東京都北区・音無橋のそばにある定食屋「たもと屋」を舞台にした、現代の街角の食と死者の往来を描く物語。会社になじめず仕事もできずにいた凛々は、雨宿りの先で、心残りを抱えた死者が立ち寄る店に入り込む。店主の青年は仏頂面ながら面倒見がよく、常連客も交えた食卓では、日替わり定食や丼ぶりが客の記憶や未練に結びつく。鮪カツ丼、天津飯、ほっけ定食といった料理が、それぞれの来訪者の事情を映し、凛々自身の立て直しも店での時間とともに進んでいく。一話ごとに来店する人物の背景が食事を通じて語られ、店は生者と死者のどちらにも開かれた場所として描かれる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 死者が立ち寄る定食屋という設定に、食事の温かさと少し不思議な空気が重なる。
- 鮪カツ丼、天津飯、ほっけ定食など、家庭的で懐かしい料理描写が印象に残る。
- 仕事に行き詰まった主人公が、ごはんと人との関わりで少しずつ立ち直っていく流れが読みやすい。
- ほどよいユーモアと切なさが同居していて、重すぎないのに余韻がある。
- 連作短編として、各話ごとに小さな見どころがある。
こんな人におすすめ
- ほっこり系のごはん小説や、やさしい怪異ものが好きな人。
- 仕事や人間関係のしんどさに共感しつつ、軽めに読める物語を探している人。
- 幽霊ものでも怖さより温かさを求める人。
- 食べ物の描写や飯テロ感を楽しみたい人。
- 切なさのある読後感を好む人。
人を選ぶポイント
- 先が読める展開に感じる人がいて、驚き重視の作品ではない。
- 物語の着地点にすっきりしない印象を持つ人もいる。
- 似た系統のごはん×幽霊作品を読んでいると、既視感を覚える場合がある。
- 仕事や就活まわりの描写に、やや現実の細かさや違和感を感じる声がある。
- 続編やその後を強く意識させる終わり方で、完結感を求めると物足りない。
テンポ・読後感
- さらりと読める軽めのテンポで、晩夏にも合う読み心地。
- 全体はやわらかく、会話ややり取りにコミカルさがある。
- 物語が進むほど、名残惜しさや切なさがじわっと残る。
- 怖さは強くなく、あたたかさ寄りの不思議譚としてまとまっている。
- 読後はほろっとするが、重苦しさは強くない。
キャラクターへの評価
- 凛々は不器用で真面目、落ち込んでいても応援したくなる主人公として受け止められている。
- 店主の野洲は仏頂面でも面倒見がよく、料理で支える存在として好印象。
- 常連の菫は明るさと切なさをあわせ持つ人物として印象に残る。
- 登場人物同士の距離感や関係性に、やさしさと少しの謎がある。
- その後の関係や続きが気になる、という反応が目立つ。
巻一覧
音無橋、たもと屋の純情 旅立つ人への天津飯
この巻のあらすじ
東京都北区・音無橋のそばの定食屋。生死不問でご来店お待ちします
会社になじめず仕事もできず、鬱屈した毎日を送る凛々が野良猫と雨宿りをした「たもと屋」。 そこは心残りのある死者が立ち寄る定食屋だった。 身も心も疲れ果て死者と勘違いされた凛々は、勧められるまま食事を注文するのだが…。 メニューは2つ、日替わりの定食か丼ぶり。 始まりの鮪カツ丼、思い出の天津飯、父娘の絆のほっけ定食。 懐かしい味に心もお腹も満たされた死者たちはやがて旅立つ。 凛々もまた、仏頂面でも面倒見のいい店主の青年のごはんを常連客と食べるうちに、元気を取り戻していくーー。
逝く時も、生きる時も、寂しい人はお越しください。 定食屋を舞台におりなす、ちょっと不思議なごはん物語。
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