本作は、大学の図書館に「優しい女の子の幽霊が住んでいる」という噂を背景に、大学二年の創が黒髪の少女・美琴と出会う現代恋愛小説。鉛筆を落とした出来事をきっかけに二人は知り合い、静かな図書館の中だけで筆談を重ねながら距離を縮めていく。会話の場が図書館に限られるため、日常の延長にある静けさと、幽霊という前提が同時に物語を支える。創が募らせる想いと、美琴がそれをどう受け止めるかを軸に進み、告白のあとに理由を残した別離へつながる。恋愛の進行は、言葉を口にせず文字だけで交わす関係の変化として描かれ、噂の正体よりも、限られた時間と場所で育つ気持ちの動きが中心になる。

構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

タイトルから、一瞬ファンタジーかオカルトの要素がある作品かと感じられるが、実際のストーリーはそんなことはない。大学生になった主人公が、図書館で1人の少女と出会うところから始まり、彼女との穏やかな恋模様が描かれる。彼女の真相に行きつくまでは、若干ミステリー的な印象も受けた。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

主人公の名前が間違えられやすいというところを、最初のあたりで話題にされており、それが逆に主人公の大学での姿などを強く印象づけた雰囲気である。また、大学の友人や知人、家族など多くのキャラクターが登場するが、それぞれに場面の役割がしっかりしている印象だった。

設定・世界観 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

大学内での学園キャンパス的な内容だけではなく、その周囲の家族、知人なども話に出てきて、世界観的には広さを感じた。キャラクターは多数登場するが、それぞれがしっかりとしており、混在しないイメージである。世界観として狭くなりすぎていない印象がよいと感じた。

話題性 C (1) レビュー

理由・補足

編集部

特になし

初心者向け S (4) レビュー

理由・補足

編集部

大学と大学生がメインの話なので、割と最近の若者向けの言葉、単語が多く、共感しやすいと感じた。そのため、初心者というよりは年代でやや印象が分かれるのではないか、と感じられる。

読後感の良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

すべてが落ち着き、すっきりとした印象の読後感。主人公と少女がこれからどうなっていくのか、気になるというよりは、穏やかに進んでいくのを願いたくなるような終わりであった。

テンポの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

大学内での話だけでなく、家族とのこと、大学の外でのことなど織り交ぜてあり、テンポがよく感じられた。

読みやすさ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

文章として、単語などがやや若者向けではないかと感じられる。SNSをするなど、さまざまな場面で大学生らしさの表現があった。悪い印象はないが、読む年代が若干分かれ、読みやすさも分かれそうな印象を受けた。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

大学生になった主人公が、図書館で一目ぼれした女性との穏やかな時間と恋を見ることができる。

編集部

大学生の主人公は、幽霊が出るという図書館で少女に一目ぼれする。彼女は幽霊なのか?でも交流を続けるとそうではない真実が見えてくる。彼女に向ける純粋な愛情と、彼女の事情。大学生活、友人、家族など、多くのことが重なりながらも、主人公は少女への気持ちを大事に進んでいく。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

・図書館の出てくる話が好きな人 ・穏やかな雰囲気が好きな人 ・穏やかな大学生活に憧れがある人 ・一目ぼれや純愛などが好きな人

  • AI分析(あらすじ)

    大学を舞台にした現代恋愛や、幽霊の噂を含む静かな関係性に関心がある読者。

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編集部

聖いつき 熊本県出身、福岡県在住。本作にてエブリスタ小説大賞2018スターツ出版文庫大賞恋愛分門賞を受賞。

イラストレーター情報

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編集部

大城慎也 イラストレーター、グラフィックデザインなどを手掛ける。

編集部

本作でエブリスタ小説大賞2018スターツ出版文庫大賞恋愛分門賞を受賞

編集部

タイトルからは想像できない純愛の物語であったと感じた。図書館で出会った少女の真相に、主人公がたどりつくまでは、ミステリーっぽさも感じるので、幅広く楽しめると感じる。穏やかな世界観の中に、人としての現実、これからの将来など、多くのことが盛り込まれており、ただの読むだけではもったいないような印象さえ受けた。

作品Q&A

合わない人・注意点は? ストーリー
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若干若者向け(もしくはそういう方面に強い人向け)の単語が多々あるかと感じた。

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文体はどんな感じ? ストーリー
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丁寧で読みやすく、わかりやすいが、やや若者向けの単語選びが多いように感じた。文章自体が読みやすいので、深くは気にならない。

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世界観の作り込みは? 世界観
ベストアンサー
大学生が主人公で、現代の若者の雰囲気の中に、昔ながらの図書館を登場させるところで、世界観として反対のような雰囲気でありながら、それを丁寧にまとめている印象を受けた。

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評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
純愛ものなのか、ホラーやファンタジーものなのか、タイトルでは微妙に判断できないところも、読み進めていくうちに解消されて引き込まれる作品。大学生らしい若者の様子の中に、図書館という落ち着いた空気が漂うので、一見ミスマッチしているように見えたが、最終的にはきちんとおさまっていると感じた。 【おすすめキャラクター】 創 ソウではなくハジメと読む。周囲はからかってソウと呼んだりすることもあり、大学での人間関係はまずまず良好。家族や知人との交流を経て、図書館で出会った少女の真相にたどり着く。

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この作品の特徴は? ストーリー
ベストアンサー
大学生の主人公は、幽霊が住んでいるという噂の図書館で少女と出会う。距離を縮めていく少女と、少女の真相を知る主人公。もどかしい恋の行方が気になる作品。

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どんなテーマ・ジャンル? ストーリー
ベストアンサー
しっかり読み進めること、最後まで読むことで、ファンタジーではなく恋愛もの、純愛ものであると把握できる印象。恋愛といっても、心を大きく揺さぶるようなものではなく、相手を思うあたたかな気持ちになれる作品。図書館で出会った少女の真相がわかるまでは、若干ミステリーのような印象も受けた。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 言葉遣いが整っていて温かく、読後にじんわり余韻が残る。
  • 大学の図書館を舞台に、静かな空気の中で進む純愛・一目ぼれの物語だ。
  • スケッチブックでのやりとりなど、図書館ならではの淡い恋のシチュエーションが好評。
  • 「不便ではあるけど、不幸じゃない」といった前向きな言葉や、障がいへの向き合い方に共感・励ましを感じた。
  • ラジオ番組制作やアナログな音響づくりなど、日常と創作活動が絡む部分も魅力だ。

こんな人におすすめ

  • 図書館が舞台の物語や、落ち着いた読書空間の雰囲気が好きな人。
  • 穏やかな大学生活、静かな恋愛、純愛・一目ぼれものを求める読者。
  • 勢いより丁寧な感情描写を好む人。
  • 若者の成長や、互いに向き合いながら前に進む関係性に惹かれる人。
  • ティーン時代に読みたかった。

人を選ぶポイント

  • 恋敵役の先輩や、一部家族まわりの反応が「典型的にイヤ」で邪魔に感じる。
  • ヒロイン描写がオタク趣向強めで、可愛らしさや感情移入は人によって分かれる。
  • 王道ラブストーリーとしては分かりやすい一方、展開が王道すぎる・深掘り不足に感じる読者もいる。
  • 勢いで押すタイプではなく、技術面の未熟さを感じるという批評がある。
  • 年齢を重ねた読者には、もどかしさやイライラを覚える場面もある。

テンポ・読後感

  • 全体として静かで穏やか、急がないテンポだ。
  • 前半は図書館での不思議な恋色の日常、中盤以降は物語の重心が変わる。
  • 文章は洗練されていてやや冷たく見える場面もあるが、根底には温かさがある。
  • 互いに向き合い、同じ方向を見られるようになる過程に心が温まる。
  • 派手さより優しさや素直さを重視した、清々しい読み味だ。

キャラクターへの評価

  • 創は一途で真っ直ぐ、周囲の揺さぶりにも動じない気骨のある青年として好意的に語られることが多い。
  • 美琴は前向きで芯が強く、自分の状況を言葉にできる人物だ。
  • 創の行動力や、相手をこの世界へ引き上げようとする姿勢に共感・応援の声がある。
  • 優花先輩は妨害役として「嫌なやつぶり」がよく書けているが、余計な邪魔役に感じる読者も多い。
  • サブキャラの性格は描き分けられている一方、メインヒロインへの感情移入は読者によって差が出る。

巻一覧

僕が恋した図書館の幽霊
2019年9月 ISBN 9784813707592
この巻のあらすじ

『大学の図書館には優しい女の子の幽霊が住んでいる』。そんな噂のある図書館で、大学二年の創(はじめ)は黒髪の少女・美琴に一目ぼれをする。彼女が鉛筆を落としたのをきっかけにふたりは知り合い、静かな図書館で筆談をしながら距離を縮めていく。しかし美琴と創のやりとりの場所は図書館のみ。美琴への募る想いを伝えると、「私には、あなたのその気持ちに応える資格が無い」そう書き残し彼女は理由も告げず去ってしまう…。もどかしい恋の行方は…⁉

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