ジャンル
山奥の旧家「天狗屋敷」を舞台に、失踪した当主の遺言状開封、山林をめぐる遺産争い、棺から消えた遺体などの事件が起こる本格寄りのミステリ作品です。婚約者として一族の家に連れてこられた女性と、事件を追う“なんでも屋”が中心となり、閉ざされた屋敷と一族の因縁を軸に物語が進みます。横溝正史作品を思わせる旧家ものの構図を下敷きに、因習めいた空気と連続する難事件を組み合わせた一冊完結型の構成です。シリーズは単巻で、続編や外伝の情報はありません。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 山奥の旧家、遺産相続、連続殺人が重なる王道の屋敷ミステリとしての手触りがある。
- 物理トリックや大仕掛けの発想が派手で、再現性の検証を含めて読みどころになる。
- 探偵役と語り手の掛け合いが軽妙で、重い題材でも読み口はかなり軽い。
- キャラクターの癖が強く、事件そのものより人物の濃さで引っ張る勢いがある。
- 横溝正史や島田荘司を連想させる要素を楽しめる人には刺さりやすい。
こんな人におすすめ
- 屋敷もの、本格ミステリ、遺産相続ものの定番要素が好きな人。
- 物理トリックや大掛かりな仕掛けを「理屈込みで楽しむ」タイプの読者。
- シリアス一辺倒より、軽快な文体やコミカルな会話も欲しい人。
- 濃いキャラ同士の掛け合いを楽しみたい人。
- 横溝作品の空気感を下敷きにした現代的なミステリを試したい人。
人を選ぶポイント
- 横溝正史オマージュの期待値が高いと、雰囲気の違いに肩透かしを感じやすい。
- トリックは大掛かりで、図解や見取り図が欲しくなるほど把握しづらい場面がある。
- 文体の軽さやユーモアが、シリアスな事件と噛み合わないと感じる場合がある。
- ヒロインや探偵役の造形が強烈で、好みが分かれやすい。
- 事件の骨格が早めに見えると、驚きの度合いはやや下がる。
テンポ・読後感
- 文章はライトでテンポが速く、するすると読み進めやすい。
- 事件の内容は陰惨でも、会話や語り口が軽いため重苦しさは薄い。
- 連続事件と大仕掛けが次々出てきて、勢いで押していく感触が強い。
- コメディ寄りの空気と本格ミステリの緊張感が同居している。
- 終盤は切なさや余韻を残す受け止め方が目立つ。
キャラクターへの評価
- 語り手の古賀はイケメンだが、どこか抜けていて貧乏くじを引く役回りとして見られている。
- 樋山は頭が切れる一方で、俺様気質や軽薄さが強く、好みが分かれる。
- 翠はヤンデレ、メンヘラ、病み気味など強い印象で、事件以上に記憶に残りやすい。
- 登場人物全体が濃く、キャラの書き分けがわかりやすい。
- 事件の犯人像より、探偵コンビや周辺人物の掛け合いが印象に残る。
巻一覧
天狗屋敷の殺人
この巻のあらすじ
分からんのか? つまり、犬神家状態ってわけだよ。ヤンデレな恋人・翠(みどり)の婚約者として連れていかれた彼女の実家は、山奥に立つ霊是(りょうぜ)一族の“天狗屋敷”。失踪した当主の遺言状開封、莫大な山林を巡る遺産争い、棺から忽然と消えた遺体。奇怪な難事件を次々と解決するのは、あやしい“なんでも屋”⁉「いつかまた会えたらいいね」--夏が来るたび思い出す、あの陰惨な事件と、彼女の涙を。横溝正史へのオマージュに満ちたミステリの怪作。
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