『霧雨が降る森』は、森に触れてはいけない村と、そこに残る不穏な伝承を軸にしたホラー寄りのミステリーシリーズ。記憶を封じられた少女シオリと、声を奪われた少年須賀が、十年後に同じ土地で再び向き合うところから物語が動き出す。村外れの森、夜光石の加工、おがみさまのしきたり、地下に残された記録が少しずつつながり、過去の出来事と現在の異変が照らし合わされていく。二人は、失踪事件や怪異の由来を確かめながら、自分たちに結びついた約束の意味もたどることになる。上下巻の本編に加えて、病院での出来事、古文書の解読、歴史保存会をめぐる後日談も収録されている。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- ゲーム本編では見えにくかった須賀くんの内面や、シオリ側の気持ちの補完が厚い。
- 村の因習、伝承、禁忌、石守やことりおばけの背景が掘り下げられ、世界観の理解が進。
- 既読でも新しい発見があり、ゲームとの見比べで楽しめる構成になっている。
- 心理描写が丁寧で、恋愛寄りの切なさやすれ違いが物語の軸として強い。
- 挿絵や地図、資料館の間取りなどの付録が雰囲気づくりに効いている。
こんな人におすすめ
- 原作ゲームをプレイ済みで、キャラの心情や裏側をもっと知りたい人。
- ホラーだけでなく、切ない関係性や恋愛要素も重視したい人。
- 日本の伝承や村の因習、閉鎖的な土地の空気感が好きな人。
- 実況視聴やクリア後に、設定の補完や考察を楽しみたい人。
- 怖すぎる演出より、読み物としてじっくり味わいたい人。
人を選ぶポイント
- 物語の大きな謎は解けても、村や人物たちのその後がはっきり語られない部分がある。
- ホラーとしては挿絵や設定が不気味で、苦手な人には刺さりやすい。
- ゲーム由来のため、ノベル単体だと既視感のある展開に感じる場合がある。
- 恋愛や心理の比重が高く、純ホラーを期待すると印象がずれる。
- 一部で説明しきらない要素や、夢・妄想のように読める場面がある。
テンポ・読後感
- 読みやすい文体で、進むほど慣れてテンポが上がる。
- 派手な事件を連発するより、心理の揺れと伏線回収で引っ張る。
- じわじわ不穏さが増し、切なさと焦れったさが残る空気感。
- ホラーの怖さに加えて、もどかしい関係性が読後感を強める。
- 物語の区切りはすっきりしすぎず、余韻を残す。
キャラクターへの評価
- 須賀くんは無口な印象よりも、葛藤や苛立ちを抱える普通の少年として見える。
- シオリは須賀くんとの関係の中心にいて、思い出や約束が物語を動かす。
- 互いを思いやるあまりすれ違う2人の関係が、甘さと切なさを両立している。
- 佐久間や望月など周辺人物の視点が入ることで、行動の裏側が見えやすい。
- 石守は強い執着や身勝手さが際立ち、村の不穏さを象徴する存在として受け止められている。
巻一覧
この巻のあらすじ
ある日、村外れの禁忌の森で、泣き虫の少年は「ことりおばけ」と呼ばれる悪霊に遭遇した。私の子どもになれと約束を迫られたそのとき、幼なじみの少女が現れ、約束は二つに分かれた。少女は父親である「おがみさま」の手により、約束の記憶を封じられて村を去った。一方、声を奪われた少年は、少女に誓った。「これからは、ぼくがしぃちゃんを守るよ」。そのために魔除けの石(夜光石)の加工に携わり、養父亡き後はおがみさんを継いで森の番人になった。――それなのに十年後、彼女は村を訪ねて来た。死んだ両親の故郷を調べるために。村にいた頃の記憶は封じられたまま、「約束」も夜光石の隠された秘密も知らずに。――かつて泣き虫の少年だった須賀は、彼女を守る決意をするのだが……。記憶を消されてしまった少女と声を奪われて喋れなくなってしまった少年が、十年後、ふたたび〈約束の場所〉で出会う―――衝撃のホラーミステリー上巻!
この巻のあらすじ
洞窟を探索中、シオリはことりおばけに襲われるも、それをきっかけに記憶を取り戻し、助けに来たおさななじみの須賀とついに念願の再会を果たす。その後、過去にあった忌まわしい事件を記述した文献を地下室で発見し、ことの発端をつきつめ、ことりおばけを成仏させることに成功。須賀の声が10年の時を経て復活なるも、須賀にはまだ夜光石の呪いが……。はたして須賀は、“愛するものを憎んでしまう”というその呪いから、解放されるときを迎えることができるのか。最後の決着には、石守との対決が待ち受けていた――。大人気フリーホラーゲーム「霧雨が降る森」完全ノベライズ、ついに完結!!
この巻のあらすじ
病院に運ばれた須賀につきそい、夢の中でシオリは気づく。須賀くんが持っていたあの夜光石は何のため? もしかして、私の記憶を消すつもりだったの――?(第一話「一つの願い」) 二年前の、女子中学生失踪事件のことを話す佐久間。みんなが止める中、シオリは真相を調べ始める。全ては須賀のために。「私、須賀くんを諦めたくないの」(第二話「罪の闇路に」) 資料館で保管されていた古文書の解読を目指して『歴史保存会』が立ち上げられた。しかし一冊の資料の紛失から、恨みの怨念に冒されてしまったシオリに、須賀は――!(第三話「汚れしこの世の」) 「霧雨が降る森」ノベライズ版(上下巻)の「その後」を描いた、全三話。
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