構造レビュー

編集部判定 判定なし

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

明朗快活な芸術家・リガヤと自殺願望を持った訳アリ中学生・海幸の出会いから始まるひと夏のガールズラブ。一面の向日葵畑に放置された廃列車など、フォトジェニックなロケーションがエモくて素敵。 共に暮らすうちにお互いの弱味や過去を垣間見て、だんだんと心の距離を縮めていくリガヤと海幸の関係性が刺さりました。

キャラクター A (3) レビュー

理由・補足

編集部

主要キャラは全員女性。男性は海幸の担任のみなので、百合の間に男が挟まる心配はいりません。リガヤに関しては普段の天真爛漫な言動と、寝食を疎かにして何十時間も創作活動に打ち込む、盲目的な集中力の落差が印象的でした。海幸のひねくれた物の見方や鬱屈した心情もリアルです。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

思春期の少女が秘めた自殺願望やここではない何処かを求める焦燥感が、心象風景として多用される向日葵畑や廃列車にオーバーラップし、エモさの相乗効果を生み出していました。鄙びた田舎の無人駅にロマンを感じます。

話題性 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

隠れた百合ラノベの傑作として発売当初から一部で話題を呼びます。2023年に人気イラストレーター・椎名くろを起用し星海社から出し直され、復刊を待ち望んでいたファンは狂喜しました。

初心者向け B (2) レビュー

理由・補足

編集部

ジュブナイルやヤングアダルト寄りの作風で、あんまりラノベらしさは感じません。文章は癖がなく読みやすいです。

読後感の良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

孤独な少女二人の再生物語として読めばハッピーエンド。一方で海幸の親子関係や母親の依存体質は何も改善されてないので、不安要素が残ります。 海幸の精神的成長や最愛の姉の死に纏わるトラウマを克服したリガヤの心情が、夏の終わりに相応しい寂しくも爽やかな余韻をもたらしました。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

1巻で過不足なく纏まっています。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

海幸の一人称視点でストーリーが進行するため感情移入しやすく、キャラクターを等身大に感じました。瑞々しい心理描写も好感触です。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

死にたがり少女と気まぐれな芸術家の出会いからはじまる、ひと夏のガールズラブ。

編集部

2007年に出版された『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』(富士見ミステリー文庫)をイラストレーターを差し替え復刊した作品。百合ラノベの隠れた名作として知られている。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

百合・GLが好きな人 夏の田舎が舞台の話が好きな人 天才少女に惹かれる人 病気・障害ものが好きな人 ヤングケアラーの話が読みたい人 共依存のキーワードが刺さる人 無人駅・廃列車・向日葵畑のロケーションにときめく人

編集部

2004年に『Formant Blue』で富士見ヤングミステリー大賞の佳作を受賞。翌年に『フォルマント・ブルー カラっぽの僕に、君はうたう。』に改題し、富士見ミステリー文庫からデビュー。本書はデビュー3作目に当たる『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』(富士見ミステリー文庫)の復刊となります。 2007年にペンネームを瑞智士記に改名。公式サイト

イラストレーター情報

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編集部

人気イラストレーター。『百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 』(オーバーラップ文庫)、『現実でラブコメできないとだれが決めた?』(ガガガ文庫)他、多数のラノベのイラストを手掛けています。 Xアカウント:椎名くろ@kurottari

編集部

百合ラノベが好きなら押さえてほしい一作。傷付いた少女二人の再生物語としても読みごたえあり。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 有賀海幸 片田舎の母子家庭で生まれ育った中学二年生。味覚障害を患っており料理の味がわかりません。生活能力の欠如した母親の面倒を見ているヤングケアラーで自分の名前が嫌い。無気力無感動な少女なものの、正反対なリガヤとの交流を経て、新しい感情を芽生えさせます。

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どんなテーマ・ジャンル? ストーリー
ベストアンサー
切ない・シリアス系の百合ラノベが好きな人は読んで損ありません。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 百合・GLファンの間で評価の高い、ひと夏のガールミーツガールとして語り継がれている。
  • 自殺願望や退廃的な空気を扱いながらも、読後には清々しさや幻想的な美しさが残る二面性が魅力だ。
  • 廃線・無人駅・ひまわり畑・幽霊列車といったロケーションが物語を引き立てている。
  • 1巻完結で余計な要素が少なく、ふたりの関係がダイレクトに伝わる完成度の高さを評価する声が多い。
  • こんぺい糖や儀式的な場面など、象徴的でインパクトの強い百合描写がある。

こんな人におすすめ

  • 正統派の百合・GLが好きな読者。
  • 夏の田舎や廃線、向日葵畑のような退廃と美しさが同居する舞台設定に惹かれる人。
  • 希死念慮やヤングケアラー、共依存といった重めのテーマにも関心がある人。
  • 天才肌・芸術家気質のキャラクターとの出会いを楽しみたい人。
  • 暗い話題を含みつつも、最終的に美しい読後感を求める読者。

人を選ぶポイント

  • 自殺願望・死への志向・鬱々とした退廃感が物語全体に漂っており、かなり重い内容だ。
  • 暗いテーマと対照的に、ラスト付近は美しく胸に来る展開になるため、感情の落差が大きいと感じる読者もいる。
  • 主人公の「男嫌い」設定や母親の人物造形に、説得力を欠く・リアリティに欠けると感じる声がある。
  • 一見明るく見えるリガヤの内面の闇が深く、途中でドン引きすると感じる読者もいる。
  • 絶版で入手しにくかった時期があり、装丁や絵柄が内容と合わないと感じる声もある。

テンポ・読後感

  • ひと夏を描くコンパクトな1巻完結で、テンポよくまとまっている。
  • 夏の情景と死・諦念・閉塞感が同居する、危うくも美しい雰囲気が印象的だ。
  • 文章が落ち着いていて読み心地がよく、映像化したくなるほど情景が浮かぶ。
  • ジュブナイルな青春の悩みと、狂気的・退廃的な要素が混ざり合う独特の世界観だ。
  • 終盤に向けて緊張感が高まり、読後は清涼さや余韻が残る。

キャラクターへの評価

  • 海幸は希死念慮を抱えた中学生で、味覚障害やヤングケアラーとしての生活、自分の名前への拒否感など、どこかふらつく危うさが好まれる。
  • リガヤ(千夏)は廃棄車両を使った創作活動に没頭する芸術家気質の高校生で、海幸より意気揚々と見えながら内面の闇が深いという対比が印象的だ。
  • ふたりの関係は共依存・歪な愛の形として描かれており、精神的な距離が近づく過程の描写が評価されている。
  • 海幸がリガヤに重ねる想いや、リガヤ側の「業」的な要素が関係性の厚みを増している。
  • 母親や周囲の人物造形については、リアリティに欠けると感じる読者もおり、キャラクター評価は分かれる。

巻一覧

幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ
2007年10月 ISBN 9784829164006

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