失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじりを中心に、社会復帰へ向けたリハビリの中で生まれる関係と、その背後にある異常な仕組みを描く物語。舞台は現代日本で、日常の延長にある人間関係と、恋愛感情に介入する要素が重なって進む。中心人物は、居場所のない二人と、彼らの変化を取り巻く存在たち。物語は恋愛と不穏さを往復しながら、個人の感情がどこから生じるのかを追う。全1巻の単巻構成で、ひとつの関係とその背景を凝縮して描く。恋愛、心理、異常な要素が同居する内容で、現代を舞台にした非日常の物語としてまとまっている。恋愛と異常の接点を軸に、人物関係と仕組みの両面から展開する。全1巻で完結する単巻作品。全体としては、関係の変化とその原因を一冊で扱う構成。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
社会不適合者の青年とその予備軍の不登校少女。二人の恋は虫の仕業なのか?
編集部
失業中の青年と不登校の少女が偶然出会い恋に落ちるが、それは彼等の体内に潜んで人間を操る「虫」の仕業だった。果たしてこの恋心は幻覚なのか?自分の気持ちが信じられなくなった男女が下す選択と切なすぎる答えとは。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
世間からドロップアウトした無職青年と不登校少女の危うい恋愛に惹かれる人 自分に恋愛ができるのか不安を抱いている人 潔癖症や視線恐怖症に悩んでいる人 常日頃から生き辛さを持て余している人 四季の中で冬が一番好きな人
-
AI分析(あらすじ)
- 現代を舞台にした恋愛と心理要素のある物語が気になる人 - 不登校や失業など、社会との距離を抱える人物を扱う作品に関心がある人 - 恋愛の成立に異常要素が関わる構成を読みたい人
著者情報
この項目をレビュー編集部
三秋縋(みあき・すがる)は日本の小説家。2011年から2013年にかけ、WEB掲示板2ちゃんねるで「げんふうけい」名義の小説を発表。「人を自殺させるだけの簡単なお仕事です」、「十年巻き戻って、十歳からやり直した感想」、などが話題を呼ぶ。2019年3月、『君の話』で第40回吉川英治文学新人賞候補となる。代表作は以下。 * スターティング・オーヴァー(2013年9月 メディアワークス文庫) * 三日間の幸福(2013年12月 メディアワークス文庫) * いたいのいたいの、とんでゆけ(2014年11月 メディアワークス文庫) * 君が電話をかけていた場所(2015年8月 メディアワークス文庫) * 僕が電話をかけていた場所(2015年9月 メディアワークス文庫) * 夢が覚めるまで(2017年9月5日) * 君の話(2018年7月 早川書房 / 2021年11月 ハヤカワ文庫JA) * さくらのまち(2024年9月 実業之日本社文庫)
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
しおんは日本のイラストレーター。モノトーンを多用した、グレイッシュな雰囲気の美少女イラストで人気を集める。イラストを手掛けたラノベは以下。 『さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々』(中西鼎 著)
編集部
潔癖症の無職青年と視線恐怖症の不登校少女、二人の出会いから幕を開けるインモラルなラブストーリー。どうしようもない生き辛さを抱えた二人が、冬の公園で逢瀬を重ねるうちに徐々に心を通わせていく展開が肝で、さりげないエピソードの積み重ねが余韻をもたらす。
作品Q&A
合わない人・注意点は? ストーリー
回答を書く
評価されるポイントは? ストーリー
回答を書く
寄生虫と恋愛の関係は? その他 会員の質問
まだ回答がありません。最初の回答を書いてみませんか?
回答を書く
質問を投稿するにはログインしてください。
質問を投稿
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 寄生虫(フタゴムシなど)の造り込みと、目黒寄生虫館などリアルな舞台が作品の世界観を引き立てる。
- 「恋は本物か、寄生虫による意思か」と問いかける設定が、タイトルの直球さとあわせて読後も考えさせる。
- 潔癖症と視線恐怖症など、欠損や依存の観点から恋愛を掘るテーマが刺さる。
- 二人だけの閉塞した関係や、寒い・雪のある情景との相性がよい。
- 三秋縋作品らしい、退廃的で切なく、幸福と呪いが同居するラブストーリーとして好意的に語られることが多い。
こんな人におすすめ
- 寄生虫モチーフやSF的な味付けのある恋愛物語に惹かれる人。
- 生きづらさ・強迫的なこだわり・視線恐怖など、心のコンプレックスを描いた作品が読みたい人。
- 「自分の感情は本当に自分の意思なのか」と考えるのが好きな人。
- ハッピーエンドともバッドエンドとも取れる、余韻のある終わり方を好む人。
- 過去作(『さくらのまち』など)の雰囲気に近い作品を探している人。
人を選ぶポイント
- 17歳と27歳の年齢差恋愛に、大人の読者ほど違和感を覚える。
- 自殺をめぐる描写や、全体的にろくでもない・退廃的な空気が強く、気持ちをえぐられると感じる読者もいる。
- 寄生虫のグロテスクさや、恋愛感情だけに作用する設定への疑問を挙げる声がある。
- 二人の距離が縮まる過程がやや淡白、モチーフを使い切れていないと感じる。
- ラストの締め方が拍子抜け・モヤモヤと感じる、あるいは印象に残りにくい。
テンポ・読後感
- 読みやすく、最後まで展開が気になると読み進めやすい。
- 疑心暗鬼や閉塞感のある人間関係が、三秋縋作品らしい冬の冷たい空気と重なる。
- 純粋さと歪みが同居する、痛々しくも目が離せない恋の温度感が印象的だ。
- 一方で、途中のデートシーンなど関係深化の描写が薄く感じる。
- 終わり方は儚く美しい、切なくて良い、どちらとも捉えられる、など評価が分かれる傾向がある。
キャラクターへの評価
- 潔癖症の青年と視線恐怖症の女子高生が惹かれ合う姿に、共感や痛々しさを覚える。
- 寄生虫に操られている感覚と、恋することの多幸感を天秤にかける葛藤が好意的に語られる。
- 二人がだんだん好きになっていく初期の部分を特に好んだ。
- 強迫的な確認癖など、日常の「もしかして私の頭にもいるのでは」と妄想できる描写に刺さる読者もいる。
- 端役に至るまで言葉にしにくい何かを感じた、登場人物全体に厚みがある。
巻一覧
この巻のあらすじ
何から何までまともではなくて、 しかし、紛れもなくそれは恋だった。
「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」
失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。 しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことをーー。
星評価・感想
構造レビューと同じ星評価・感想欄に保存されます。平均・中央値は上の「構造レビュー」欄に表示されます。 構造レビューを書く
感想を投稿するにはログインしてください。
まだ感想はありません。
