婚礼の夜の政変で廃妃となった劉美凰は、幽閉ののち、不死となるほどの奇しき力を抱えたまま十年を過ごす。新帝となった幼なじみの司馬天凱に請われ、皇太后として再び後宮へ戻った彼女は、都を襲う鬼病、妃嬪が奇妙な石を産む異常事態、地方に広がる蝗害などに向き合う。後宮の規律と皇位継承、妃嬪や皇族の思惑、怪異の調査、災厄の収拾が同時に進み、劉美凰と天凱、異母兄の白遠をめぐる距離感も物語の軸になる。舞台は後宮の密室性から都城全体、さらに地方の災害へと広がり、王朝の内と外が連動する構図で描かれる。断罪された過去を持つ美凰が、皇太后として何を担うかがシリーズ全体を通して据えられている。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 中華後宮ものに異能、妖魔、怪異、病が重なるダーク寄りの展開が強い。
- 美凰の過酷な境遇と、それでも前に出て動く姿が印象に残る。
- 天凱や白遠との関係に、恋愛だけでなく同志感や切なさがある。
- 事件のたびに後宮と地方の災厄が並走し、読み応えのある構成になっている。
- 漢字やルビ、役職名まで含めた濃い中華風の世界観が刺さる。
こんな人におすすめ
- 重めの中華ファンタジーや後宮ものが好きな人。
- 異能、妖魔退治、怪異調査の要素を楽しみたい人。
- 恋愛一辺倒より、因縁や関係性の変化を追いたい人。
- しんどい過去や残酷描写があっても物語の厚みを重視する人。
- 文字量や固有名詞の多さを含めて読み応えを求める人。
人を選ぶポイント
- 処刑、拷問、怨恨が前面に出るため、軽い後宮ロマンスを期待すると重い。
- 固有名詞、地名、役職、儀礼の造語が多く、読み慣れないと追いにくい。
- 事件や設定が盛りだくさんで、巻数が進んでも全容はすぐには見えにくい。
- ミステリ的な犯人掘り下げや政争の濃さを期待すると物足りなさが残る。
- 物語の区切りが強くなく、続巻前提の消化不良感が残りやすい。
テンポ・読後感
- 冒頭から緊張感が高く、バイオレンス寄りの立ち上がり。
- 事件解決と因縁の掘り下げが交互に進み、重苦しさが続く。
- 戦闘や怪異の場面は派手で、手に汗握る展開がある。
- 全体の空気は甘さよりも痛み、怨念、切なさが勝つ。
- 読後感はすっきりよりも、次巻への期待や不安が残る。
キャラクターへの評価
- 美凰は不死の身ゆえに救われにくく、痛々しさと強さが同居している。
- 天凱は苦労性で、責務と感情の板挟みが目立つ。
- 白遠は再会によって過去の感情を揺らす存在として印象が強い。
- 凶后は不在でも存在感が濃く、怨念の中心として物語を支配している。
- 登場人物全員に執着や罪悪感があり、関係性の重さが魅力になっている。
巻一覧
この巻のあらすじ
血染めの廃妃、後宮に帰還すーー
「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」
花婿である皇帝、司馬雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた劉美凰の心を容赦なく引き裂いた。残虐非道な稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛をほしいままにしていたがゆえに、美凰は婚礼の夜に起きた政変で断罪され、天下万民の怨敵として刑場に引っ立てられた。
そして十年の歳月が流れ、雪峰の崩御後に皇帝となった司馬天凱は、廃妃劉氏ーー美凰が幽閉されている離宮を訪ねる。都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美凰はいまだ怨憎が煮えたつ禁城に舞い戻る。こたびは紅の面紗をかぶった天子の花嫁ではなく、白き喪服をまとった、皇太后としてーー。
【編集担当からのおすすめ情報】 イラスト/夏目レモン
この巻のあらすじ
凶事が続く後宮で廃妃が見たものは…
夫である皇帝が起こした政変により、皇后の座を奪われ、廃妃として残虐な刑に処された美凰。万民の怨憎を一身に受ける美凰は、恐怖と苦痛の中で己のなかに眠っていた力を目覚めさせて不死となり、幽閉される。月日は流れ、息をひそめるように生きてきた美凰の前に、ある日、幼馴染みでもある新帝・司馬天凱が現れる。都に蔓延する奇病を鎮めるために美凰の奇しき力が必要だと天凱に告げられた美凰は、皇太后として後宮に舞い戻ることに。 そして二ヶ月後。事態をおさめ、後宮を去っていた美凰のもとに再び天凱がやってきた。懐妊した妃嬪たちが奇妙な石を産むという異常事態が、後宮で続いているというのだ。しかし、地方で蝗害が発生し、天凱は都を離れなければならない。そのため、美凰に事態の収拾を任せたいのだと天凱はいう。 天凱のいない後宮で怪異の調査を始めた美凰を手助けするのは、天凱の異母兄である白遠。十数年ぶりの再会を喜ぶ美凰と白遠だが、皇宮では白遠にまつわるよくない噂が流れていた。そして都を離れ、駆蝗に奔走する天凱は新たな災厄を目撃するーー。 怨憎と混乱と悲しみの後宮史、第二弾!
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