1945年晩秋、朝鮮半島で育った阪上群青は、敗戦後の日本へ引き揚げる途中で母と離れ、船上で出会った赤城壮一郎と東京へ流れ着く。行く先のない群青は、焼け野原となった上野の闇市で商いを始めた赤城たちと行動を共にし、衣食の次に求められる「清潔」に目を向けて石鹸会社の立ち上げに関わる。母をめぐる不穏な告知を抱えたまま始まる二人の関係と、戦後の混乱の中で生きる人々の動きが、商売と日々の暮らしを通して描かれる。引揚者としての出自、物資不足の現実、共同作業の中で変わる距離感が軸になる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 戦後の焼け野原から立ち上がる人々の生き方が軸になっていて、重い時代背景の中でも読み応えがある。
- 引揚船、行方不明の家族、疑惑を抱えたまま進む関係など、先が気になる要素が強い。
- 困難の中で仲間と事業を立ち上げていく流れがあり、群像劇としても楽しめる。
- セリフ回しや人物のやり取りにシリーズらしさがあり、作者の持ち味を感じやすい。
- 現代にも通じる働き方や人間関係の芯があって、時代物としてだけで終わらない。
こんな人におすすめ
- 戦後史や昭和の空気感がある物語を読みたい人。
- 人間関係の絆やすれ違いをじっくり追いたい人。
- 起業や仕事づくりの過程が入る物語が好きな人。
- 桑原水菜作品や関連シリーズの読者。
- 重めの題材でも物語の推進力を重視する人。
人を選ぶポイント
- 戦争直後の混乱や喪失感が強く、気持ちが沈みやすい。
- 序盤は人物関係や状況に入り込みにくく、進みがゆっくりに感じやすい。
- 過去の疑惑や重い背景が続くため、軽い読後感は期待しにくい。
- シリーズ前提の空気があり、関連作を知っているほど入りやすい。
テンポ・読後感
- 序盤は状況説明と人物の置かれ方が中心で、やや重く静かな立ち上がり。
- 中盤からは関係性や仕事の動きが出てきて、読み進めやすくなる。
- 戦後の荒廃感と、前へ進もうとする熱が同居している。
- しんどさの中に希望や連帯感が差し込む、硬派で熱量のある雰囲気。
キャラクターへの評価
- 群青は迷いを抱えながらも、自分で進む道を選ぼうとする人物として受け止められている。
- 赤城は支えになる存在として見られる一方、過去への疑いが人物像に複雑さを与えている。
- 仲間や兄妹との関わりが、物語の温度を上げる要素として印象に残っている。
- 男たちが困難の中で踏ん張る姿に、強さと不器用さの両方が感じられている。
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- 第1巻:荒野は群青に染まりて 暁闇編 825円
巻一覧
この巻のあらすじ
1945年、晩秋。日本は太平洋戦争に敗れ、朝鮮半島で生まれ育った阪上群青は、母と引揚船に乗った。だが船中で母とはぐれた直後、群青は何かが海に落ちる音を聞く。その場にいたのは赤城壮一郎という男。ひとり下船した群青は〈謎の中年男〉から「赤城が君の母親を海に突き落とした」と告げられる。疑惑を拭えぬまま、初めて踏む祖国の地で行く当てのない群青は、声をかけてくれた赤城とともに「焼け野原の東京」を生き抜くことに。戦後の混乱期、上野の闇市で商売をするうちに人々が衣食の次に欲するのは「清潔」だと気づき、二人は仲間たちと石鹸会社を立ち上げた。ともに困難に立ち向かう日々のなか、群青にとって赤城がかけがえのない存在となっていく。だがそんな群青の前に引揚港で遭遇した〈謎の中年男〉が姿を現し、衝撃の事実を伝えた。果たして二人の行きつく未来は……。瓦礫から這い上がった少年は、その瞳にどんな未来を映すのか。「炎の蜃気楼」「遺跡発掘師は笑わない」の著者が贈る、混沌の時代を生き抜いた男達の、反骨と絆の物語!
序章 第一章 見知らぬ祖国へ 第二章 アメンボとしゃぼん玉 第三章 ありあけの船出 第四章 荒野から来た男 第五章 赤と青
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