構造レビュー
星評価
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
編集部
社会不適合者の青年とその予備軍の不登校少女。二人の恋は虫の仕業なのか?
概要
編集部
失業中の青年と不登校の少女が偶然出会い恋に落ちるが、それは彼等の体内に潜んで人間を操る「虫」の仕業だった。果たしてこの恋心は幻覚なのか?自分の気持ちが信じられなくなった男女が下す選択と切なすぎる答えとは。
こんな人におすすめ
編集部
世間からドロップアウトした無職青年と不登校少女の危うい恋愛に惹かれる人 自分に恋愛ができるのか不安を抱いている人 潔癖症や視線恐怖症に悩んでいる人 常日頃から生き辛さを持て余している人 四季の中で冬が一番好きな人
著者情報
編集部
三秋縋(みあき・すがる)は日本の小説家。2011年から2013年にかけ、WEB掲示板2ちゃんねるで「げんふうけい」名義の小説を発表。「人を自殺させるだけの簡単なお仕事です」、「十年巻き戻って、十歳からやり直した感想」、などが話題を呼ぶ。2019年3月、『君の話』で第40回吉川英治文学新人賞候補となる。代表作は以下。 * スターティング・オーヴァー(2013年9月 メディアワークス文庫) * 三日間の幸福(2013年12月 メディアワークス文庫) * いたいのいたいの、とんでゆけ(2014年11月 メディアワークス文庫) * 君が電話をかけていた場所(2015年8月 メディアワークス文庫) * 僕が電話をかけていた場所(2015年9月 メディアワークス文庫) * 夢が覚めるまで(2017年9月5日) * 君の話(2018年7月 早川書房 / 2021年11月 ハヤカワ文庫JA) * さくらのまち(2024年9月 実業之日本社文庫)
イラストレーター情報
編集部
しおんは日本のイラストレーター。モノトーンを多用した、グレイッシュな雰囲気の美少女イラストで人気を集める。イラストを手掛けたラノベは以下。 『さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々』(中西鼎 著)
評価点
編集部
三秋縋作品特有の仄暗い雰囲気と確立された世界観に心を掴まれる人は多い。
【おすすめキャラクター】 '''佐薙ひじり''' 視線恐怖症を患った不登校気味の女子高生。恋愛に疎く、周囲と距離を感じている。冬の公園で出会った高坂と親しくなり、やがて両想いになるのだが……。
評価が分かれる点・問題点
編集部
自殺者や自殺シーンの多さ、寄生虫のグロテスクさがネック。
総評
編集部
潔癖症の無職青年と視線恐怖症の不登校少女、二人の出会いから幕を開けるインモラルなラブストーリー。どうしようもない生き辛さを抱えた二人が、冬の公園で逢瀬を重ねるうちに徐々に心を通わせていく展開が肝で、さりげないエピソードの積み重ねが余韻をもたらす。
ストーリーの説明
編集部
失業中の冴えない青年と気分屋の不登校の少女。他人を愛し添い遂げる自信が持てず悩んでいた二人が、価値観の相似故に惹かれ合い恋人同士になるのだが……。 孤独な青年×臆病な少女のオーソドックスな年の差恋愛ものと見せかけ、人間の本能を操って自殺や生殖に向かわせる寄生虫の存在が開示され、予想だにせぬ方向に話が転がっていく。
キャラクターの説明
編集部
ダメ男とメンヘラ少女しか出てこない。クズ人間率高し。大小の挫折を経験した自殺志願者が多いので、メンタルが落ち込んでいる時は読まない方がいい。
設定・世界観の説明
編集部
人間の情動をコントロールする架空の寄生虫と年の差恋愛を掛け合わせた異色設定が、多くの読者の興味を引いた。シンと冷えた冬の情景や二人が逢瀬を重ねる公園の描写も、モノトーンの静止画のようなエモさをかきたてる。
初心者向けの説明
編集部
静謐な雪景色の中にヘッドホンをはめた少女がひとりたたずむ、しおんの美しい表紙が目を引く。潔癖症の青年と視線恐怖症の女子高生の不健全な恋愛を軸にしたストーリーは、退廃的でインモラルな雰囲気の中に儚さを秘め、一部の読者を魅了する。人間の感情をコントロールする寄生虫の不気味さが、全編に不穏な影を落としていた。
読後感のよさの説明
編集部
物語はビターエンドで締めくくられる。ストーリー上納得感がある幕引きなので、切ない余韻に浸れた。
テンポの良さの説明
編集部
生き辛さを抱えた青年少女の不器用な会話、内省的なモノローグは人を選ぶが、彼等の思考に共鳴できる読者ならどっぷり没入感を味わえる。
読みやすさの説明
編集部
文章は整っており読みやすい。寄生虫を題材にしており、ややグロい描写も見受けられるので苦手な人は注意。高坂とひじりの哲学的な会話は退屈に感じるかもしれない。
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