火星への本格入植から二百年後の赤い惑星を舞台に、長距離郵便配達員の少女エリスを中心とした移動の物語が描かれる。災害と内戦で都市が分断された火星には、オリンポス山頂の郵便ポストへ手紙を届けると願いが届くという都市伝説が残る。エリスは機械の身体を持つ改造人類クロを山頂まで運ぶ依頼や、地球との八十年ぶりの交信再開に関わるメッセの送迎を通して、エリシウムや死の渓谷ルクス・グラーベンなど各地を横断する。郵便、通信、改造人類、戦争の痕跡が、火星の地理と人物関係を結びつけるシリーズ。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
火星の郵便配達人と改造人類がオリンポスのポストを目指すロードノベル
編集部
人類が宇宙に進出してから二百年後、不毛の惑星・火星に入植した人々は何度かの戦争や都市の分断を経て辛うじて生き残っていた。そんな火星最大の火山、オリンポス山のてっぺんには神様がどこへでも誰にでも手紙を届けてくれる郵便ポストがあった。長距離郵便配達人のエリスは改造人類のクロをオリンポスの郵便ポストに届ける任務を頼まれて……。 火星が舞台のヒューマンドラマ。エリスのまっすぐな成長とクロの優しさに感動した。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
壁井ユカコ『キーリ 死者たちは荒野に眠る』のファン 浅田弘幸『テガミバチ』のファン 終末的世界観のロードノベルが好きな人 人外×少女のロードノベルが好きな人 異種族間の友情物語に心震わせたい人
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AI分析(あらすじ)
火星植民地、長距離移動、郵便配達、改造人類、惑星間通信の要素がある物語を読みたい人に向く。
著者情報
この項目をレビュー編集部
藻野多摩夫は日本のラノベ作家。終末世界が舞台のSFロードノベルを得意とする。代表作は以下。 『鬼とめおとの古物商 アンティークに思い出をこめて』 『できそこないのフェアリーテイル』 『さいはての終末ガールズパッカー』
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
いぬまちは本作で商業デビューを果たしたイラストレーター。愛くるしい少女からメカまで幅広い題材を描きこなす。
受賞歴
この項目をレビュー編集部
第23回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞。
編集部
第23回電撃小説大賞選考委員奨励賞に輝いたラノベ。郵便配達人の少女が改造人類(ロボ)と共に長い旅路を経てオリンポスの郵便ポストを目指す、ロマンあふれる設定に魅せられた。エリスの一人称語りは親しみやすく好感が持てる。合間合間に挟まれる手紙も、ラストの余韻を引き立てていた。
作品Q&A
評価されるポイントは? ストーリー
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 静かに衰えていく火星を舞台に、郵便配達や「届ける・繋ぐ」というテーマが物語の芯として響く。
- 絶望的な世界観の中でも、守りたい人への想いや希望をつないでいく姿に、切なさと眩さを感じた。
- テラフォーミングや火星の地理・地質、食料生産など、SF設定の厚みと世界観の掘り下げが評価されている。
- 物語の骨格や謎の解明、テーマの一貫性がしっかりしているうえ、読後に充実感や余韻が残る。
- 淡い色調のイラストが作品の雰囲気に合っている。
こんな人におすすめ
- 終末・荒廃した世界を旅するロードノベルが好きな人。
- 火星や宇宙を舞台にしたSFファンタジーに惹かれる人。
- 人外や改造人類と少女の絆、異種族間の友情物語に心を動かされたい人。
- 重いテーマ(倫理、罪悪感、生きる意味)を含みつつも前を向く物語を読みたい人。
- 前作の余韻を引きずりながら、新たな出会いと成長を描く続編タイプにも関心がある人。
人を選ぶポイント
- 文章の粗さ、誤字や表現の繰り返し、推敲不足の印象を指摘する声がある。
- 前作と比べて戦闘・アクション描写が多く、郵便・手紙要素が薄く感じる。
- 第1巻の完成度が高いため、続編は蛇足に感じる、あるいは評価が下がる。
- 新キャラの当初の振る舞いが不快に感じる、キャラクター受容に時間がかかる。
- 展開のご都合主義さ、要素の詰め込みによる描写の薄さ、レトロSF要素とのトーンのズレを気にする声も見られる。
テンポ・読後感
- 電撃文庫にしては情報量が多く、じっくり読む作品。
- 全体として切ない・感動系のファンタジーで、読後に胸がぎゅっとされる余韻が残る。
- 序盤〜中盤はアクション寄りでテンポが速く感じる一方、終盤は感情が一気に押し寄せる展開だ。
- 絶望的な空気の中にも、童話的な雰囲気や「生きる」ことへの光が差す読み味だ。
- 前作より景色の壮大さは控えめに感じるが、SF色はより強く、関係性の描写が前面に出る印象だ。
キャラクターへの評価
- エリスは純粋で心優しい郵便配達人として愛され、前作からの成長や喪失を抱えたまま旅を続ける姿が愛おしい。
- クロは前作での絆の象徴として強く記憶され、回想や心の整理を通じて物語に深みを与えている。
- メッセは最初はわがままで距離を感じる読者もいるが、共に過ごすうちに信頼関係が築かれ、成長が印象的だ。
- 人造兵器キャトルに芽生える信仰のような要素は、世界観の不気味さや深みとして語られることがある。
- 二人(あるいは複数)の少女が反発し合いながらも支え合う、王道の友情・成長物語として読める。
巻一覧
この巻のあらすじ
火星へ人類が本格的な入植を始めてから二百年。この星でいつからか言い伝えられている、ある都市伝説があった。オリンポスの郵便ポスト。太陽系最大の火山、オリンポス山の天辺にあるというその郵便ポストに投函された手紙は、神様がどこへでも、誰にでも届けてくれるという。――そう、たとえ天国へでも。度重なる災害と内戦によって都市が寸断され、赤土に覆われたこの星で長距離郵便配達員として働く少女・エリスは、機械の身体を持つ改造人類・クロをオリンポスの郵便ポストまで届ける仕事を依頼される。火星で最も天国に近い場所と呼ばれるその地を目指し、8,635kmに及ぶ二人の長い旅路が始まる――。
この巻のあらすじ
「地球人類は火星を見捨ててはいません。我々は皆さんを助けに来ました」 オリンポス山の麓に不時着した謎の宇宙船に乗っていたのは、地球の全権大使を名乗る少女・メッセだった。八十年ぶりに再開される地球と火星の交信のため、エリスは彼女を火星の首都・エリシウムへと送り届けることになる。目的地に至るため、過去の戦争により汚染された死の渓谷《ルクス・グラーベン》を渡る二人の危機を救ったのは、かつてのクロの面影のあるレイバーだった。「お願い! クロ! 目を覚まして!」 そして死の渓谷に隠された施設で彼女が見たものとは――。第23回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞の感動作、第2巻登場。
星評価・感想
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