江の島ひなた食堂
- 著者
- 中村一
- イラスト
- —
- レーベル
- メディアワークス文庫
- 刊行年
- 2022
- 巻数
- 1巻
- アニメ化
- —
- 読み放題状況
- Kindle Unlimited: 1巻まで(備考: auto:KU 全巻)
構造レビュー
星評価
編集部判定 良作
短評・キャッチコピー
編集部
人の心が少し見える女性と、飲食店の代理店長が、人々と関わりながら進んでいく物語。
概要
編集部
小さな食堂をしていた父親が入院したことで、代わりに厨房に立つことになった青年と、帰る場所がなく食堂を手伝うことになった女性の物語。人の心が「少し」見える彼女の能力は、人と人の心をつないだり、時には思わぬ方向へ進ませたりなど、さまざまなことが起こっていた。そんな彼女を包む、優しい食堂と美味しい料理が登場する。
こんな人におすすめ
編集部
・江の島が好きな人 ・恋愛×ファンタジーが好きな人 ・人の心が見えるような異能力が好きな人 ・食堂や食事が登場する作品が好きな人
内容・特徴
編集部
父親が入院したことで店を任せられたまひろと、人の心が見えるキッコの日々。訪れる客とのやり取りや、人の心が見えることで傷ついた過去を背負うキッコが、少しずつ穏やかな日々を手に入れていく。
著者情報
編集部
中村一(なかむら・はじめ) 神奈川県在住。 第15回電撃大賞応募をきっかけにデビュー。 ≪代表作≫ ・ココロ・ドリップシリーズ ・明日から本気を出す人たち ・探偵先輩と僕の不完全な事件簿
イラストレーター情報
編集部
げみ イラストレーター。 書籍の装画、企業広告などを制作。 教科書からラッピング電車など多岐に渡る。
文体
編集部
丁寧に描かれており、読みやすい。会話が多く、若い男女のやりとりと感じることができた。
世界観の作り込み
編集部
キッコの能力に関して現代ファンタジー的な要素があると感じられるが、他はまひろとの日常、恋愛などの部分が強い。世界観として江の島という実際にある場所なので、場所を知っている人からするととても入り込みやすい造りであると感じた。
ジャンル・テーマ総評
編集部
キッコの能力により、過去に傷ついたことが描かれている部分もある。異能力がどのような形で人に作用していくのか、を若い男女の恋愛を通してみることができた。またそれでも人と生きていくことを選ぶキッコの成長や、穏やかな生活を得ていく彼女の人生を読むことができる。
評価点
編集部
異能力を持つキッコの存在だけが強く際立つこともなく、江の島の良さや食堂の良さ、まひろという青年の良さなども一緒に感じることができた作品である。異能力と聞くと、誰かを傷つけたり、不幸にしたりする場面もあるかと感じられるが、大きくひどい場面はなく楽しむことができた。
【おすすめキャラクター】 まひろ 父親が入院したことで、食堂を代理で任せられた青年。都内の大学に進学したことで、車の運転免許がないなど、若い男性としては少し頼りない一面も見せるが、キッコとの掛け合いが面白く、人の好い青年である。
評価が分かれる点・問題点
編集部
現代ファンタジーの要素としては、キッコの人の心が見えるという能力だけのため、読者によっては若干物足りなく感じるかもしれない。
総評
編集部
江の島を舞台に、小さな食堂の人情物語でありながら、キッコという女性の少し変わった能力を見ることができた。人の心が見えることで、過去に辛いことを経験した彼女が、食堂を任せられたまひろとの関係を経て、成長し穏やかな日々を手に入れる姿が印象的である。穏やかな日常と、江の島の雰囲気がとてもマッチしている作品だと感じられた。
ストーリーの説明
編集部
ただの異能力者の物語ではなく、そこに関わる人たちの心境や、食堂へやってくる客の気持ちなども織り交ぜられた、人間味のあるストーリーが特徴的であると感じられた。
キャラクターの説明
編集部
食堂を支える青年まひろと、食堂を手伝うことになったキッコ。2人の姿が時には意見を言い合い、楽しく過ごしていく様子がとても温かく感じられた。また人の心が見えるキッコの苦悩など、丁寧にキャラクターが作られていて好感が持てる。
設定・世界観の説明
編集部
傍から見れば現代ファンタジーの様子があるのだが、それよりも「人の心」に注目されている世界観。特に男女の恋愛に、心が見える場合はどうなっていくのか、リアルに描かれている。
話題性の説明
編集部
特になし
初心者向けの説明
編集部
現代ファンタジー要素と恋愛の要素を持っており、初心者でも読みやすいと感じられたが、好みが分かれるような印象も受ける。ファンタジーとしてはキッコの能力だけなので、やや物足りなさを感じるかもしれない。文章としては読みやすい。
読後感のよさの説明
編集部
人間関係に悩むキッコが、心を癒し、落ち着いていく様子が最後まで丁寧に描かれていると感じた。最後は穏やかに終わり、読後も穏やかな気持ちになれる。
テンポの良さの説明
編集部
テンポはまずまずな感じであったが、まひろとキッコの出会いの場面がやや中途半端な部分に入っているように感じられた。若干、物語の展開として混乱しそうになる印象を受けた。
読みやすさの説明
編集部
まひろとキッコのやり取りがとても自然であり、話していることも、まるでどこでも聞けそうな男女の優しいやり取りと感じられ、読みやすく把握しやすい。
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