人類文明が滅び、太陽が燃え尽きつつある凍結世界を舞台にした旅の物語です。記憶を失った自動人形の少女リーナと、出来損ないの人形技師レミは、壊れかけたリーナの死を止める手がかりを求めて、東の果てにあるという《楽園》を目指します。頼れる相手のいない荒廃した世界で、修理と移動を重ねながら二人が進む構図が作品の軸になっています。滅びゆく世界の中で、限られた時間と身体の問題を抱えた二人の道行きが中心です。

構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

終末世界を旅するレミとリーナ、強い絆で結ばれた二人の旅路が描かれていく。謎多きリーナの正体やレミとの友情もストーリーを引っ張っていた。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

登場人物は非常に少なく、物語の大半がレミとリーナのみで進行する。2人の感情や関係性の変化が丁寧に綴られているのが肝。

設定・世界観 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

太陽の寿命が尽きかけた終末世界。冷たい雪が降り続いて文明は崩壊し、地上には嘗ての繁栄の残響を偲ばせる、無機質な廃墟群が広がっている。過去のテクノロジーで生み出された自動人形が少数稼働している。

話題性 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

百合ラノベ読者の間では話題になったが、他ではほぼ無風だった。

初心者向け A (3) レビュー

理由・補足

編集部

儚く美しい百合好きにはおすすめ。全体の雰囲気は『少女終末旅行』に近く、レミとリーナの尊い友情を堪能できる。

読後感の良さ B (2) レビュー

理由・補足

編集部

人類の滅亡が避け得ぬ終末世界が舞台となっている為、二人が経験する出会いと別れが切ない余韻を残す。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

1巻でコンパクトに纏まっている。一応SFに属する内容だが、世界観の説明に尺を費やす冗長さは感じられない。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

文章は読みやすい。レミとリーナのピュアな掛け合いが愛らしい。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

太陽の寿命が尽きかけた終末世界を人間と自動人形の少女が旅する

編集部

太陽の寿命が尽きかけた終末世界。記憶喪失の自動人形の少女と人間の少女が東の「楽園」を目指して旅を続けるロードノベル。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

人外&人間の美しい友情に感動したい人 終末世界が舞台の百合ロードノベルが好きな人 壊れかけの自動人形の少女の秘密を知りたい人

  • AI分析(あらすじ)

    終末世界の旅物語を読みたい人。自動人形や修理の要素、少女二人の道行きに関心がある人。

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    レビューを読む

編集部

藻野多摩夫は日本のラノベ作家。 代表作は他に『鬼とめおとの古物商 アンティークに思い出をこめて』『できそこないのフェアリーテイル』『オリンポスの郵便ポスト』など。

イラストレーター情報

この項目をレビュー

編集部

みきさいは日本のイラストレーター。ラノベのイラストを数多く手掛ける。代表作は以下。 集英社ダッシュエックス文庫「吸血鬼は僕のために姉になる」 KADOKAWAスニーカー文庫「魔導書学園の禁書少女」 KADOKAWAファンタジア文庫「清楚怪盗の切り札、俺。」

編集部

人類滅亡に瀕した世界をワケあり少女二人が旅する、百合風味なSFロードノベル。『少女終末旅行』や『エリオと電気人形』にテイストが似ており、両作のファンなら楽しめる。厭世観に囚われたリーナの儚げなたたずまいや、友達を延命したい一心で実在の不確かな楽園を探し求める、レミの内なる焦燥が伝わってきた。絶望と希望の相反する二面性を象徴する、雪や氷の描写も美しい。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 リーナ 記憶を失った自動人形<オートマタ>の少女。自分が壊れてしまうことに怯えている。過去の故障のせいで片腕が動かず、あちこちガタがきている。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 終末世界を旅するロードムービーとして、道中で出会う人々との一期一会のエピソードが印象に残る。
  • 「始まりと終わり」を軸に、想いや存在を誰かへ残そうとする描写に心を動かされた。
  • レミとリーナの相互への思いやりや掛け合いから、切なさの中にも優しさや温かみを感じた。
  • 感傷的になりつつも笑顔になれる空気感や、複数視点の丁寧な描写が好評。
  • あらすじ通りの王道展開を素直に楽しめる作品だ。

こんな人におすすめ

  • 終末世界を舞台にした旅物・ロードノベルが好きな人。
  • 人間と自動人形の絆や、壊れかけの少女の記憶を取り戻す過程に興味がある人。
  • 世界観や雰囲気を味わいながら、感傷的でありながらほっこりする物語を読みたい人。
  • 同作者の『オリンポスの郵便ポスト』の雰囲気が好きだった人。
  • オートマタを「女の子」として受け入れられる読者(百合要素の感じ方には個人差がある)。

人を選ぶポイント

  • 類似の終末旅ものと比べ、世界観の解像度や旅の目的感がやや薄く感じる。
  • 第二章以降、テンプレ的で張りが欠ける・後半がくどいと感じる読者もいる。
  • 太陽の死という設定に対し、文明や社会の描写が十分に支えられていない。
  • ポストアポカリプスとしては生き残りが多く、悲劇性や深刻さが甘めに感じられる。
  • 2000年経過の設定説得力や、遠未来設定への違和感を覚える。

テンポ・読後感

  • 序盤の旅立ちは期待通り楽しく、緊張感を持ちながら読み進めやすい。
  • 短編形式の道中エピソードが物語を区切り、サブキャラの個性が光る一方、もっと深く見たいと感じる声もある。
  • 切なくて心がほっこりする、感情が揺さぶられる読後感を挙げる声が多い。
  • ストーリーより世界観や雰囲気を味わう読み方が向いている。
  • 目的地到達以降の展開がやや長く感じる、あるいは後半の好みが分かれる。

キャラクターへの評価

  • 壊れかけの自動人形・リーナへの共感や、記憶と自分の存在への不安が刺さった。
  • できそこない人形技師・レミの「すべてひっくるめて一緒にいたい」気持ちと、リーナとのやり取りがかわいい・魅力的。
  • 絵柄と逆だと感じた性格のギャップに驚き、二人の関係の深まりが面白い。
  • 旅先で出会う人々の個性が際立ち、在りし日々の彼らの物語も見てみたいと思わせる。

巻一覧

さいはての終末ガールズパッカー
2020年8月 ISBN 9784049131994
この巻のあらすじ

記憶を失った自動人形《オートマタ》の少女リーナ。出来損ないの人形技師でトラブルメーカーのレミ。百億歳を過ぎた太陽が燃え尽きようとする凍える世界で二人は出会った。 「ねえ、レミ。私、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだ」 「リーナは私が直してあげるから!」 人類の文明が滅んだ世界で、頼る者もいない。それでも壊れかけた人形の死を食い止めるため、二人の少女は東の果てにあるという《楽園》を目指す。 ――きっと間に合わない。でも、最後の最後までレミと一緒にいたい。 終わりゆく世界で二人の旅は続く。

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