『ひび割れから漏れる』は、現代の高校を舞台に、語り手の少年と、制服の下にハイネックを着る同級生・千歳さんを中心に進む単巻の物語。千歳さんは「雷に打たれたい」と言い出し、少年はそのための避雷針づくりを手伝うことになる。夏休みの教室や作業の場で会話を重ねるうち、少年は彼女の言動の奥にある隠し事と、言葉にしきれない痛みの気配に向き合う。日常の出来事を通して、二人の距離と心のずれが少しずつ描かれる。物語は、雷という現象と工作の具体性を手がかりに、目に見える行動と見えない感情の差を追う。高校生活の何気ない時間の中で、少年が相手の輪郭を知ろうとする過程が軸になっている。タイトルの「ひび割れ」は、表面には出ない違和感や亀裂のある関係を示す言葉として働く。

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  • AI分析(あらすじ)

    現代の学園で始まる恋愛や、隠し事を抱えた相手との会話が続く物語を読みたい人。

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作品の魅力

  • 雷に打たれたい少女という強い導入が、物語全体の引きになっている。
  • ひと夏の出来事として、青さや切なさをまとった空気感が印象に残る。
  • 漫画家志望の主人公が創作に向き合う場面が、読者の心に刺さっている。
  • 秘密や痛みを抱えた人物同士の距離感が、静かに効いている。
  • 地名や音、光の描写が作品の手触りを補強している。

こんな人におすすめ

  • 少年少女の関係性を、派手さよりも余韻で味わいたい人。
  • 創作や「0から1を作る難しさ」に共感したい人。
  • 夏の空気感や、少し不思議で切ない雰囲気が好きな人。
  • キャラの抱える秘密や内面の揺れを重視する人。
  • まっすぐな青春ものに、ひとさじの異物感がほしい人。

人を選ぶポイント

  • 展開は比較的読みやすく、意外性を強く求めると物足りない。
  • 少年側の人物像は、やや掴みにくいと感じられやすい。
  • 物語の核は雰囲気と心情寄りで、派手な事件性は前面に出ない。
  • 作品の魅力が少女側に寄りやすく、バランス面に好みが分かれる。
  • 余韻重視のため、明快なカタルシスを期待すると温度差がある。

テンポ・読後感

  • 進行は落ち着いていて、会話と心の動きで読ませる。
  • 先が気になりつつも、全体は静かでしっとりした手触り。
  • 夏らしい青さと、少し痛みを含んだ切なさが同居する。
  • 理不尽さや秘密を抱えた感覚が、作品の空気を作っている。
  • 読後はすっきりよりも、余韻を抱えて閉じるタイプ。

キャラクターへの評価

  • 少女は強い願望と秘密を抱えた、印象の残る存在として受け止められている。
  • 少年は創作に向き合う姿が魅力だが、輪郭がやや見えにくい。
  • 2人の距離が近づくほど、少年の揺れや葛藤が初々しく映る。
  • 変わり者に見える人物の内側にある痛みが、静かに伝わる。
  • キャラ同士の関係は、恋愛よりも理解と共鳴の手触りが強い。

巻一覧

ひび割れから漏れる
2021年12月 ISBN 9784048930963
この巻のあらすじ

「私、雷に打たれたいんだよね」

僕の隣で、千歳さんがそう呟いた。 いつも制服の下にハイネックのシャツを着ている風変わりなクラスメイト。 彼女に頼み込まれてこの夏、雷を“落とす”ための避雷針作りを手伝わされることに。何でもなかったはずの僕の日常が、彼女によって少しずつ彩られていく。

きっと、千歳さんは何かを隠している。 それでも千歳さんと一緒にいたくて、ずっとこんな日が続けばいいのにと思っていた。

彼女の“ひび割れ”にも気づけないまま……。

トゥーファイブクリエイターアワード《小説部門賞》受賞作。 ゆっくりと進む恋と痛み。少年と少女が“心”を見つけるひと夏の物語。

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