予定調和に感じられ、前作比で緊張感が弱いとの指摘。
テンポ・読後感
- 開幕から衝撃的な事件が続き、日常パートがあっても常に不穏な底流がある。
- ミステリー要素と閉鎖的な舞台設定が重なり、謎が次々に積み上がる読み味。
- 中盤以降は役者が揃い、物語が核心へ向かう後半テンポが加速する。
- 作者らしい「終盤前のエグさ」を予感させ、安心して読める場面が少ない。
- 読後は続きが気になる一方、重さで手が止まるという割り切れない余韻。
キャラクターへの評価
- 景介が巻を追うごとに頼もしい主人公へ成長し、立ち向かう姿が好意的に語られる。
- 枯葉は甘さと切なさが同居し、読者の心配と応援の対象になっている。
- 秋津は登場するだけで物語を引き締める、恐ろしさの際立つ敵役として評価される。
- 大人のキャラクターの格好良さや、檻江・型羽のほのぼの友情が温かい余白を作る。
- 静かなクラスメイトや各血族メンバーは、積み重なる謎の核として注目される。
巻一覧
この巻のあらすじ
八年前、霧沢景介の姉は失踪した。 二年前、灰原吉乃の親友もまた、同じように忽然と姿を消した。 似通った傷を持つ吉乃に親近感を持っていた景介は、未だ塞ぎ込んだままの彼女に対して昔の自分を見、どうにかしてやりたいと思う。 しかしそんなふたりの前に、街に潜んでいた異物が姿を現す。 人間ではない 『一族』── その頭首の娘、枯葉。 彼女が連れてきたのは、運命か、それとも悲劇か? 藤原祐×椋本夏夜が贈る伝奇ファンタジー、ここに開幕!
この巻のあらすじ
霧沢景介が枯葉と出会ってから一週間。 [迷い家]へと招待された景介は、新たに一族の少女を紹介される。人間である景介に不信感を露にする幼い瞳──娘は自らを型羽と名乗った。 そして、次の日。型羽と打ち解けないままふたりで下った山道の先、待ち受けていたのは襲撃だった。繁栄派に属するふたりの少女は景介と型羽を殺そうとする。彼女たちの目的は、枯葉の持つ、鈴鹿の一族頭首たる証である宝刀[つうれん]と、本家の婿候補である景介の命。 枯葉が向けてくる思慕、吉乃が残した想い、姉の行方。それらは果たして、争いへ身を投じる理由に足るのか。迫る危険の中で、景介はその覚悟を問われる──。
この巻のあらすじ
学校帰りの夕方だった。景介はひとりの少女と出会う。 公園のフェンスの上に腰掛け、詩を口ずさむ娘。しかしその詩は、景介の姉、雅が昔よく諳んじていたものだった。少女は檻江と名乗った。繁栄派に属する[鈴鹿の一族]でありながら、景介に敵意を──いや、それどころか何の感情も示さない奇妙さで以て。 失踪した姉の手掛かりを掴むために檻江の後を追った景介だったが、辿り着いた先の病院で、一族にまつわる新たな秘密を知ることになる。 鈴鹿の一族が抱える病、そして闇。それらは歪に澱み、景介をも蝕もうと鎌首をもたげていた──。 追憶と鮮血の紡ぐ幻想伝奇(ロマンス)、第三幕!
この巻のあらすじ
白州高校の理事である分家[ひじり]の当主、砂姫が国外より帰還した。景介たちは秋津依紗子に関する新たな情報を入手し、攻勢に転じることにする。しかし一方で、繁栄派の面々も各々の思惑の中、静かに動きを見せ始めていた。 枯葉の記憶に掛かる靄、枯葉に対する景介の思い、通夜子に揺らがされる棗。それぞれがそれぞれに問題を抱える中、依紗子の狂気は発露する。誘われた炎の中で、枯葉たちの見たものは──。 恋慕と鮮血の紡ぐ幻想物語(ロマンス)、佳境の第四幕。
この巻のあらすじ
自分が人間であることを敵味方すべてに欺いたまま、秋津依紗子は画策を巡らせていた。すべては愛しい人──霧沢景介を手に入れるため。 そんな依紗子の目的を知ってか知らずか、供子は彼女に告げる。「世界を歪めているのは、愛だ」と。 叛乱の夜の記憶を思い出してしまった枯葉を励まそうと奮闘する景介だったが、そんな彼らに依紗子と供子が忍び寄る。叛乱の真実、霧沢雅の行方。すべての真実が明かされた時、運命は残酷な牙を剥き──。 恋慕と鮮血の紡ぐ幻想物語、戦慄の第五幕。
この巻のあらすじ
そして、すべての真実は明らかになった。 運命の糸は血を滴らせながら喉元に絡みつき、景介を奈落へと引きずり込む。一族殺しの宝刀[つうれん]は今や、忌まわしい恋を叶えるための刃となり、棗や型羽、檻江たちの生命を狙っている。 反抗か、死か。二者択一の中、最後の戦いは静かに幕を開けようとしていた。秋津依紗子に心を縛られた景介と、木春により絶望を与えられた枯葉。ふたりが選ぶのは、永遠の断絶か、それとも再起か──。 人気シリーズ、堂々の完結編!
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