海辺の街にある高校を舞台に、愛川素直の分身体として学校へ出る〈ナオ〉と、彼女のオリジナルである素直を軸に進むシリーズ。ナオは日直や授業、文芸部の活動、友人たちとのやり取りを重ねながら、借り物の立場で過ごす日々の中に自分の感情を見つけていく。物語は、学校での何気ない会話、季節ごとの行事、旅先での別行動、素直側の視点などを通して、二人の関係が少しずつ変わる過程を追う。レプリカとしての制約や、同じ姿を持つ二人がどう生きるかという問いが、恋愛と日常の場面に重なっていく。教室や部室の内側だけでなく、修学旅行や冬の出来事も含めて、海沿いの学校生活の範囲で話が広がっていく。

構造レビュー

編集部判定 判定なし

ストーリーの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

レプリカの目を通したストーリー構成は秀逸。オリジナルの都合で呼び出され、明日の予定も立てられず生きてきたナオが初めて人を好きになり、叶わぬ願いと知りながらも彼といたいと思い悩むさまは、健気すぎて胸が詰まった。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

わがままで気まぐれな素直と物静かで読書好きなナオ。同じ顔をしながらも対照的な個性を持ったヒロインの設定が、少し不思議なストーリーと上手く噛み合っていた。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

のどかな海辺の町が舞台。情景描写が丁寧で映像が目に浮かぶ。レプリカの設定を除けば非日常的な要素はほぼ存在せず、ファンタジーが苦手な読者も抵抗なく読める。

話題性 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

第29回電撃小説大賞受賞。アニメ化企画も進行している。電撃文庫公式では特設ページが公開された。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

レプリカは本物に勝てないの?

編集部

女子高生・愛川素直の模造品(レプリカ)として生み出された少女・ナオが同じ文芸部の少年・真田を好きになり、本物に勝てぬジレンマにもがきながらも一日一日を大事に紡いでいく。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

胸が苦しくなるような三角関係が好きな人 恋のライバルが自分自身だったら……と妄想したことがある人

  • AI分析(あらすじ)

    学園恋愛、分身・複製の設定、複数視点で人物関係が変化する構成に関心がある人。

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編集部

榛名丼は本作で電撃文庫からデビューしたラノベ作家。静岡県静岡市出身。小説家になろうでも作品を発表している。代表作は他に「義妹5人いる」「追放された聖女は、隣国で七人の聖女に出会う」「薬売りの聖女」「追放された聖女ですが、実は国中から愛されすぎてて怖いんですけど!?」など。

編集部

第29回電撃小説大賞受賞。

編集部

平凡な女子高生・素直と彼女のレプリカとして生み出されたナオ、似て非なる存在の多感な少女たちと一人の少年の恋の行方を描いたラブストーリー。繊細な心理描写は男女問わず支持を集めた。初めて人を好きになった事で自我が芽生えたものの、オリジナルの抑圧に抗えずアイデンティティーの確立に悩む、ナオのピュアな恋心が泣かせる。真田の不器用な誠実さ、素直が内に秘めた本音も印象的。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 '''ナオ''' 女子高生・愛川素直のレプリカとして彼女が7歳の時に生み出された少女。見た目は素直そっくりで見分けが付かないが、本物と違い読書を好むなど、微妙に趣味嗜好が異なっている。素直が学校をサボりたい日は代わりに登校してきた。文芸部の新入部員・真田を好きになるが、周囲に存在を認められぬレプリカ故に告白に踏み切れず、苦悩の尽きない日々を送る。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • レプリカとオリジナルという二重のヒロイン設定が、同じ顔で異なる人間性を描き分ける独自性。
  • 文化祭・修学旅行・部誌制作など学園イベントを軸にした青春群像劇。
  • 甘酸っぱい恋愛描写と、レプリカ設定が生む切なさの緩急。
  • 視点の切り替えと段階的な設定提示で、読み進めるほど物語の深みが増していく構成。
  • 完結後の短編集で各キャラの日常や感情の余韻を味わえる。

こんな人におすすめ

  • 自分自身が恋のライバルになる三角関係に物語を求める読者。
  • 学園ラノベの王道イベント(文化祭・部活)と心理描写の両方を楽しみたい人。
  • SF的な設定で自己同一性や存在意義を考えたい人。
  • キュンと切なさが交互に来る恋愛物語が好きな人。

人を選ぶポイント

  • レプリカとオリジナルの関係が深まるにつれ、胸を締め付ける展開が続く。
  • 穏やかな日常から急に厳しい局面へ転じる緩急があり、終盤はハラハラしながら読。
  • 二巻以降は前巻の穏やかさから一気に物語のスケールが広がる。
  • 複数視点・時系列を跨ぐ短編が含まれるため、本編読了後の読み方が向く巻もある。

テンポ・読後感

  • 前半はヒロインのチャーミングさとにやにやが止まらない恋愛の甘さ。
  • 中盤以降はオリジナル視点が増え、不器用さや葛藤の描写が丁寧になる。
  • 和やかな学園日常とレプリカ設定の重さが交互に立ち上がる緩急。
  • 完結に向けて切なさを帯びた余韻のある読後感。

キャラクターへの評価

  • ナオ:穏やかで読書好き、一途な想いが刺さるが、周囲に認められにくいレプリカとしての苦悩も深い。
  • 素直:ツンと不器用さの裏に自分と向き合おうとする意志があり、成長が段階的に伝わる。
  • アキ:ナオとの関係の核となり、日常の会話やデート描写で物語の温度感を支える。
  • りっちゃん・吉井・先輩キャラ:部活や事件を動かす掛け合い役として評価され、人間関係の幅を広げる。

巻一覧

レプリカだって、恋をする。
2023年2月 ISBN 9784049148732
この巻のあらすじ

ーー応募総数4,128作品の頂点ーー 第29回電撃小説大賞《大賞》受賞作

具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日……。彼女が学校に行くのが億劫な日に、私は呼び出される。 愛川素直という少女の分身体、便利な身代わり、それが私。姿形は全く同じでも、性格はちょっと違うんだけど。 自由に出歩くことはできない、明日の予定だって立てられない、オリジナルのために働くのが使命のレプリカ。 だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。 好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。 学校をサボって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。 名前も、体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけどーーこの恋心は、私だけのもの。 海沿いの街で巻き起こる、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な“はじめて”の青春ラブストーリー。 第1話 レプリカは、夢を見ない。 第2話 レプリカは、サボる。 閑話  彼女のいない、夏休み。 第3話 レプリカは、泣いている。 第4話 レプリカは、落ちていく。 第5話 レプリカは、夢を見る。 最終話 レプリカは、恋をしている。

レプリカだって、恋をする。2
2023年7月 ISBN 9784049150087
この巻のあらすじ

「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」 不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。 文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そしてーー。 「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」 秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。 第29回電撃小説大賞《大賞》を受賞した、純度100%の青春ラブストーリー。切なく胸を打つ第2巻。

レプリカだって、恋をする。3
2023年12月 ISBN 9784049153439
この巻のあらすじ

オリジナルがやりたくないことを押しつける身代わり、〈レプリカ〉だった私だけど、その役割を失って。

「素直が何を考えてるか分からなくて、怖い」

そんな思いを抱えながら、季節は冬に向かっていく。

素直が修学旅行に行っている間、私はアキくんと一緒に、リョウ先輩の故郷・富士宮へ行くことになった。それぞれ別々の場所で、はじめての旅を楽しみつつ、レプリカの仕組みの謎を紐解くピースを拾いーー。 そして私は、素直が秘めた思いと、知らなかった真実と、向き合うことになる。

ーーナオと素直。それぞれの視点から描かれる、転機の第3巻。

レプリカだって、恋をする。4
2024年7月 ISBN 9784049156942
この巻のあらすじ

「ナオが決めて、いいんだよ。ナオとして生きていくか。それとも……私の中に戻ってくるか」

素直に与えられた猶予は、一か月とすこし。オリジナルのために働く〈レプリカ〉である私の心は、もう決まっていて。

そして、やって来たクリスマスの日。 観覧車の中で、私はアキくんにお別れを告げた。 なんにも後悔はない、そのはずだったんだけどーー。

冬はいつの間にか終わり、春がもういちど、私のもとに訪れる。

レプリカと、オリジナル。二人がひとつの答えに辿り着く、第4巻。

レプリカだって、恋をする。5 Side:Original
2025年8月 ISBN 9784049159080
この巻のあらすじ

「私、素直の中に戻るよ」 そうしてナオはいなくなり、私ひとりだけが残された。やりたくないことを〈レプリカ〉に押し付けて逃げてきた、〈オリジナル〉の私が。 ナオみたいに上手にやりたいのに、学校生活はうまくいかないことばかりで空回りしてしまう。 そんな中、アキと、真田と、佐藤と、りっちゃんと、そして吉井と関わっていくうちに、少しずつ変わっていく自分に気づいてーー。 「私はもう、大丈夫」 素直がこの言葉に至るまでの日々を描く、第5巻。

レプリカだって、恋をする。6 Through Their Eyes
2026年4月 ISBN 9784049168068

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