出版社の装幀室を舞台に、表紙・帯・紙質・文字組みまで含めて本の見た目を設計する装幀家たちを描く職業物語。主人公の本河わらべは内容を踏まえた装幀を重んじ、巻島宗也は売上を優先して本文を読まない主義で、二人の考え方の差が仕事の進め方にそのまま出る。案件では、装幀の方向性だけでなく装画の起用や依頼人の事情も判断材料になり、盲目のヴァイオリニストの恩人探し、新人イラストレーター探しなど、人を探す仕事も絡む。編集や作家との調整を通して、出版の現場で本が形になる過程を追う。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 本の装幀ができるまでの流れを疑似体験でき、書店で表紙を見る目が変わる。
- 売るための装幀と、内容に寄り添う装幀の考え方の違いがはっきりしていて読み比べが楽しい。
- 装幀や本文組み、帯の役割まで含めて、本づくりの裏側に触れられる。
- 仕事小説としてだけでなく、少しミステリー風味の展開やコンペの見せ場もある。
- 本好きなら、紙の本の手触りや見た目の魅力を再確認しやすい。
こんな人におすすめ
- 本の表紙や装幀に惹かれて本を選ぶことがある人。
- 出版・デザイン・イラストの仕事の裏側に興味がある人。
- 本好き同士の価値観のぶつかり合いを楽しめる人。
- 仕事ものに加えて、少し謎解きやコンペ要素も読みたい人。
- 男女バディの掛け合いを中心に読みたい人。
人を選ぶポイント
- 展開は先が読める場面があり、意外性重視だと物足りない。
- 主人公のわらべの言動が合わず、序盤で引っかかる人がいる。
- 前作よりパワーダウンした、驚きが減ったと感じる声がある。
- 物語の都合や人物配置に消化不良を覚える読者もいる。
- 仕事観の違いが強く出るので、価値観のぶつかり合いが苦手だと読みづらい。
テンポ・読後感
- 仕事の手順や考え方を追う場面が多く、じっくり読ませるテンポ。
- 会話の応酬で進むため、重すぎず読みやすい。
- 途中で先が見える部分はあるが、後半にかけて引き込まれる構成。
- 装幀の話題が中心で、本好きにはじわじわ効く手触り。
- 少しミステリー寄りの味つけがあり、軽さと考えさせる要素が両立している。
キャラクターへの評価
- わらべは本への熱量が強く、まっすぐだが、押しの強さが気になる人もいる。
- 巻島は内容を読まずに売れる装幀を作る実務派で、理屈と押しの強さが目立つ。
- 正反対の二人がぶつかりながらも、仕事の相性は悪くないと受け取られている。
- 二人の距離感や掛け合いを好意的に見る声が多い。
- 周囲の人物や家族の描写は、仕事への姿勢を際立たせる役回りとして印象に残っている。
巻一覧
この巻のあらすじ
この本にはどんな表紙が似合うだろう? イラスト? 写真? それともロゴだけ? 紙の種類は、帯の有無は、中身の文字組みはどうしよう? こうして試行錯誤を繰り返して、時には編集や作家と熾烈に火花を散らせながらも、その本だけのぴったりなデザイン“本の表情”を生み出すのが『装幀家』の役割だ。それを信条に出版社の装幀室で働く本河わらべは、その男の言葉が信じられなかった。巻島宗也。手がけた本がことごとく売れる気鋭の装幀家。「本の内容には目を通さない主義だ。中身を読もうが読むまいが、売り上げが変わるとでも思っているのか?」
この巻のあらすじ
“本の表情”を創りだすお仕事『装幀家』。次なる仕事は“恩人探し”に“新人探し”--? 会社の合併によりコンビで仕事をすることになった本好きの装幀家・わらべと、売り上げ史上主義で本の内容は気にしない巻島。二人に任せられた次なる仕事には、ふたつの“探し物”が絡んでいた。 幼い日、演奏で自分を救ってくれた名も知れぬ恩人に直接お礼が言いたい盲目のヴァイオリニストからの依頼。 人気小説家の装画を描いてもらう、新人イラストレーターを探す装画コンペの審査員。 『装幀室』で巻き起こるドラマ、全二篇をお届けします。
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