夫を亡くしたシングルマザーの愛と、父を亡くした大学生の楓、そして小学生の冬明を中心に、血のつながらない家族の関係と「名前」をめぐる物語です。舞台は現代の日本で、冬明が語る「世界の一部を盗む」怪物ジャバウォックの存在が、家族の会話や日常に現実の揺らぎを持ち込みます。物語は、家族という関係にある違和感や、見えないものをどう受け止めるかを軸に進みます。家族のかたちと常識の境界を問い直しながら、現実と想像が交差する方向へ広がっていきます。単巻構成で、1冊の中に物語がまとまっています。1冊完結です。家族とは何かを、現代の生活と怪物譚を重ねて描く構成です。ジャバウォックという存在が、日常の認識を少しずつ変えていきます。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 家族のかたちを、血縁だけで割り切れないものとして描く視点が強い。
- 「正義」「常識」「モラル」の境界を問い直すテーマが印象に残る。
- 正体不明の存在を通して、現実の不安や違和感を重ねて読める。
- 言葉選びが丁寧で、静かに考えさせる読後感がある。
- 階段島シリーズの読者には、発想や空気感の近さが入り口になりやすい。
こんな人におすすめ
- 家族小説とファンタジーの両方を味わいたい人。
- 価値観や倫理の揺らぎを扱う物語が好きな人。
- じわじわ考えが深まるタイプの作品を読みたい人。
- 河野裕作品、階段島シリーズの読者。
- 優しさのある物語でも、少し複雑なテーマを受け止められる人。
人を選ぶポイント
- 設定やテーマが重なり合う場面があり、最初は少し複雑に感じやすい。
- 物語の核心は説明よりも読んで掴むタイプで、整理しながら読む必要がある。
- 童話的な要素と現実的な家族問題が同時に進むため、軽い読み味だけを期待するとずれやすい。
- 事件の派手さより、関係性の変化や内面の揺れが中心。
- ネタバレを避けると細部の魅力は語りにくいが、結末の納得感を重視する読者には合いやすい。
テンポ・読後感
- 序盤は静かで、少しずつ世界の見え方が変わっていく流れ。
- 難解さはあるが、回りくどさは少なく読み進めやすい。
- ふわっとした幻想ではなく、現実に触れる手触りがある。
- 不穏さと温かさが同居し、読後はやわらかく落ち着く。
- 哲学寄りの思考を含みつつ、着地点は比較的わかりやすい。
キャラクターへの評価
- 冬明の聡明さや、物事を丁寧に考える姿勢が好印象。
- 愛は母としての強さと揺れがあり、関係性の中心として存在感がある。
- 楓は複雑な立場から動き出す人物として印象に残る。
- 父親の不在が、家族それぞれの見方に深く影響している。
- 登場人物全体に優しさがあり、対立だけで終わらない空気がある。
巻一覧
この巻のあらすじ
世の中のすべての悲しみを避けて歩くのも、 なんだか気持ちの悪いことのような気がした。
『いなくなれ、群青』、『昨日星を探した言い訳』の著者が描く、 血の繋がらない家族と名前をめぐる物語。
夫を亡くし、小学生の息子・冬明を一人で育てるシングルマザーの愛。父親の死後、義母の愛と弟の冬明を見守りながらも、家族という関係に違和感を持つ大学生の楓。 「世界の一部を盗む」想像上の怪物・ジャバウォックを怖れ、学校に行きたがらない冬明に二人は寄り添おうとするが、「紫色の絵具がなくなったんだ。ジャバウォックが盗っちゃったんだよ」と冬明が告げた日から、現実が変容していく。
ジャバウォックの真実を知ったとき、あなたもきっと、その怪物を探し始めるーー。
家族とは、常識とは何かを問い直す、壮大なファンタジーエンタメ小説。
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