不登校の少女・夜凪凛と、学校内で目立つ立場にいた夏乃光を中心に、夏の終わりを背景へ置いて進む現代青春サスペンスです。高校での出会いからLINEでのやり取りを通じて互いの事情に触れた二人が、夏休み明けに再会し、逃避行へ踏み出します。物語は、家族や学校で居場所を失った人物たちの関係と、殺したい相手をめぐる危うい選択を軸に展開します。舞台は現代日本の高校とその周辺で、夏という季節の終わりが全体の空気を形づくります。単巻構成で、二人の関係と一夏の出来事に焦点を絞った内容です。第18回小学館ライトノベル大賞の受賞作として刊行されています。なお、1巻で完結する構成です。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
不登校の少女と自殺願望を秘めた美少年の出会いが惨劇の幕を開ける
編集部
化け物を自称するほどに周囲との断絶を感じていた女子高生・夜凪凛は、眉目秀麗・文武両道な人気者・夏乃光の自殺未遂の現場を偶然目撃してから彼と交流を始める。しかし夏休み明けの始業式、光に母親を殺してきたと告白したことがきっかけで日常の歯車が軋み始め……。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
暗黒ボーイミーツガールが好きな人 ダークでダウナーなサスペンスに浸りたい人 夏の情景を追体験したい 人間関係に悩んでいる人 思春期真っ只中の中高生
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AI分析(あらすじ)
- 現代高校を舞台にしたサスペンスを読みたい人 - 不登校や家族関係を扱う物語に関心がある人 - 夏の終わりを背景にした逃避行の構図が気になる人
受賞歴
この項目をレビュー編集部
第18回小学館ライトノベル大賞 大賞受賞作。
編集部
万人受けする作風とはお世辞にも言えないが、ディープな読者を獲得できそうなポテンシャルを感じた。炙場メロの美しいイラストは目の保養。桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』と心性が近い。ティーンエイジャーの心に爪痕を残すラストは忘れ難い。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 18歳デビューながら、夏の情景や空気感が鮮烈で読了後も残る。
- 不登校の少女と自殺願望を抱えた少年の、七日間の逃避行という設定に引き込まれる。
- 思春期特有の鋭い言葉選びやコミュニケーションの描写が瑞々しく、狂気や閉塞感へと加速していく手触りを評価する読者がいる。
- 重い題材でも読みやすく、二人きりの世界に没頭できる構成だ。
- 面白い/つまらないだけでは測れない、読後に感情が押し寄せる体験型の作品だ。
こんな人におすすめ
- ダークなボーイミーツガール(ガールミーツボーイ)系の青春物語が好きな人。
- 夏の終わりの退廃的・閉塞的な雰囲気を味わいたい人。
- 10代作者の感性や、尖った新文芸的な作風に関心がある人。
- 人間関係や共感の難しさをテーマにした物語を読みたい人。
- 賛否が分かれるラストや、読後感の強い作品を求める人。
人を選ぶポイント
- 不登校・自殺願望・殺人をモチーフにした過激な内容で、内容によっては刺さりにくい。
- 人の命や暴力の扱いが軽いと感じる読者がおり、訴求力に欠けると感じる意見もある。
- 大賞作として期待したが、内容の浅さや典型性、未完成感を指摘するレビューがある。
- 主人公の動機や行動に共感できず、中盤まで入り込めない。
- ラストの急展開や余韻の残し方について、納得と戸惑いが分かれる。
テンポ・読後感
- 一日刻みのカウントダウン感があり、ドライブ感のあるテンポで一気に読める。
- 夏の終わりを意識させる描写が強く、退廃的でありながらどこか美しい閉塞感を感じる。
- 重い題材なのに文章は流れよく、ノイズの少ない二人世界に引き込まれる。
- 読み進めるうちに過去が明かされ、息苦さや泥濘へ落ちていく感覚が増していく。
- 読了直後に複雑な感情が一気に溢れる、好悪を超えた読後感を語る読者もいる。
キャラクターへの評価
- 人の気持ちが読めず友人関係に悩む凛と、自殺願望を抱えた完璧超人に見える光の対比が印象的だ。
- 凛は「共感できない」と感じる読者もいる一方、頑なさが解けていく様や固有の受け止め方に魅力を感じる意見もある。
- 光は狂信的・歪んだ独占欲や執着を帯びた存在として描かれ、理解はできても自己中さに呆れる。
- 似た者同士の同胞感や、危うい距離感の交流が物語の核だ。
- 動機や目的が明かされる段階で印象が大きく変わり、二人への見方が読者ごとに分かれる。
巻一覧
この巻のあらすじ
十八、終わる夏。私は誰かを殺すことにした
「母さんを殺してきた」--夜凪凛が、元クラスメイトの夏乃光から衝撃的な告白を受けたのは、夏休み明けの8月24日のことだった。
凛が光と出会ったのは遡ること1年と1か月前の夏のこと。 当時、不登校だった凛は退学届を提出するためだけに高校を訪れた日、四階の窓から飛び降りようとしている男子生徒と出くわした。成績優秀で眉目秀麗、学校内ヒエラルキーの頂点にいる男子、夏乃光だった。 小説や映画などの好みが似ていた二人はLINEのやり取りで親交を深めていく。やがて凛は、光が親との関係に悩んでいることを知る。友人関係に悩んで退学を決めた凛だったが、半年間休学して四月から再び二年生として学校に通うことした。
ーーそして、夏休み明けの始業式の朝、遅刻して登校してきた凛のことを駐輪場で光が待っていた。母親を殺してきたと告げた光は、凛を連れて逃避行を始める。 これからどうするのかと問う凛に、光はあるゲームを提案する。それは、八月が終わるまでの七日間、一日一人ずつ交互に殺したい人間を殺していくというものだった……。
行き場を失くした二人は凶器と化す。瑞々しい感性で描かれた青春の危うい側面。第18回小学館ライトノベル大賞 大賞受賞作。
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