現代の高校を舞台に、語り手の『あたし』、死の話題を口にしがちな緑子、秀才だが考え方の読めない汀子の三人を中心に、恋と友情の行き来を描く一冊完結の物語。三人はそれぞれ異なる相手に気持ちを向け、片思い、失恋、交際、旅行が重なっていく。学校生活の場面を基点に、友人同士の距離や恋愛観の違いが前に出る。ひとりずつ別の恋を抱えながらも、三人の関係は互いに影響し合い、会話や心の揺れが物語を形づくる。特別な設定はなく、教室や放課後、移動先といった身近な場面で展開する。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 80年代の女子高生たちの会話と行動に、今の青春小説にはない勢いと独特の空気がある。
- 恋に悩みながらも、三人がそれぞれ自分の軸を持って動く距離感が心地よい。
- 自意識の強さや背伸びした感じが、当時のリアルさとして受け止められている。
- 何度読んでも色あせない、夏に読み返したくなる定番感がある。
- 映画版や表紙の記憶と結びついて、作品世界への懐かしさが強い。
こんな人におすすめ
- 昭和の少女小説や80年代の空気感が好きな人。
- まっすぐな恋愛より、会話の切れ味や女の子同士の距離感を楽しみたい人。
- 氷室冴子作品を再読したい人、青春小説の原点を味わいたい人。
- いまの作品にはない硬派さや大人びた高校生像に惹かれる人。
- 映画版やコバルト文庫の記憶がある人。
人を選ぶポイント
- 飲酒や喫煙の描写が多く、現代の感覚ではかなり古さを感じる。
- 高校生の会話や行動が大人びていて、今の青春像とはかなり違う。
- いわゆる王道の甘い恋愛ものを期待すると、少し硬派でとんがった印象が強い。
- 時代背景の違いで、用語や価値観にひっかかる部分がある。
- 現在は入手しにくい版や表紙の思い出が絡み、作品そのもの以外の懐かしさも大きい。
テンポ・読後感
- 物語は軽快で、会話のテンポがよく、読み進めやすい。
- きらきらした青春というより、少し尖っていてバンカラな手触りがある。
- 恋の高揚感と、背伸びした自意識の気配が同時に漂う。
- しっとりよりも、勢いと熱量で押してくる感じが強い。
- 再読すると、当時は見えなかった細部や余韻がじわっと残る。
キャラクターへの評価
- 多佳子はかっこよく、硬派で、憧れの対象として強く印象に残る。
- 汀子は何を考えているかわからない掴みどころのなさが魅力になっている。
- 緑子は突飛な行動も含めて、個性の強い存在として記憶されやすい。
- 三人はべったりした親友関係ではなく、独立しながら支え合う距離感が好まれている。
- 女子高生たちの知性や会話の高度さに、驚きや感心が集まっている。
巻一覧
恋する女たち
この巻のあらすじ
あたしには二人の変な友人がいる。何かというとすぐに自分の葬式を出す、死に癖のある緑子がその一人。もう一人の汀子は秀才ではあるが、考えることはまったく訳がわからない人間だ。もっとも、あたしにしても普通の高校生とはいいがたい。この三人がそれぞれに恋をした。そして、緑子はその美貌にもかかわらず失恋し、汀子は相手の男性と旅行に出かけ、あたしもやっぱり片恋のままに……。
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