『アクティベイター』は、羽田空港に飛来した中国のステルス爆撃機と、機内にあるとされる核兵器をめぐって展開する国際テロサスペンスです。舞台は東京とその行政・外交・治安の現場で、警察庁の鶴来と警備員の真丈を中心に、各国の工作員や情報機関、中央省庁の思惑が交錯します。核起爆の鍵を握る女性パイロットの身柄を追う中で、誰が敵で誰が味方か判然としない状況が続き、都市全体を巻き込む緊迫した追跡劇として進みます。単巻構成で、国際政治、諜報、国内行政の動きが一つの事件に集約されています。核危機を軸に、人物の立場と判断が連鎖する構成です。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 羽田空港に飛来した中国機を起点に、各省庁・自衛隊・裏組織が絡む国際謀略の広がりが大きい。
- 義兄弟コンビの役割分担がはっきりしていて、肉体派と頭脳派の対比が読みやすい。
- 格闘シーンの描写が細かく、動きや技の理屈まで追える密度がある。
- 会議室の駆け引きと現場のアクションが並行して進み、勢いが落ちにくい。
- 東京を舞台にしたスケール感と、映画的な見せ場の多さが印象に残る。
こんな人におすすめ
- 国際スパイもの、軍事サスペンス、ポリティカルアクションが好きな人。
- 緻密な格闘描写や、アクションの理屈まで味わいたい人。
- 義兄弟バディもの、強い主人公コンビを楽しみたい人。
- 分厚い長編でも、勢いで一気読みしたい人。
- 映像作品のような派手さと情報量を求める人。
人を選ぶポイント
- 格闘描写がかなり細かく、好みが分かれやすい。
- 組織や利害関係が複雑で、人物配置を追うのに少し集中力が要る。
- 説明や設定が多く、テンポ重視の人には長く感じる場面がある。
- 主人公側が強く、緊張感の出方がやや偏ると感じる読者もいる。
- 核心の謎や背景がすべて明かされないため、続編前提の読後感が残る。
テンポ・読後感
- 冒頭から切迫感が強く、事件が動き出すと止まりにくい。
- 会議室の頭脳戦と現場の肉弾戦が同時進行し、緊張と爽快感が交互に来る。
- 分厚さのわりに読み進めやすく、一気読み向きのスピード感がある。
- 迫力は大きいが、細部の説明が多いぶん重厚さもある。
- 映画やアクションドラマを見ているような、派手で熱量の高い読後感。
キャラクターへの評価
- 義兄弟コンビの相性が強みで、肉体派と頭脳派の対照が際立つ。
- 真丈は戦闘力の高さと無双感が印象的で、頼もしさが前面に出る。
- 鶴来は状況整理や駆け引きで存在感があり、知略面を支える。
- 敵側も工作員、暗殺者、特殊部隊員など粒立っていて、キャラの数が多い。
- 一部の脇役は強い個性で記憶に残り、映像化を想像したくなる造形。
巻一覧
この巻のあらすじ
標的は、日本国民1000万人ーー。
羽田空港に突如、中国のステルス爆撃機が飛来した。 女性パイロットは告げる。「積んでいるのは核兵器だ」と。
核テロなのか、あるいは宣戦布告なのか。 警察庁の鶴来(つるぎ)は爆撃機のパイロットを事情聴取しようとするが、護送中に何者かに拉致されてしまう。
囚われた彼女を助けたのは鶴来の義兄で警備員の真丈(しんじょう)だった。 真丈は彼女に亡き妹の姿を重ね、逃亡に手を貸す決意をする。
核起爆の鍵を握る彼女の身柄をめぐり、中国の工作員、ロシアの暗殺者、アメリカの情報将校、韓国の追跡手が暗闘する。
一方、羽田には防衛省、外務省、経産省の思惑が交錯する。
いったい誰が敵で、誰が味方なのか。なぜ核は持ち込まれたのか。 爆発すれば人類史上最大の犠牲者がーーその恐怖の中、真丈と鶴来が東京中を奔走する。
『天地明察』、『十二人の死にたい子どもたち』、「マルドゥック」シリーズ等数々のヒット作を生み出した著者が、作家生活25年のすべてを込めた極上の国際テロサスペンスが遂に文庫化!
【プロフィール】 冲方 丁(うぶかた とう) 1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。 2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。 主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『麒麟児』『もらい泣き』『骨灰』などがある。
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