2020年、コロナ禍で日常が変わった夏を舞台に、劇団の脚本係である“俺”と主演女優サリエロが、次の公演『4回転サイタマ』の準備に取り組む現代青春小説。世間からは自粛や三密回避を求められ、上演の見通しも揺れるなか、稽古や台本作業、役者同士のやり取りを積み重ねながら、公演をどう形にするかが物語の軸になる。集まること自体が難しくなった状況で、劇団が何を優先し、どこまで舞台を目指すのかが一夏を通して描かれる。コロナ対応が日常に入り込んだ現代社会の空気が、そのまま劇団の活動と舞台づくりに反映される。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- コロナ禍の空気感を、劇団の準備や日常の揺れとしてかなり生々しく切り取っている。
- 演劇に青春を注ぐ若者たちの熱量と、制限された現実のあいだのやりきれなさが残る。
- ただの時事ネタではなく、当時の不安や不完全燃焼感まで物語に組み込んでいる。
- さらっと読める一方で、現実と重なる感情の引っかかりが残る。
- 2020年の夏を知る読者には、記憶を呼び起こす題材として刺さりやすい。
こんな人におすすめ
- コロナ禍を題材にした小説や「コロナ文学」に関心がある。
- 演劇、劇団、舞台づくりを軸にした青春群像が好き。
- きれいにまとまる話より、余韻やモヤモヤを残す作品を読みたい。
- 現代の空気を反映したリアル寄りの青春小説を求めている。
- 軽めに読めるが、感情の手触りは欲しい読者に向く。
人を選ぶポイント
- コロナ禍の描写が前面に出るため、時事性の強い題材が苦手だと入りにくい。
- すっきりしたカタルシスや明快な解決を期待すると物足りなさが残る。
- 青春ものとしては、作り物っぽさや平板さを感じる読み手もいる。
- 物語の展開よりも空気感や感情の記録に寄るため、ドラマ性重視だと合わない。
- 作品のトーンは明るさ一辺倒ではなく、ほろ苦さが強い。
テンポ・読後感
- 全体は軽快で、気負わず読み進めやすい。
- 夏の劇団活動を軸に、じわじわ不安と熱量が積み重なる。
- ただ明るい青春ではなく、制限下の息苦しさが常にまとわりつく。
- 終盤まで「うまくいかない感じ」が残り、読後も静かなざらつきが続く。
- 現実の2020年を思い出させる、ほろ苦くて生々しい手触り。
キャラクターへの評価
- 劇団員それぞれの立場や年齢差があり、群像としての厚みがある。
- 演劇にかける情熱が強く、そこが作品の芯になっている。
- まだ掘り下げられそうな人物がいる。
- みんなが同じ方向を向ききれない複雑さが、人物像にリアリティを与えている。
- 主人公たちの「やるべきことをやる」姿勢が印象に残る。
巻一覧
ニューノーマル・サマー
この巻のあらすじ
2020年、日常が一変したコロナの夏。俺たちは次の公演『4回転サイタマ』の準備を始めた。世間からは“不要不急”“要警戒三密指定生物”として避けられ疎まれ、“自粛”を要請されながらも、たった一度きりの今しかないこの瞬間に、青春のすべてを注ぎ込む。はたして舞台の幕は上がるのか――。劇団脚本係の“俺”と主演女優“サリエロ”の一夏を描く、笑いあり涙ありのウィズ・コロナ青春小説。
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